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7時30分、アクアグリーンビレッジANMONの駐車場には曇り空の下、人影も無く、静かな朝を迎えている。
待ち合わせをした時間にはまだ早いので、近くにある暗門川に架かる橋を渡り、川の脇の通路を進むと、右手にトイレ棟があり、更にその先の左手にはシャッターが閉められた受付らしい建物と、その右手には休憩所の様な建物がある。
休憩所の様な建物に入ると、通行届けの用紙があったので、記入を済ませてから一旦待ち合わせの駐車場まで戻ると、丁度今日同行される方が現れたので、初めての挨拶を交わしてから沢登りの装備を身につけ、9時に駐車場を後にすると、先程閉まっていた受付が開いていたので、受付の方にルート状況を伺い、協力金を支払って暗門滝へと続く道へと歩みを進めた。
さて、同行者がいる山行はほぼ初めてのことなので、やや不安ではあったが、普段から沢登りをされており、気さくな方なので、殆ど山話しが途切れること無く、穏やかな雰囲気で山道を進むと、あっという間に第三の滝へと到着した。
数十メートル上から吹き出す直瀑のしぶきを全身に浴びながら見る第三の滝は、普段沢登りで見る複雑な造形をしたマニアックな滝を見慣れた目にはかえって新鮮であり、ゴーッ!という音と共に正統派の迫力を感じる。
二人で感嘆の声をあげた後は、記念撮影を済ませ、第三の滝の落ち口の脇を通り、第二の滝を目指す。
頭上に迫る険しい岩壁の真下を通る歩道を進むと、間も無くして第二の滝へと到着するが、こちらも正統派の直瀑であり、緑の木々の合間から吹き出す水の流れが美しい。
記念撮影を終えた後は、右手にある立ち入り禁止のバリケードを抜け、更に今日のハイライトである第一の滝を目指し、やや急な斜面を登り詰め、その先にある真っ暗なトンネルを抜け、第二の滝の迫力ある落ち口の景色を楽しみつつ更に歩みを進めると、ほぼ垂直の岩壁に設けられたスリル溢れる幅20cm程の極細の山道が現れ、その下には深い沢が流れている。
やや緊張しつつ体を横にして右手の岩壁にへばりつく様にして進むと、間も無くして第一の滝へと10時30分に到着した。
思わず感嘆の声をあげる。
こちらも直瀑だが、黒い岩壁と周囲の緑が魅せるコントラスト。
そして、正面に見える数十メートルの高さから吹き出す水しぶきがキラキラと輝きながら空中を舞う姿が非常に美しい。
記念撮影を済ませ、山行で火照った体に降り注ぐ水しぶきを浴びながら心地好い時間を過ごした後は、勿論沢装備の二人がやる事と言えば既に決まっている。
今日のハイライトの次は、アドベンチャーだ!
左手に延びるズルズルと滑る急な巻き道を木の根をホールドしながら登り詰め、西股沢へと下り、更にその沢を右手へと少し下ると、そこには第一の滝の落ち口があった。
上流からの穏やかな水の流れが、足下から滝坪へと一気に流れ落ちるスリル満点の景色に、またもや二人して感嘆の声をあげる。
ドキドキ、ワクワクな景色を楽しんだ後は、まだもの足りなさがあったので、西股沢を少し遡行することとした。
そして1km程進んだが、こちらは第一の滝までの険しい岩肌が続く景色とは違い、浅く平坦な水の流れが続く癒し系の沢であり、アドベンチャーを期待していただけにやや拍子抜けしたが、相方さんはこの癒し系の沢がどうやら気に入ったようだ。
そして更に暫く歩き続けるが、そろそろ下山時間が迫ってきたので、名残惜しいがこの先の遡行は次回にお預けということにして帰路につくこととした。
一人、目を三角にして藪を漕ぎ、沢を登り詰め、苦難を伴いつつ目的地に到達する喜びも格別だが、今日は相方さんと共に終始心穏やかに山行することができ、こんな山行もよいものだなぁ…などと思いつつ、遥々他県から遠征して来て下さった相方さんに感謝し今日の山行を終えた。
※現在、第二の滝までは、歩道が整備され一般に解放されているが、その先の第一の滝には、一般の方は立ち入り禁止とされており、装備と経験が必要。
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