先日、北海道内の某山域を周回していた時のことです。一人の女性ハイカーさんが立ち休憩しているところに遭遇しました。少し前から視界に入っていたのですが、全く動く気配がありません。
近づいて「こんにちは」とご挨拶したところ、首から提げているカメラを見て、「良い写真が撮れましたか?」と声を掛けてくださったので、私は「天気がいいですからね。そこそこキレイに撮れてると思います。」と返しました。更に二言三言会話した後、「ちょっとお願いがあるのですが。。」と切り出してきます。
話を聞けば、自分は足が痙攣してしまい、これ以上登ることができそうもないとのこと。動かなかったのではなく、動けなかったようです。更に、〇〇岳まで行きますか?と聞かれ、そのつもりですと答えたところ、同行してきた連れ(恐らくご主人様)とその山の近くにある分岐点で待ち合わせをしているが、見掛けたら先にゆっくり下りていることを伝えてもらえないかと依頼されました。山で困っている人がいれば助けるのは当然です。私は二つ返事でお引き受けしました。その方のことはちょっと心配でしたが、絶体絶命とまでいえる状況ではなさそうだったため、お連れさんの服装の特徴を聞いてお別れすることにしました。
もし会えなくても気にしないで欲しい、自分が行かなければ戻ってくるはずだからとも仰っていたので、最初はそれほど深く考えず再び歩き始めたのですが。。私の中で次第に大きくなっていきます。「もし会えたらでいい。」から、「何とか見つけて伝えなければ!」に変わっていったのです。晴天の中気持ち良く歩いていても、頭の中の1/3はこのことが占めています。そして、スライドする人の服装に目を凝らし、お連れさんを探しながら着いた件の待ち合わせ場所。数名が休憩されていたものの、聞いていた服装の方は見当たりません。恐らく先へ進んでしまったのだろうと思いながら、私もそのまま〇〇岳の山頂に到着したところ、先客さんがお一人。すると、この方がドンピシャ!やった、見つけた!そして、写真の撮影中だったため、ファインダーから目を離したタイミングで「こんにちは」とお声掛けさせていただいたのですが。。
小さな声で「こんにちは。。」その後は続かず再びファインダーをのぞき始めます。
あちゃー、話しかけるなオーラ全開。。
でも、せっかくお会いできたのです。このままスルーするわけにはいきません。再びファインダーから目を離した隙に「すみません」。しかし今度は無言。。まさかのガン無視〜!あー、どうしよう。。?でも諦めずもう一回チャレンジ。「すみません!」。ここで何とか「。。はい?」と反応してくださいました。すかさず「お連れ様と待ち合わせされていませんか?」と問い掛けたところ、ようやくこちらの意図を汲み取っていただけましたので、事の次第をお伝えすることができて一安心。良かった〜。
でも、それに対する返答は。。
「あ〜、どうも」。。
えっ、そんだけ!?ここまでさんざん貴方を探して、奥様(面倒なのでこの際決めつけちゃいます)のピンチをお伝えしたのに、たったそんだけ!!?
いや、お礼を言って欲しかったのではありません。感謝して欲しかったわけでもないのです。でも、もっと反応があっても良くないですか?ってか、なんで私だけこんなに一生懸命?あ〜、なんかもやもや。。まあ、世の中色々な方がいらっしゃるのだし、目的を果たせて良かったのだと自分に言い聞かせ、私はそのまま休憩に入りました。ただ。。
この後も色々考えたのですが、もやもやの原因は反応の薄さだけではないことに気づきました。そもそも、同行してきたメンバーと離れ離れに行動するってどうなの?しかも、見ず知らずの私に伝言を依頼してきたということは、お互いの連絡手段がなかったということではないでしょうか。この山域は広い範囲で電波が通じますので、双方がスマホでも持っていれば、他人に頼らず体調の急変を伝えられたはずです。離れている間にどちらか一方が事故にでも巻き込まれたら、どうするつもりだったのでしょう?
複数登山最大のメリットは、何かあった時に助け合えることです。しかし、考えてみればこれはある意味リスクの裏返し。ソロ登山なら自分のことだけ考えていればよいものが、複数の場合は他者の安全にも気を配らなければなりません。メリットが増える分、同じだけリスクも増えるといえます。更に別行動となれば、メリットは消滅してリスクだけが残るのです。増してや二人での行動なら、お互い頼れる相手は一人しかいないわけですから。
少し前から、ウチの嫁さんが山へ行きたいと言い始めています。もしそうなれば、まずは三角山から、その後は藻岩山、手稲山と少しずつステップアップして、当面の目標は昆布岳か?なんて考えているのですが、まあ果たしてどこまで本気なのか。でも、一緒に行ったら別行動を取るなんてことは考えられません。私はこれまで殆どソロ登山の経験しかないのですが、同じ景色を見て感動し、同じ雨に当たって寒い思いをするのが、複数登山の基本ではないでしょうか。奥様から依頼を受けた後、お別れするときのちょっと心細そうなお顔が、今でも忘れられません。
こうして遭難事件は起こる…という入口ですね。
なんていうか…気苦労されましたね😅
chan-reiさん、そうなんですよね。ほんの些細な不安全行動が大きなトラブルにつながる。。その典型だと感じました。まあ、大丈夫だろう。っていうのが一番危ないかと。
お気遣いありがとうございます!
おおおおおお〜
私だったら、
「あ、どうも〜」....
の時点でブチ切れてる可能性大!
両者ともに、連絡手段とか基本的な先見の備えが不備過ぎるのも戴けないが....
「あ、どうも〜」の時点で
相方に対する思い入れはその程度....
私なら、その時点で離婚計画発動だな!
バンバン★彡!ヽ( ̄(エ) ̄)
追伸
はじめまして。
と、
お疲れ様でございます!
yeskumakumaさん、初めまして。
もっと何か質問されて、その会話の中で更に詳しいことをお伝えできると思っていただけに、ちょっと残念でした。拍子抜けっていうか、いろいろ考えてたんですけどね。あまり話し好きではなかったのかもしれませんが、状況が状況ですし。
私はその方に背を向ける形で休憩していたため(あっ、あくまでも風向きの関係です)、その後どうされたのかは分かりません。すぐ戻ってくれていたことを祈るばかりです。
労いのお言葉、有難うございます!
ayap-jkさん、こんばんは。
はじめまして。
自分は山行中に写真をたくさん撮るので立ち止まることが多く、もし同行者がいたらきっと迷惑をかけてしまうので、専らソロですね。
一緒に登るとしても、自分とレベルが近しい人でないと、面倒事やリスクが増えるだけな気がします。
もちろん、複数人で一緒に歩く楽しさは理解していますし、自分自身、山行中に話した人と一緒に歩くことはよくありますけどねー。
MonsieurKudoさん、初めまして。
私も5分に一回写真撮ってます。^^;
なので、他の誰かと一緒の行動はちょっと難しいかと。写真撮るの我慢しながらメンバーにペースを合わせることはできると思いますが、全然楽しくないしストレスが溜まるだけなので。私も殆どがソロ登山です。
確かに、同行者とレベルが合わなければリスクは増えると思います。自分が遅ければ相手に迷惑をかけるし、その逆なら自分がイライラしてしまう可能性大ですからね。気持ちに余裕が無いのは諸悪の根源。お気持ち大変良くわかります!
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