著者の横山厚夫氏は、愛読書「静かなる山」を川崎精雄氏、望月氏、山田哲郎氏、中西章氏と5名で書かれた方です。1933年生ということで、この5名の方々の中では一番お若いことになっています。
この本は、26編の小紀行から構成されていて、あとがきを読むとその多くは、白山書房からの季刊誌「山の本」に掲載されたものがベースになっているようです。1月〜12月までの時期順(年はまちまち)に並んでいるので、季節の移り変わりを感じながら読み進むことができるように配慮されています。年代としては、1989〜1997年ですので、著者の年齢が50代後半から60代前半、現在の私がちょうどその域に入り始めているというのも、何かの縁だったかも知れません。
本書を読むと、のびやかな尾根と山頂からの展望をこよなく愛する方だということがとても良く分かりますし、私自身の嗜好とも合致していて、大変共感を覚えます。但し、車の運転をされない方のようなので、タクシーを利用することもありますが、基本的には鉄道やバスを乗り継いでアプローチするというスタイルですので、そのアプローチの苦労がまた山の麓村などへの愛着ともなっているように思います。また、奥様(本書の中では「家人」と読んでいる)と30年も仲良く山歩きをされている様子はうらやましい限りです。数々の写真に写っている方が奥様と推察されます。
あとがきで著者は、自分が「稀代の低山登山家」「低山岳界の大御所」などと呼ばれることを大変照れくさがっていますし、自分では好んで低山を歩いているつもりはないが確かに一冊分に原稿をまとめてみたら、そう思われても仕方ない山ばかりになってしまっていると認めていらっしゃいます。
いずれにしても、私の好きなタイプの好書。
nomoshinさん こんばんわ bergheilです。
私もこの本は読みました。お気に入りの一冊で、何回か読み返しています。
紹介されている山はどれも、やや地味な山ですが、そんな山をじっくりと味わいながら登っている感じが伝わる内容ですね。
私も、もう少し年をとったら、こんな感じで山をのんびりと味わいながら登りたいな、と思います。
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