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一般のマラソンランナーにとって、これから暑くなる5月末はレースシーズン終盤だが、僕は冬場から5月前半はフルマラソンなんかに出ると山スキー行きに支障がでるので、一年の前半に出るのがこの黒部名水、後半が秋の富山マラソンとなる。4月まで10km程度以下のラントレはそれなりにやっていて、10km50分では走れていた。フルマラソンサブ4を維持するには、さらに30km程度以上を6分/kmくらいでは走れてないと行けないだろうと思う。その長距離の練習が足りてないと思い、5月になってまず20km、そして5月6日に40kmを走った。一応無事走り切ったが、そこで左膝を痛めた。
こうなるとちと厄介で、治るのに日数がかかり、治りかけのどんな状態から運動再開するのが良いか難しい。当初はそれほど重症ではないと思い、数日様子を見て回復途上と感じて5月12日に5km走ってみたところ、痛みがぶり返した。それから怖くなって、違和感が残ってたら走れないなという気になり、遂にそれから本番前日までの走行距離は0kmに終わった。
この間5月19-20日には立山の山スキー、室堂から浄土山、大走りから真砂岳、真砂沢、剱沢登り返しと雷鳥沢と、2日間で累積2000m登って2000m滑り降りた。行動中はほぼ膝を意識しなくて済んだが、次の日にはまた痛みがでた。
過去に左膝の痛みで苦しんだのが2016年の富山マラソン。状況は似ているが、その時は膝を痛めたのが本番2か月前、1週間前には20kmを走ってはいた。今度の方が走ってない、走れてない。直前の違和感の程度はどうか、似たようなものだな。出走して良いものか、記録は出ないことは明らかで、走って意味があるのか。悩みもしたが、こんな時でもフルを完走するにはどうするか、一つのチャレンジと思って出てみようと思った。Dr.シンモンからは無理しないようにとの忠告を受け、走って駄目と思えば躊躇なく中断し、収容されるのも経験と思うことにした。
さて5月27日(日)のレース当日、膝への対応としてはロキソニンテープを張り、サポーターを巻いた。足の攣りも起こすだろうと芍薬甘草湯を携行した。走り方の方針としては、完全自然体と決めた。つまり、特に目標ペースを定めず、場面場面で無理なく、できれば楽しいと感じるペースで走って行こうと。
スタート前の集合、僕はCブロックで去年のDブロックより一つ前に進んだ。ここは多くのランナーがサブ4かさらに上を目指すグループ、これに付いて行ってはいけないな、自然体、自然体と念じてスタートとなった。
スタートの号砲が鳴っても前が動き出すまでしばし待つ。そろりそろりと動き出して歩き、ジョギングペースになってスタートゲートを越える。この間はCブロックでは約1分、その後自由なペースで走れるようになると、前へ前へと出ていくランナーには付いていかないが、その他大勢のペースにはなんとなく合って走れている。問題の膝はどうか? 初めの3kmほどでちょっと痛み的なものを感じ始めた。もはやリタイアに向かうのか、と一瞬思わせたが、じっくり走っていると収まって気にならなくなる。そんな状況を数回繰り返した。
最初の5kmラップが27:06、次の10kmまでが26:24、これらは去年のものと比べて10〜20秒程度の差で遜色ない。15kmまでは27:33、20kmまでが28:33と少しずつ落ち始めた。本コースは10kmまでは平坦、23kmの折り返しまで山に向かって100m登るので、そのため落ちたとも読めるが、去年はそうはならず、20kmまでで27:02と僅かに落ちたが、折り返し下りに入って30kmまで26分台キープ、35kmで27:25、40kmで28:37と初めて少し大きく落ちたのだった。今回10km以降は膝は大丈夫でも、大腿部に疲れ始め感が出ている。右の方が少し強く、これは左ひざを何となくかばう非対称の走りをしているからで、2016富山マラソンの状況と同じだ。
先々崩れる予感を持ちながらも、中間ラップが1:56:45、ここまでは案外走れたとは思った。この先ペースダウンは必至だが、サブ4を守るためには30分/5kmでは間に合わず、29分で行かなければいけないとの計算を走りながら必死でしていた。23kmの折り返し点を過ぎ、対面通行区間が終わって直ぐに25km地点、ラップ28:50でやはり下りに入っても速くならない。
35km過ぎまで延々と黒部川堰堤を走る。29km辺りで高橋尚子さんのハイタッチ。「ここからが勝負よ〜」と激励を受けるが、いよいよ足攣りの兆候が現れ、だましの走りを余儀なくされる。そして足音で、振り返らなくてもはっきり分かる、4時間ペースランナーとそれを取り囲む大集団が大波の様にやって来た。あっさり抜かれたが、もう自然体ペースを守るしかない。
黒部川堰堤道は、橋を潜るなどの数か所で堤防の上から下に下り、また上に上がる。この傾斜がなかなか強く、下りでも攣らないためにペースダウン、そして辛抱の登り返しとなる。約2km毎の給水所では歩き、やわやわ走り始める。突然強く攣り出して止まってストレッチ、が一度あったが、一度で済んだ。芍薬甘草湯は結局使わなかった。膝は? 何ともなくもないが、足の筋肉の痛さに紛れてよく分らん、と言う程度。ともかく保ってくれた。救護所のスプレーは一度利用した。
約36kmであいのかぜの線路を潜り、37km過ぎて海沿いの堤防に沿った道。富山湾の景観が広がるが僕は次の給水所までは立ち止まらないぞと、自然体と言いながらもかなり必死で頑張っていた。40kmでは4時間に達してなかったが、残り2km地点では過ぎていた。この間に給水所があったから。生地の町中で公衆トイレを見つけて入った。入らなくても済んだが、休む言い訳として入った。
41km、そして残り1km、やっとゴールできるという確信が持てた。黒部市総合公園が見えて来て、ラストスパートのランナーもいるがかなり少数派。ここでも立ち止まったり、歩いているランナーもいるが、僕は自分の現状のペースで精一杯走るだけ。総合公園に入って左折するとゴールゲートが見えて、残り200m。この間長くも短くも感じ、辛くも嬉しくもあった。
終わって見れば、公式タイム(グロスタイム)4:13:51、ネットタイム4:12:55で、ネット比較で2016富山マラソンの時よりは約2分早く、ワースト記録は免れた。その時と大体似たような展開ではあったが、後半立ち止まった時間は若干短くて済ませられた分の差かと思う。障害と練習不足の不利な状況をある程度マネジメントできたのかなと思っている。
とりあえず膝の完全回復に努めて、夏山とサイクリングを楽しめるようにしないと。涼しくなったらまた走り始めて、今度は富山マラソンを悔いなく走りたい。
Nshidenさん、お久しぶりです。
昨年末に大品山ですれ違ったosamuinです。
黒部名水マラソン、お疲れ様でした。
自分も大会に参加し、Dスタートでタイムは4時間12分(グロス)でした。後半はNishidenさんと同じエリアで奮闘(苦悩)していたようです(登山ではサングラスをしているのでマラソンで横になっても人物を特定できませんね)。こちらは、風邪が長引いて負荷をかけた練習ができていなかったので、30kmを過ぎてから失速してしまいました。
まだデータを分析中なのでヤマレコにアップしていませんが、記録がまとまり次第、私の日記にアップしますので、ご覧下さい(ちょっと手間がかかりますので、まだ時間がかかります)。
体調を整え、富山マラソンでお会いできればと思います。
レース途中で痛みが悪化しなくてよかったですね。その後膝は大丈夫ですか?山にもチャリにも支障なきことを。
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