金曜日の夜、甲斐駒・仙丈ケ岳に登るべく、南アルプス林道バスの出る伊那仙流荘に向かって中央道を西向きに走っていた。深夜0時が近づいていたが、高速を出る予定の伊那ICまでは20km、仙流荘に着いて5時間くらいは眠る時間が確保できるかなと計算していた。突然「ボン」と低く太い音が聞こえ、前を走っていた大型トラックに何かあったとは気づいたが、それが何か、どうすれば良いかの判断にコンマ何秒かを要し、「追突だ! 止まらなきゃ、後ろの車が迫ってないかも見て、ハザードランプ点けて」と頭の中で自分に命令し、無事止まることができた。
大型トラック同士の追突で、前のトラックは既に止まっていたのか、急に止まろうとしたのか僕には分からない。路肩に目一杯寄っていたのだが、車が走れない狭い路肩で完全に走行車線にはみ出していたところに後ろの車が突っ込んだのだ。後ろのトラックの運転手は出て歩き回り、電話を掛けたりしている。彼に聞いて怪我人はいないことを確かめた。それは不幸中の幸いだったが、トラックの荷台の右壁が破れ、積み荷が散乱して追い越し車線も塞いだ。当然後ろに長い車列ができ、完全に閉じ込められた。以下は開通までのプロセス。
事故現場の正確な位置は、184.4kmのキロポストがあり、岡谷JCを過ぎて辰野PA手前6kmで伊北ICまでは9km。
事故が起き、止まって直ぐに撮った最初の写真の時刻が23:47だった。非常灯を乗せた一般色警察車(いわゆる覆面パトカー)が、消防車みたいなMEXCOの作業車を引き連れてやって来たのが0:20。両車線に並ぶ車列を動かして間を開けながらやって来たので手間かかったと思う。
しばらくは2人くらいの作業員が歩き回っていて具体的な作業はない。手順を検討していたのだろう。この間何人かの作業員が路肩の外側の草地を通ってトラックの前方に移動していった。前方のこちらからは見えないところで排除作業が進んでいると認識できたのは13:00を過ぎていたが、実際に作業が始まったのは0:40位ではないかと思う。目の前の物がかなりどいて、見通しが良くなったのが1:40。1:55には最後の大物が動いた。こまごまと残った小物が片づけられ、路面清掃が入って2:15。もう間もなく通してもらえそうにこの時は思ったが、未だだった。
破れたトラック荷台の右壁には中から荷物が寄りかかっているらしく、それらを外に出す作業があって2:45。2:53、ようやく開通作業になる旨のアナウンスが出た。白黒のパトカーが最前列にやって来て、では付いて来てくださいと言われたのがほぼ3:00。パトカーのリアウインドウには電光掲示板が設置されていて、「ゆっくり付いてきてください」とか「左に寄って止まってください」とかの指示が出る。200m位ゆっくり進んで、一旦止まる。点検の後、伊北ICまでの9kmを時速40kmで先導走行、パトカーがIC出口に逸れてやっと完全開放された。
仙流荘の駐車場に入れたのは4:00。もう空は白んでいた。5:00にはバス停前にザックが並ぶ。歌宿へのバス内はうつらうつらしていたが、北沢峠へ、そして甲斐駒往復はなんとか元気で歩けた。テン場に戻り、ビール1缶飲んで直ぐ夕寝に入った。
新型コロナの影響で休日割引がしばらくの間なくなって、現在は深夜割引しかないので、0時から4時の間に高速道路を利用する車が増えているのかなあと推測します。土曜日の早朝に出発するよりも金曜日の夜に出発した方が深夜割引を利用しやすいと思いますが、深夜の事故にはくれぐれもご注意ください。
事故がなければ伊那ICを0時過ぎに下りて、仙流荘に着かれてからも仮眠を取る時間を確保できたでしょうが、とんだとばっちりでしたね。事故現場の手前で巻き込まれずに済んだのが何よりの幸いです。
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