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かつて金属鉱山として栄えた尾太鉱山は、閉山後の今も水処理が行われており、入山には届け出が必要。
坑廃水処理施設の制御室にて入山届けを済ませ、6時50分、施設内のシックナー脇の通路を通り、湯ノ沢川の脇を南へと進み、地形図を確認しつつ目当ての尾根を探していると、遊歩道の様なハッキリとした通路があったので、取り敢えずその道を辿ることとした。
少し進むと簡単な作りの小さなお社があり、その脇を通り抜けると斜面の上へと階段が続いている。
階段脇に通してある手摺代わりのロープの支柱は既に倒れ、階段も所々崩れているところを見ると、最近は整備されていないようだ。
更に通路に従い暫く進むと分岐点があり、取り敢えずは直進するが、間も無くその先には崩壊した斜面が現れた為、一旦先程の分岐点に戻り、通路を外れて斜面の上へと続く山道へと進んだ。
地形図を確認すると、どうやらこの山道が目指すべき尾根へと向かっているようだ。
そして道なりに暫く進むと、古い石垣が現れた。
旧鉱山施設の一部だろうか…。
周辺を見渡すが、ここから先に続く明瞭な山道は無いようなので、尾根上の石垣を直登することとしたが、少し進むと藪の中にうっすらとした山道が現れた。
事前情報では、道が無い山とのことだったので、やや拍子抜けしたが、折角なので利用させてもらうこととした。
傾斜がキツイ斜面につづら折りにうっすらと続く山道を暫く進むと、藪は次第に濃くなり、時折山道を見失う為、復路の確保の為に持参したテープを木の枝に巻き付けながら登り続けると、高度800m付近からは、いよいよ本格的な藪の中を進むこととなり、うっすらとした山道は、いつの間にか藪の中へと消えた。
チクチクと刺してくる数十匹の虫を纏いながら、冬季の積雪の重みで真横へと太い枝を伸ばす木々を乗り越え、時にはくぐり抜けなから更に進むと、高度900m付近からは岩場が現れ、その岩場にタコの様に根を這わせた針葉樹が行く手を阻んだ。
段差が激しい尾根上の岩場を根や枝にしがみつきながらアクロバティックに登り続けると、やがて辺りはネマガリタケと灌木の細い枝が密集する藪で覆われ、目の前の視界はなくなった。
既に全身泥まみれで疲労も激しいが、藪の隙間から時折見える周辺の山々の美しい景色に感動しつつ、更に高度を上げるべく藪漕ぎを続ると、目の前には山頂直下の最後の急斜面が見える。
一息ついた後、その斜面を灌木にしがみつきつつ乗り越え、低くなった藪の中を進むと、藪の中に岩が点在する尾太岳山頂へと9時30分に到着した。
山頂では穏やかな風が流れ、ウグイスの鳴き声と共に、目の前には沢山のピンク色の花を咲かせたヤマツツジが登頂を祝ってくているかのように咲き誇っている。
周囲を見渡せば、白神山地の山々を眩しいほどの新緑の濃い緑が覆い、その遠くの谷間には、白く輝く滝の流れが見える。
苦労の末手に入れた絶景を眺めつつ、藪の中に突き出た岩の上に一人佇み、暫く景色を堪能した後は、岩に腰かけて少し早い昼食にすることとした。
持参した水筒の熱いお茶と共に口に頬張る鮭のおむすびの味は、今日も最高に旨い!
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