冬の北鎌尾根で遭難した加藤文太郎については、あまりにも有名ですし、新田次郎著の小説「孤高の人」のモデルでもあり、大昔、私もはまっていました。また、私は読んだことはありませんが、「孤高の人」は週刊ヤングジャンプに掲載された漫画版もあるそうですね。
さて、本書ですが、新・加藤文太郎伝というだけあって、新しい切り口で描いています。超人的な伝説の英雄としてではなく、どちらかというと、弱みをもったごく普通の人間味のある姿で描かれています。
北鎌尾根で一緒に遭難した吉田富美久氏との出会いから前穂北尾根でパーティを組んでのビバーク登攀などは、単独行者の加藤文太郎氏が、単独行をやめるきっかけや経緯に触れており、作者の独特な視点で脚色されているように感じました。
nomoshinさん こんばんわ bergheilです。
私も「単独行者」はヤマケイに連載されているときから読んでいました。ヤマケイでは途中で話が終わってしまったので、中途半端な印象でしたが、今回、単行本になり、最後まで書いてあるのを読んで、なんだかすっきりしました。
同じ加藤文太郎をモデルとした小説の「孤高の人」(新田次郎 著)は、30年ほど前に読みましたが、最後の槍ヶ岳山行のあたり、なんとなく泥くさい人間ドラマという感じで、読後感はすっきりしませんでした。
それに比べると、この「単独行者」は、文太郎氏自身の唯一の著作である「単独行」に近いイメージで、好感をもって読むことができました。
13/3/15 追記)コミック版の「孤高の人」ですが、個々人の好みにもよると思いますが、少なくとも私の好みには合いませんでした。表題こそ「孤高の人」となっていますが、加藤文太郎のイメージとはかけ離れた内容と感じました。
bergheilさん、コメントありがとうございました。
(気づくのが遅れてしまい、すみません)
さすが、お詳しいですね。ほんと、ありがたいです。いま、ヤマケイ文庫の新編・単独行を読んでいる最中です。たしかに、谷さんの小説はかなり忠実な印象がしているところです。
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