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2023年07月25日 19:48未分類全体に公開

森吉山〜黒石川コース・夏

2023,07,22
太平洋高気圧が日本列島へと大きく張り出した今日、早朝誰もいない森吉山野生鳥獣センターの駐車場周辺は、風も無くうっすらとした靄に包まれている。
そろそろ北東北も梅雨明けだろうか…どうやら今日は暑くなりそうだなぁ…。
登山から足が遠退いていた昨今、少し鈍った体のトレーニングも兼ねて選んだ今日の山行は、森吉山の難路として定評がある黒石川コースを辿り、森吉山山頂へと登頂、その後、ヒバクラコースにて下山する約23kmの行程だ。
また、熊との遭遇の可能性も高く、藪こぎも想定されるコースでもある為、山道を辿るだけと言えども、やや困難を伴う山行となりそうだ。
さて、鈍った体に活を入れるべく、5時、森吉山野生鳥獣センターからブナの森へと続く遊歩道へと歩みを進めた。
先日の大雨による被害を心配していたが、辺りにはいつも通りの美しいブナの森が広り、その中をサラサラと心地よい音を奏でながら流れる沢を見る限り、被害は然程でもないように見受けられる。
薄暗い遊歩道を進み、5時15分、黒石川コースへの登山口へと到着し、分岐から右手へと続く初めてのコースへと歩みを進めた。
少しすると、左手の木々の合間からは、オレンジ色の朝日が差し込み、未だ薄暗いブナの森の姿を照らし出している。
昨夜は雨が降ったのだろうか…足下は時折足首までぬかるみ、山道脇の草木の葉は、膝下を濡らし少々不快だが、数百年の時を経たと思われるブナの巨木が佇む森の景色はそれらを相殺し、驚きと感動を与えてくれる。
寿命を終え、未だ立ち尽くしたままキノコを宿し朽ち果てた大木や、苔むして今正に土に還らんとする倒木。
そして、ふと足元に視線を落とせば、その傍らには新たな生命が芽吹いており、古(いにしえ)から続く森の営みを目の当たりにしながら、森の奥へ奥へと歩みを進める。
6時41分、黒石川林道の終点へと到着。
もう暫く車両の乗り入れはされていない様に見える少し開けたこの草地には、鬱蒼とした森の中とは対照的に、眩しい程の太陽の光が降り注ぎ、広場の傍らに咲いた青い紫陽花の花を美しく際立たせている。
熊との遭遇に警戒しつつ、見通しがきくこの場所で最初の休憩をとる事とした。
木陰に身を隠し、持参したパンをかじりつつ地形図を確認する。
この後、割沢森のピークを越え、小池ケ原があるピークへと向かうのだが、この等高線が混んだ斜面に続く山道は、一気に250メートル程高度を上げる直登となっており、更にその先の稜線からヒバクラ岳の間には、藪こぎが予想される為、直登での体力の温存が必要となる。
一息ついた後は、倒木が塞ぐ山道入り口を迂回しつつ先へと歩みを進めた。
風もなく、物音一つ聞こえない森の中には、いつの間にか夏の強い日差しが頭上へと差し込み、体力を消耗させる。
7時6分、高場割沢分岐到着。
更に割沢森を越え、いよいよ小池ケ原への直登へと差し掛かる。
そして、やや崩れかけた木製の階段を一段ずつ丁寧に登って行く。
心配していた程の急登ではないが、やはり一息で登れる程ではなく、途中休憩を挟みつつ登り切り、9時6分、小池ケ原湿原と記された標柱の前へと到着した。
木陰がないニッコウキスゲが咲く湿原には、木道が通されており、真っ白な雲が浮かぶ空からは、燦々と太陽の光が降り注ぎ、暑さで目眩がしそうだ。
美しい景色を暫く眺めていたいのも山々だが、暑さに耐えきれず、早々に湿原を後にした。
湿原を抜けると、南北に延びる細い稜線のやや東側斜面をトラバースして行くが、山道は藪に覆われ足元がよく見えず、足裏で探りながらのトラバースとなり、更にこの辺りから大きなアブにまとわりつかれ、立ち止まると直ぐに刺してくる為、少しの休憩もままならない。
稜線を抜けると、山道を覆う藪はいよいよ2メートル程の高さとなり、笹を掻き分け、足裏で道筋を探りつつ進んで行く。
風もない藪の中は、暑さで非常に息苦しく、藪こぎを一層困難なものとさせる。
仕方なく、まとわりつくアブを払いながら一息入れる事とした。
ハッカスプレーを体に吹き付けつつスポーツドリンクを口に含むと、突然左腕に鋭い痛みが走り、確認すると、体長2mm程のマダニが腕に噛り付いており、即座に払い除け、大事には至らなかった。
話によれば、噛られても痛みはないと聞いていたが、どうやら先程使ったハッカスプレーが傷口から沁みて痛みを感じたようだ。
既に腕や足は、虫達からの洗礼により、ボコボコだが、沢登りでの数十匹のブユや蚊からの洗礼を受けるよりは遥かにましだ。
僅かな休憩の後は、更に藪こぎを続ける。
やがてヒバクラ岳へと差し掛かると、古めかしい木道が現れたが、上りの斜面に設置されたぬるぬると滑る木道は、とても歩ける状況ではない。
しかし、木道を外すと湿地に足が埋まり進むことが困難な為、四つん這いになりながら三歩進んでは二歩滑り落ちる、まるでコントの様な状況に苦笑いしつつ上って行く。
暫くして乾いた木道へと変わり、10時11分ヒバクラ分岐へと到着。
木道の脇には鮮やかな黄色い花を咲かせたニッコウキスゲをはじめとした、白やピンクなど様々な花が咲き誇っており、左手の青空の下には、目指す森吉山山頂が見える。
楽園の様な湿原を抜け、更に森の中を進むと、10時43分、山人平を通りすぎ、その先の池塘の脇に広がるお花畑を楽しみながら歩みを進めた。
そして太陽の日差しが照りつける山頂直下へと到着。
最後の上りを前にスポーツドリンクを片手に山頂を見上げる。
いよいよ山頂だな…。
少しの休憩の後、もう体はクタクタだが、気を取り直し、最後の上りへと歩みを進めた。
山道を登り終えると、山頂周辺の岩場には、ゴンドラで到着した多くの観光客が昼食を楽しんでおり、挨拶を交わしつつ山頂の標柱前へと進み、11時16分、夥しい数のトンボと数匹のアゲハチョウが舞う森吉山山頂へと登頂を果たした。
青い空に白い雲…山頂からは遮るものもなく眼下へと広がるブナの緑。
そして、その遥か先には、水色に霞んだ周辺の山々の連なりが見え、森吉山山頂からの美しい景色をぐるりと堪能する。
記念撮影を終え、丁度お昼時なので、岩場に腰掛け、水筒の冷たい麦茶とおにぎりで昼食にする事とした。
それにしても凄い数のトンボだ。
山頂に弱い風が吹き付ける度にザザーッ!と夥しい数のトンボが流れて行く光景を眺めながら、おにぎりを口に頬張る。
さて、下山にはヒバクラコースを辿るが、まだ先は長い。
山頂からの景色を眺めながらの昼食を終え、11時45分、早々に山頂を後にした。
そして、湿原の中にあるヒバクラ分岐をヒバクラコースへと曲がり、森の中に続く良く刈り払いされた山道を軽快に下って行く。
特に珍しいものもない山道だが、高度874メートル付近には原生林を思わせる様な見事な杉の巨木が密集しており、ブナの森の中に一際目を引く。
13時54分、ヒバクラコース登山口へと到着。
そして、風もなくジリジリと照りつける日差しを浴びながら林道を歩き続け、14時30分、数台の車が停まる森吉山野生鳥獣センター駐車場へと到着し、今日の山行を無事に終えた。
その後、センターの職員の方に今日歩いた黒石川コースについて尋ねたが、暫く山道の刈り払いの予定は無いとの事だったので、これから先も暫くは藪こぎが必要な状況が続きそうだ。

さて、気力や体力も問題無さそうだし、次は何処を目指そうか…。
新たな山行へと思いを巡らす今日この頃…。
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