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岡部和彦の話のひとつに富山の殺人犯が深夜に山越えをしようと小屋に来たところを佐伯文蔵などが背後に殺した女をみて追い返したというお話だが、このパターンは岳人の間の定番だそうだ。
この手のお話は私の身の回りの妹に始まり、友人・知人・先輩にまでたくさんの経験者がおりNETの三次四次情報の作り話などは読んでも何の驚きもないが「一次情報の経験者本人から直接真顔で語られると、ちょっと怖さは半端ない。山ほどたまたま周囲にたくさんいて、以前一度アップした」
この立山の弘法小屋は山麓の村の芦峅寺の方たちが建てた小屋のようで、昔はガイドや案内人は芦峅寺の男たちがほとんどで南極の越冬隊にもたくさんの男たちが参加したようだ、芦峅寺の出身で昔、「三浦雄一郎」とプロスキーヤーとしての資格を同時に取ったというKガイドがいた。20年ほど前に「飲みながら室堂の小屋で不思議な体験なんかされましたか?」と聞いたことがある。
とてもお酒の好きなガイドで「いやぁ、俺も昔は全然そんな奇妙なことは信じなかったんだけどょあれ以来は信じるようになったなぁ」という、弘法小屋の小屋番をしていた時に厳冬期の小屋仕舞いももうすぐという日に、本当の話だが大阪の学生が「雪山合宿に来たらしい」ところが大雪予想ですでに雪は深々と積っていたので「学生に明日から大雪で荒れるからもう下山したほうが良いと勧めた、小屋仕舞いもその次の日だし」というと「わかりました、様子だけみて下山します」ということだった。
最終日、夜半にKガイドが人の気配で目を覚ますとストーブの前に誰かが起きていて赤いヤッケを着ていた「あー誰か起きているという程度で寝付いた」そして次の日に小屋仕舞いをして下山すると大阪の学生たちが下山していないということで遭難騒ぎになり総出で捜索に出た。
やっと痕跡をみつけて最初に掘り出した遭難者をみて「俺はギョッとしたからなぁ、ストーブの前にいた赤いヤッケの学生だったんだよ、もう驚いてさ、あれからだなぁ」という。これは事実で大阪の学生数名が遭難死している。
ビールをぐいっと飲み干すと、もう一回はさぁ小屋に毎年残雪時に山スキーをしにくる東京の単独の若い女性がいてな、それがある年遭難したんだ。
なかなか見つからず困っていると、いつも彼女がザックにつけていた「鈴のチリーンという音が谷間のガスの向こうに聞こえたんだ、で行ってみると「やっぱり彼女だった」という「がハハハハハ」と豪快にビールを飲み干されていた。「あんなことが山ではあるからなぁ」と俺はスキーが好きだから山のガイドは好きじゃない、がははと豪快な方だった。
今年もたくさんの遭難が起きてもう、たしか長野県は50代を中心に30名を越えたと思う「山は謙虚さを学ぶ学校てある」といわれるが、こうした信仰心に近い「畏怖心」も必要なスポーツであることは肝に命じておきたいところから紹介している。
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