著者は戦後間もない昭和22-23年(1947-48年)に、北穂高岳山頂に山小屋を造った方です。1920年生まれなので、当時まだ20代ということになります。
内容は前半「山小屋を建てる」が戦中〜戦後の小屋設立までの実体の記録でして、迫力と言うか鬼気迫るものがあって、一気に読まざるを得ないものでした。強烈なインパクトを受けました。
その後は「北穂高に暮らして」「遭難」「山旅」「いま思うこと」「再び、いま思うこと」と続きますが、著者の半生を綴ったものです。「山旅」は、「北アルプス全山縦走」「遠州京丸牡丹を訪ねて」「春の利尻岳」の3編で構成されているのですが、「北アルプス全山縦走」と「遠州京丸牡丹を訪ねて」では全く違ったジャンルの山旅なのですが、これらの両方があってこその小山義治氏なのだと思いました。
いずれにせよ、その実績から言っても個性の強い人であったことは間違いないはずでして、その赤裸々な半生記は、同氏を直接知るひとからはいろいろな見方で読まれたものと推察されます。それでも長く読まれるべき価値が十分にあるから文庫本で再出版されたのではないかと思います。
私も北穂小屋に泊ったことが一度だけありますが、先にこの本を読んでおくべきでした。(再訪すれば良いとも言えますが)
こんにちわ〜。
友人がこの単行本を持っていて
強く勧められて私も読みました。
1980年代後半。
私はその頃は山登りはしていませんでしたので
なぜそこまでして、って感じがありましたけど、
なんだか引き込まれて一気に読みました。
重さ100kgs.以上の梁を3人がかりで担ぎあげた記述は
圧巻でした。
その後山登りをするようになり、
この本の事も頭にありましたが
北穂は登ってないんです
7-8年前、地元のTV番組で、ちょっと曲がった腰で
毎年北穂に登られているのを見てびっくりしました。
> sakusakuさん、コメントありがとうございました。
そう言われてみると、重さ35貫の梁を担ぎあげるという事実だけは、別の本か何かで昔読んでいたような気もしてきました。何にせよ、戦後2-3年くらいしか経っていないという時代背景などを鑑みるに、すさまじいまでの気魄を感じます。
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