|
|
|
時折雨が降る中、人気のない山道を歩き続け、大荒沢岳山頂に到着。
羽後朝日岳が見えるはずの方向を眺めるが、残念ながらガスが濃く全くその姿を確認することができず、目の前には、来る者を拒むかの様に濃い藪が立ち塞がっている。
意を決して藪に突入し、先ずはコルを目指して尾根沿いに降下するが、密集した笹藪は進行方向に対して左側に流れており、左の谷へと追いやられていく。
更に根元から太い枝を四方八方に伸ばした灌木により、全く思うように直進できず、体力の消耗が激しい。
苦労の末コルに到着し、一息つくが、山頂方向を見上げれば、先が見えない背の高い密藪が依然として立ち塞がっている。
既に全身はずぶ濡れの泥だらけだ…。
更にそこから小ピークに登り返すが、意外にも時折背の低い藪域が存在し、方向確認に一役かってくれ、また、運良く山頂方向にあった濃いガスも徐々に抜けて行き、どうやら天気は回復傾向のようだ。
あと一息か…。
そして足に絡み付くハイマツ帯を難儀して抜け出し、背丈の低い笹藪を抜けると…突然山頂直下の枯れ草が覆う草原に抜けた。
草原には今までの苦労を労うかのように枯れ草の合間からピンク色の可愛らしい小さな花が顔を出しており、気の利いた演出につい顔がほころぶ。
そしてそこから山頂方向を見上げると、今までの悪天候が嘘だったかのように視界が広がっており、眩しい位の新緑を纏った周辺の山々の姿も確認できる。
山頂まで、あと数十メートル。
藪こぎで疲れた体に鞭を入れ、やや勾配がキツイ草原を登りきると…いよいよ憧れの秘峰、羽後朝日岳山頂に到着。
山頂に建つ標柱脇では、見頃を迎えた桜が迎えてくれた。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する