ピークが2つ近接していたりして、どのピークに登ればその山に登ったことになるか、主峰とされないピークを踏んでも登頂と認められるのか、問題になる山がある。
日本百名山
雌阿寒岳と雄阿寒岳 これらは近接2ピークとは言えず、かなり独立した2つの山。標高の高い方の雌阿寒岳が「阿寒岳」とされているが、深田久弥は雌阿寒が噴火中だったので雄阿寒に登った。
立山 立山と言うピークは存在せず、雄山、大汝山、富士ノ折立の3ピークを総称して立山となっている。最高峰は大汝山3015mだが、雄山3003mに雄山神社があり、一等三角点があって代表とされることも多く、一ノ越から先ず到達するのが雄山であるので富山県の学校の「立山登山」は殆どが雄山で終わっていると思われる。
ヤマレコでは大汝山に到達しないと立山登頂にならない。
水晶岳 南峰2986mと北峰2978mがあるが、かなり近接しているし、鷲羽岳から野口五郎岳につながる主ルートからは先ず南峰に達するので、北峰にしか行かない登山者は殆どあり得ないと思われ、問題にならないだろう。ヤマレコでは区別もされていない。
鹿島槍ヶ岳 双耳峰として有名で、北峰2842mに対し南峰2889mが主峰である。
焼岳 北峰2444mに対し南峰2455mが2等三角点のある最高点だが、火山活動に絡み南峰は現在立ち入り禁止である。
鳳凰三山 地蔵ヶ岳2764m、観音ヶ岳2741m、薬師ヶ岳2780mの総称であり、観音ヶ岳が代表。
富山の百山
別山 北峰2880mと南峰2874mがあり、互いの距離は300mほどでそれらの間に2860mの等高線はない。
南峰が稜線ルート上にあり、北峰へは寄り道となる。富山県岳連編「富山の百山」では北峰まで行くことになっている。
ヤマレコでは「別山北峰」が百山扱い。
爺ヶ岳 北峰2631m、中峰2670m、南峰2660mから成り、「富山の百山」では中峰を爺ヶ岳とし、ヤマレコでは爺ヶ岳中峰が百山扱い。
牛岳 西に三角点のある山頂987mと東に牛嶽神社970mがある。
池平山 池ノ平山とも書かれ、「いけのたいらやま」であるが池平山の方が標準らしい。北峰2561mと南峰2555mがあり、両者の距離は300m足らず、最低鞍部への高低差は50m程度である。しかし南峰には池の平小屋からの一般道で達するが、そこから北峰へは破線路でもない完全バリエーションである。今回僕たちはロープ等の登攀具を持ち懸垂下降を交えて往復した。
「富山の百山」では北峰を主峰としつつも登山案内は南峰までになっている。
ヤマレコでは「池平山北峰」「池平山南峰」「池平山」の三者が存在し、「池平山」と「池平山北峰」は事実上同一である。
ユーザーが任意に山情報の登録・編集ができるのでこういうことが起きる。この両者も別の人が最終編集者となっている。ヤマレコの富山の百山認定は「池平山」にリンクしている様である。
ヤマレコの登頂認定は、基本は登山記録でGPSトラックを登録するとトラック上のピークが自動認定されるが、GPSを持たない登山者でも、またGPSデータ誤差等で自動認定されなかった場合のためにユーザー側から「登頂した山」として記録できる。池平山南峰のみを登った人が「池平山」に自己登録している例があり、「富山の百山」の取っている立場からすると否定しがたいかなと思う。
Nishidenさん、こんにちわ。
自分も八ヶ岳の天狗岳。
何回か行ってるんですが、いつも
稜線上の西しか行かないので、
行ってないことになってます。
そう言えば九重も久住しか登ってないので
登ったことになってない。( ´ ▽ ` )
Nishidenさん、詳細な解説ありがとうございます。
水晶なんかは北峰の方が低いですが、三角点(点名:水晶山、三等三角点)がありますよね。
どっちが正確なピークか分からなかったので、一応二つとも踏んでみました。往復10分もかからないので気楽な往復ですが。
今回の池平山の北峰について。
日本登山体系5 剣岳・黒部・立山の三ノ窓周辺の岩場の項の末尾に付記として池ノ平山北東壁(この本ではノ付き)周辺の概念図が載っています。その図の中では北峰部分には「池ノ平山」と記載され、南峰部分には「南峰」とのみ記載されていました。
やはり北峰を登ってこその池平山かなと感慨に耽りました。
基本的に登頂と言うからには、その山の最高点に到達する事に拘りたいのですが、色々な事情から最高点でなくても登頂としているのは結構ありますね。
例えば日本百名山では、
利尻岳は北峰と南峰があって南峰の方が高いけど、南峰へは少し危険なため北峰にロープが張ってあり、一般的に北峰で登頂としている。
焼岳も北峰より南峰の方が高いけど、南峰は噴気の影響で立ち入り禁止なので北峰で登頂としている。
白根山は最高点に登山道が通っておらず、自然保護の観点から登山道を外れる事ができないので無雪期は到達できない。
これらは仕方ない面もありますが、何となくモヤモヤする感じではあります。
あと、山梨百名山では、
鶏冠山のように標柱の位置が実際の山頂ではない所にあって、そこで登頂にしている所があります。
櫛形山は、昔は国土地理の地図で三角点のある奥仙重を山頂としていましたが、500mほど北に1mほど高い地点があり、そちらに標柱が立っています。
拘ると色々スッキリしない点もでてきますが、初登頂というのでもなければ登頂か否かは自分の気持ち次第みたいなもの。
厳密に最高点でなくても登頂として良いのかも知れません。
ヤマレコの「登頂した山」はレコで編集する以外に、山頂の情報を編集できるから山頂の場所を替えてしまうという手段もありますね。
これは軽率にやってはいけない禁じ手ではありますが。
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