もともとは月刊つり人別冊「渓流」などに2003〜2010年に掲載されたものだそうです。前書きでも触れられていますが、「山の仕事、山の暮らし」よりも標高を下げて「里」に下りたということでして、山が舞台というよりは里を舞台にしてそこに移住した人たちが主人公です。そうはいっても、都会では生きていけないというタイプの人たちが主役なので、もともとは山が好きだった、という方々が多く含まれています。
素直な感想として、こういう人生もあるんだなぁ、がまずあります。これは、鷹沢のり子著「女たちの山小屋物語」を読んだ時と似ています。そして、都会を捨てての田舎暮らし、やりたくても、さまざまなしがらみがあって踏ん切りつかないのが大多数だろうと推察しますので、それぞれの事情というものを紐解く楽しさのようなもので読み進みました。全部で15話から構成されていて、どれがどうのということは取り立てて振り返りませんが、表紙を飾っている西さん家(能生川の上流に家族6人で住んでいる)の女の子の笑顔、そして手にしている左右が入れ違った靴の中に山の実り、この写真が一番気に入りました。
【読了日:2014年7月25日】
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