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2020年10月06日 14:06未分類全体に公開

奥羽山脈〜栗駒山・無雪期

2020,10,04
須川湖畔の駐車場に到着し、まだがら空きの駐車場へと車を停め、早速登山への準備を始めると、静かだった駐車場も登山者らしき人々で賑わい始めた。
準備を済ませ7時20分にトイレ脇の通路へと進んだ。
湖を反時計回りに進み、その場に居合わせたキャンプを楽しむ方達との朝の挨拶を交わしながら通路を進み、その先の車道を右手へと暫く進むと、7時35分に秣岳登山口へと到着し、早速木の根が露出したやや滑りやすい山道を進んだ。
色付き始めた木々の葉が飾る山道を暫く進むと、やがて眼下には目の前の紅葉した木々とは対照的に緑に囲まれた須川湖が見え、その場に居合わせた登山者と共に少しの間景色を楽しみ、更に先へと30分程進むと秣岳へと到着したが、狭い山頂は既に先に到着していた登山者で一杯であったので、休むことなく先へと進んだ。
進む程に同じ方向へ向かう登山者は増え、次から次へと道を譲ってくれるのだが、逆に追い付かれて通行の妨げになるのも申し訳ないので、その度に歩くペースを上げることとなり、この後追われるように歩き続け、栗駒山山頂まで殆ど休憩することなく歩き続けることとなった。
一度だけ写真撮影の邪魔になるかと思い、休憩のついでに立ち止まったが、逆に山道を歩く登山者の姿を撮影したいとのことで、撮影のモデルがてら結局また歩くこととなった。
更に辺り一面の錦に彩られた山道を進み、そこでも撮影を楽しむ方の邪魔をしないように、金色の草原の中にある木道を足早に通りすぎ、その先の岩峰で記念撮影を済ませ先に進むと、暫くしてこの場に似つかわしくないソーラーパネルを背負ったカメラ施設が現れた。
紅葉で彩られたこの景色の中にあっては異質な存在に見えるその裏側に廻ると、眼下には昭和湖が見える。
美しい景色を暫く眺めていたい気持ちも山々だが、次から次へと現れる撮影者の為に順番を譲らなくてはならないだろう…。
そしてその先のやや風が強い天狗平を通りすぎ、崩壊ぎみの木製の階段が続く斜面へと進むが、ここからは栗駒山山頂から下山する登山者の数が一気に増え、すれ違う度に多少の待ち時間を要する。
山頂が近付くにつれ、更に登山者の数は増え続ける中、人混みの中を進むと大きな標柱が建つ山頂へと10時に到着した。
このように人が沢山いる山頂は初めての事だったので、少しばかり面食らうこととなり、更に皆スマートなウェアに身を包んでいる姿の中に、道なき道に苦楽を共にした数百円のTシャツでここにいる自分が少し恥ずかしい…。
流石有名な観光地なだけあって、老若男女入り乱れ、小さなお社に手を合わせる者、カメラの三脚を立てる者、ガスに火を入れ鍋を囲む者、標柱の前でポーズを決める者、更にその順番を待つ者などなど100人はいるだろうか…皆楽しそうだ。
大勢の登山者がごった返す山頂広場の端になんとか空きを見つけ、少し早い昼食にすることとしたが、ザックを置く場所も無い程の混み具合なので、岩に腰掛けザックを膝の上に置き、持参したおむすびを口に頬張り、次から次へと山頂へ到着する登山者が増える中、落ち着かない昼食をとっていると、ザックの上に置いていた残りのおむすびが、あろうことかザックの上から転げ落ち、コロコロと斜面を転がって行くではないか…。
ザックの重みで即座に身動きがとれないでいると、運良く近くを歩く女性に拾っていただいた。
こんなことが本当にあるんだなぁ…などと思いつつ、おとぎ話しの様な光景に、笑いが込み上げる。
昼食を終え、休憩場所を他の登山者へと譲り、10時20分山頂を後にするが、山頂へ押し寄せる登山者の波と、フラフラとおぼつかない足取りで目の前を下る登山者の長い列が続き、一向に先には進めない。
よくみると、服装も様々であり、スーツのジャケットを羽織った方がいたり、真新しいパンプスを履いている方がいたり、空身で全く装備が無い方や、犬の散歩をされている方がいたりと、他の観光地と然程変わらない状況だ。
急ぐ旅ではないので、道を譲り合いつつ下るが、中にはそんな状況に嫌気がさしたのか、強引に後ろから抜かしながら進んで行く方もいるので、見ているこちらもハラハラする。
暫くして裏掛コース分岐を左へと進むと、細かい石で覆われた下りが続くが、コロコロと転がる石はベアリングの様に足下が滑り歩きにくい。
しかし、普段ツルツルと滑る足下での安定感を試される沢登りで鍛えた足腰がそれを補ってくれている事が実感でき、一人悦に浸る。
辺りは見頃を迎えた紅葉で飾られた見渡す限りの美しい山並みが続いており、景色を楽しみながら更に分岐を左へと進むと、山道の真ん中に座り込んで昼食を楽しむ方々がいて少し驚きつつ、足場の悪い沢の中を通りすぎ、笊森コース分岐を直進。
このあたりから山頂を目指すツアー登山者が急増し、一度道を譲ると列が途切れるまで延々と待たされる事となる。
しかし、譲ることにより逆に登山に不慣れらしいツアー登山者の登る速度を上げさせてしまいペースを崩してしまうので、ありがた迷惑となり、お互いに苦笑いしながら挨拶を交わす。
やはりここでも痺れを切らした登山者が、ツアー登山者の列に割って入り、強引に下って行った。
泥が着いた滑りやすい岩場なので、危険だとは思うが、人それぞれの事情があることなので、仕方がないことなのだろう…。
更に滑りやすい山道を下り、泥で汚れた登山靴を途中の沢でジャブジャブと洗うが、一滴たりとも水を浸入させないこのお気に入りの登山靴には今更ながら感心した。
そして更に暫く下ると、温泉特有の臭いが漂う須川温泉へと到着し、ゴール地点の須川湖へと舗装路を進むと、山行中にすれ違った方と、またここですれ違うこととなり、お互いに山道を逆方向に一周したことなど言葉を交わした。
その後、途中のイワカガミ湿原へと入ったが、誰もいない荒れた雰囲気が漂う湿原には見るものもなく、須川湖へと向かう橋も無くなっているとの表記があったので、車道へと戻り、12時30分に須川湖畔の駐車場へと無事に到着した。
今回は、初めての栗駒山であり、噂に聞くこの山域がどんな素晴らしい姿を見せてくれるのか楽しみではあったが、残念ながら山域を吹き渡る風の音、沢のせせらぎ、動植物達の営み、大自然の中で食べるこの上無く旨い昼食などを感じるような、五感を刺激する山行ではなかった。
聞こえるものと言えば、人の話し声や熊避けの鈴の音、遠くに聞こえる車やバイクが発するエンジン音だけだ。
更に美しく紅葉した森の隙間には、用を足した真新しい白い紙が置き去りにされており、少し残念に思う。
しかし、これだけ多くの登山者が登る山道には、ゴミ一つ見当たらないことを考えれば、この山域を管理又は守る方々の意気込が感じられ、また、日々のご苦労とここまで無事に到着できたことに感謝しつつこの山行を終えた。
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