遠く見えなくなるまで息子を見送る高齢の母

1年ぶりに兄が母に会いました。みんなで久しぶりに食事。とても心温まるいつもの光景でした。

兄が先に帰りました。別の方向を向いて歩こうとしたところ、母がしきりに振り向いています。結局母は兄が100メートル先の方で見えなくなるまで見送り、「〇〇ちゃん、振り向いてくれないかしら」と言っていました。

母は認知症です。兄はどうせ覚えていないと思っているのでしょうか。会いに来ません。症状が進行しているのが分かるのが怖いのでしょうか。

私はいつまでも見送る母を見て何だか切ない気持ちに。そういえば、毎日家を出て道を曲がるところまで見送ってくれました。

粗大ごみでたんすを処分します。久しぶりに開けてみたら、懐かしい柄の母の着物がいくつか。私が七五三で着たと思われる花柄のもありました。大事にしている母の思い出の着物。

息子を想う母と重なってなんだか胸が締め付けられる気持ちです。