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2018年09月30日 12:39未分類全体に公開

恐怖体験

幼い頃、海や山で死にかけることは
それほど珍しいことではなかった。

海で溺れかけることなどはけっこう日常茶飯事で、
今思っても良く生きていたなと思う。

泳ぎには今でも自信はあるし、
当時も速さを問われなければ何時間でも泳いでいられたものだが、
そんな状況でもたまに溺れかけるのが日本海であった。

山には盛夏の頃、虫取りに朝早くから夕暮れまで入っていた。
毎日入る里山なので普通は道に迷うことはなかったが、
一度だけ、今にして思えば尾根をひとつ間違って
降りてしまったのだと思う、北も南もわからなくなってしまい、
薄暗くなって帰れる気がしなかった。

その日は諦めて、大きく平らな岩の上に寝転がって一晩過ごした。
たまに腕に這い上がってくるゲジゲジが最悪だったし、
月が明るく、まぶしくてなかなか眠れなかった記憶だけが残っている。

翌朝になって明るくなると、遠くに見慣れた鉄塔が見え、
それを目指して進んで事なきを得た。

「ただいま」と帰ったら、「お帰り」。
それで終わりであった。
子も子なら、親も親であろうか。



海や山では、信じられないことがたまに起こる。

十数年ほど前、実家の海でゴムボートを出し、釣りをしていると、
沖のはるか遠くの水平線に黒い点が見えた。
ゆっくりゆっくりとそれが近付き、大きく見えてくるが、
何かは判別がつかない。

どんどん近寄ってくると、
それがけっこう巨大なものだとわかってきて、恐ろしくなってくる。
イナバの物置くらいあるぞ?なんだあれは。

数十メートルまで近寄って初めてわかった。
それは自分の身長の2倍以上ある、巨大で真っ黒なタイヤであったー

山では、レアなクワガタを捕まえようと奥まで入ることがしばしばあった。
奥へ入ると鬱蒼とした樹林帯。
そこではどこも湿っていて、いかにも陰鬱な雰囲気を醸し出している。
朝にクワガタを捕まえようとすれば、
樹木を蹴飛ばしてクワガタを落とすという方法であった。

例によって蹴飛ばそうと近付いたクヌギの木の様子がおかしい。
幹の表面がざわっと動く。

なんだ?

さらに近寄ってみると、正体がわかった、カマドウマ数百匹の群れ…
山中の湿気の多い日影に多くいる、マダラカマドウマ。
白黒のまだらが数百匹、何とも気持ち悪い。

そのカマドウマが、足がものすごく長いザトウムシの幼虫の
群れにとってかわることもしばしばあって、
その場合は近付くと木の幹がフワッと細くなる。
見たものにしかわからぬ不気味極まりない恐怖体験。

ちなみにそんな代償を払っても、
オオクワガタを一度も捕まえたことがなかった。

海や山は、たとえ死ななくても、
人知を超えているという点では、途方もなく怖い場所なのである。
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コメント

RE: 恐怖体験
わかるわー(≧∇≦*)

夏は海へ山へと毎日大忙しでした。
子供の頃は今と違って怖いものなし。
山なんかクワガタ採るために踏み跡のないところをずんずん入っていったし、そうそうワタシたちが子どもの頃も木の幹を蹴飛ばして、バサバサと落ちてくるクワガタを捕まえたもんです。
ミヤマクワガタを捕まえた日は一日幸せな気分でした。
大物かよくいる樹液たっぷりのクヌギの木の裏側を覗き込んだら、オオスズメバチとにらめっこなんてこともよくありました。
ハチだのヘビだのたくさんいたけど、不思議と怪我もしませんでしたね。

案外子どもの頃のほうが自然に順応性があったりするのかも。
2018/9/30 14:57
RE: 恐怖体験
renさんもそーいうクチでしたか(´_`)

怖いもの、なかったですねぇ。
スズメバチとかマムシとか、本当に恐るべき生物が
生息していて、そこについては注意はしていましたが。
別の怖さがあるんだと気付き、畏怖したものです。

そうそう、踏み跡のないところへバンバン行きましたね。
無茶やってた割には、確かに擦り傷程度で大きな
怪我無く過ごしていたもんです

大人になると、なぜか自然に「立ち向う」ような
意識になるからうまくいかないんじゃないかなぁと
思わずにいられません。
2018/9/30 17:50
不治の病‥恐いもの見たさ‥
はじめまして!こんにちは。
 今の時代、ググれば何でもわかってしまって便利ですけど、なんかつまんないですよね〜。
 もはや我々が欲するモノは、非日常的なモノ‥それも都市伝説的な‥
 今を生きる子ども達、末恐ろしいほどに何でも知ってます。でも目がキラキラしてない‥なんでも知ってるけど、バーチャルなんですよね。呼吸がしたくて目を皿のようにして水面に顔を出す、クワガタに挟まれる痛さ、キモいモノを眼前で見る恐怖‥体験してほしいものですね。
 今日は日曜日、台風陽気なのに塾に集まる子ども達を見て、ふと午前中に読んだSM100Cさんの日記を思い出し、泣きたくなるような気持ちになりました‥ではでは。
2018/9/30 16:53
Re: 不治の病‥恐いもの見たさ‥
初めまして、なんて今さら感満載ですよね(´_`;)

『怖いもの』
今回はよく売られている書籍:山岳心霊モノではなく、
キモ系の実話体験をご紹介、というところであります。

ググれば確かに何でもわかってしまいますね。
でもこういった体験はググってもなかなか出てこないので、
話さなければ割と知る人が少ないです。

一匹でもキモい昆虫なのに、数百集まった時のあの破壊力…
実体験する子は…確かに今の時代、いないでしょうねぇ。

蝉の幼虫が土中から出てきて羽化する一部始終とか、
蝶の羽化とか、とても神秘的で美しい。
あの羽化を見たことがある大人が多ければ、
芋虫を嫌いな大人がもっと少ないと思うんです。
ヘビの脱皮は…無理か

先日、ひょんな流れからstroheimさんのトカゲと鳥の
日記を読んでとても心に響き、拍手ボタンを連打したわけですが、
無情にもひとつしか拍手がつきませんでしたo(・ω・´o)

某黒魔術師さまの日記にコメントしている方の印象とはまるで
違い、そのギャップがまたすごくよかったですよ(´_`)

今後とも宜しくお願いしますm(_ _)m
2018/9/30 18:06
RE: 恐怖体験
イナバの物置クラスのタイヤ(;´д`)

なんか文章からそのときの怖さを想像しましたが、海も山も何があるか分からないからこその怖さがありますよね。

大人になった今は海の危険、山の危険をそこそこ理解してるので、不必要に怖がることはなくなりましたが、知らずに蹴飛ばした木に、カマドウマの大群とかいたら、それはビビりますなぁ。

山で恐怖体験といえば、春に尾瀬にある大白沢山というところへ向かったときの話ですが、途中の沢沿いにて独りテントを広げて宿泊の仕度をし、食事を済ませてくつろいでいました。
日が沈み、辺りが暗闇になったころ、僕は用を足しに外へでたんですね。
テントのすぐ前にはとても大きくて立派なダケカンバが一本立っていたのですが、僕は全く油断した状態から、何気なくふと木を見上げ、ヘッデンの光がを枝を照らしました。
すると、目の前に凄く大きな鳥の後姿が見えてギョッとしました。
間髪入れず、その大きな鳥もこちらに気付いたのか、あろうことか首から上だけがぐるりと120度回転し、巨大な二つの目がこちらを向き、無機質な表情でこちらと目が合いました。
あまりの怖さにパンツをあげることも出来ず、その鳥が翔び去るまでそのまま固まりました。
ミミズクだかフクロウだかは分かりませんが、あのときの目力ったら、それはそれは怖かったんです(;´д`)

普段、フクロウなんか見たら得した気分でカメラを構えるのに、あの暗闇の谷間にあの大きな目は、反則でした。

けど、こういう恐怖体験って、山でしかできない貴重な思い出でもありますね(*・ω・)
2018/9/30 20:47
RE: 恐怖体験
タイヤの話、聞いただけでは怖くないぞ(・ω・ )?
と思うかもしれません。
まず、一点の黒い未確認物体が、なぜよりによってピンポイントで
自分に近寄ってくるのか?
そしてそれは沖の方、それしか見えない状況でどんどんデカくなってくる。
終いにはそれしかない海の上で、自分の背丈より遥かに大きい
タイヤが迫ってくる…ぶつかったらタダじゃ済みません…
あれは本当に怖かった(°_°;)

で、その鳥の話も怖いなぁ(´_`;)
大きな身体と目、首の稼働回転半径等から考えるに
フクロウなんでしょうねぇ。
本来夜行性なんでしょうから最も活発な時間帯。
そんなテントの近くにいるのも珍しく、そんなものいるわけない、と
無警戒なのも当然ですわな(´_`;)

ヘンに正体不明な霊的なことよりも、いきなり予想もつかない規模や
タイミングで出て来る自然のものは、ひっくり返るほど驚くわけです
2018/9/30 21:08
子どもの時は恐怖体験とは露とも知らず
台風一過の今日。
上越までの出張の道すがら、中時化の日本海を見て「いいねー、荒れた海いいわぁ」と部下に同意を求めたら「何ですか?」と不思議そうに返答してきましたわ。

こういう時化の日は子ども達は空き缶もって波打ち際に子イワシを拾いに行ったもの。
大波が来たら逃げる、イワシ拾う。また大波、それっと逃げる。
そして自営業の親たちに鼻を膨らませてみせるの。
誰も死にません。
もっと大時化の日は、興奮マックスで砕ける波を見を見上げに行く。
ざっばーん!!!!カッコいいー!!!
大人は誰も危ないと止めません。今ならネグレクトで虐待通報されそう。

そんな駅前通りだったと思うのです。

GWの放山で大きな切り株だったと思ったら、🐻の親子連れだったこと。
蓮華自然歩道で🐻に追いかけらもうダメだ皆さんサヨウナラと思ったら、ヘリだったことが今年の恐怖体験かな。

予測しないことが起こってしまう、
絶対こうだっと思ったら違った・・どちらも山の神様の思し召しんなんでしよね。
2018/10/1 21:15
Re: 子どもの時は恐怖体験とは露とも知らず
荒れた後の海に行くと季節によっていろんなものが
打上げられていたものです。

厳冬期に行くと、アオイガイという薄い貝殻をもつ
タコがごく稀に打ち上げられていて、そのきれいな
貝殻に惹かれ、良く通ったもんです。
通うといっても当時は海まで30秒。
幼い頃、糸魚川の海岸にはテトラポットはなく、
砂浜が50mくらい広がっていました。
今は浸食で面影はありませんね。

厳冬期の日本海の大時化は殺人的ですよねぇ。
突堤に叩きつけられた波がものすごい高さまであがって
怖ろしかったなぁ。
台風映像でそんなのが放送されていましたけども、
懐かしさすら感じましたよ。

駅前通りの子どもの生存率だけ低くても
不思議じゃない時代でしたよね(´_`;)
2018/10/2 5:48
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