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秋晴れに恵まれた今日は、夜勤明けの眠い目を擦りながら白神岳登山口(黒崎)駐車場へと向かった。
駐車場に到着すると、数十台の車が停められているが、皆既に山頂を目指して出発した後のようだ。
早速身仕度を整え、ゼリードリンクを飲み干し、駐車場を後にした。
舗装された緩い坂道を上ると、お馴染みの記帳所があり、いつもながら小綺麗に整頓された記帳所の中にて登山届を記入し、9時20分、白神岳山頂を目指し入山した。
白神岳への山行は、 既に今年4度目となるが、雪の無い白神岳に登るのは久しぶりであり、目の前に続く緑に包まれた山道の景色は実に新鮮で、夜勤明けの眠気を吹き飛ばしてくれた。
杉の木が立ち並ぶ山道を軽快に進むと、暫くして蟶山コースと二股コースの分岐点へと到着し、その場で休憩中の登山者と行き先や天気など言葉を交わし、蟶山コースへと進んだ。
山道には見覚えのある木々が根を露にしており、登山者が歩く度に踏まれ続け、年を追うごとに根の周りの土が削られ、実に痛々しい姿を晒している。
白神岳に限らず、人気のある山では少なからずこのような状況を目にするのだが、何とかならないものだろうか…。
申し訳ない気持ちを胸に、最後の水場を通り過ぎ、蟶山への急登を登っていると、倒木に生えた舞茸の様な形をした真っ白な茸を採取している方がいたので、話しを伺ってみると、肉と一緒に炒めると大変美味しい茸なのだそうだ。
朝食もろくに食べていない今朝は、とても良い香りのする茸に、つい食欲が湧いてくる。
それから少しして、大峰分岐へと続く尾根へと上がり、更に高度を上げる。
高度1000m付近より、辺りの景色を埋める木々の葉は色づきを増し、登るほどに美しい秋の装いを凝らしていく。
木々が織り成す美しい景色を楽しみながら進むと、やがて山道は斜度を増し、そして山頂が近付くにつれ下山してくる登山者は増え続け、山道を譲り合いながら登り続ける。
ふと振り返れば、紅葉に飾られた山々の先には穏やかな青い海が広がっており、山と海との美しいコントラストに、つい立ち止まって見とれてしまう。
大峰分岐を通り過ぎ、紅葉に飾られた向白神岳を左手に、山頂への稜線を南へと進むと、トイレ棟が視界に入る。
もうすぐ山頂だ。
最近改装工事が行われたのだろうか?
いつもとは違う雰囲気が漂うトイレ棟と、登山者らの賑やかな声が聞こえる避難小屋の前を通り過ぎ、更に小さな丘を上がると、11時24分、誰も居ない白神岳山頂へと到着した。
見渡せば右手から真山、寒風山、鳥海山、太平山、森吉山、岩手山、藤里駒ヶ岳、八甲田山、岩木山、向白神岳などの周辺の主峰が見える。
あの三角のとんがり山は、先日登頂した尾太岳だろうか…。
めったに無い絶景を楽しんだ後は、山頂に設置された低いベンチに腰掛け、昼食にすることとした。
昨日の朝、今日の山行に備えて自宅で握ったシーチキンおにぎりを口に頬張りつつ昼食をとっていると、徐々に山頂に到着する登山者が増えてきたので、場所を譲り避難小屋前のベンチへと移動した。
そしてその場に居合わせた監視員の方や他の登山者との雑談を楽しんだ後は、刈り払いが行われたという二股コースにて下山することとした。
12時23分、避難小屋を後にし、山頂より急な下りが続く山道へと進んだ。
折角の難路なので、バリエーションルートにて鍛えた登山力を試すべく、既設のロープには一切頼らずに下山することをマイルールとした。
四肢を存分に使いつつ下り続け、濡れることを気にせずにジャブジャブと沢を渡る。
起伏に富んだワイルドなコースに満足しつつ山道を進み、急な斜面をトラバースしていると、突然目の前にザザザザザッー!という音と共に蛇が斜面を転がる様にして滑り落ちて行き、落ちた先でこちらを眺めている。
どうやら、この赤い派手な縞模様を纏った蛇を驚かせてしまったようだ。
一瞬唖然としたが、余りの蛇の慌てぶりに笑いが込み上げる。
そして山道はやがて平坦になり、蟶山コースとの分岐点に到着した。
分岐点では、二人の登山者が休憩中だったので話しかけてみると、白神山地と関わりの深い西目屋村から来たとのことだ。
「旅は道連れ」やはり旅は一人より三人の方が楽しい。
伴に下山しつつ話しは弾み、その後はあっという間に記帳所へと到着し、14時30分、下山届けを済ませた。
その後駐車場にて、いつかまたお会いできることをお二方と約束し、この山行を終えた。
今日は冬季登山へ備え、その体力評価も兼ねての山行だったが、往路、復路共に2時間程度の行程で終えることができ、冬山への体力にも自信がつき、更に秋晴れに恵まれた白神岳にて、今日も多くの方々と言葉を交わし、和やかな雰囲気にて山行を終えることができた。
白神岳、そして今日偶然出会い、言葉を交わした方々に感謝!
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