ただの趣味というわけではなく、識別の迷宮に入ると総体的な図鑑では分析しきれないので各カテゴリの専門書を当たることが必要になるからです。
最近ではネットの情報も充実してたり、アプリで分析、電子書籍化なんて時代にもなってきてますが、紙の図鑑の優位性は私の中では揺るぎません。
①正確性の担保(電子書籍でもOK)
誤植や稀に間違いもありますが、プロがやってる仕事ですので書かれた情報は概ね信頼できます。
また、発行日が明記されているのも重要です。動植物の分類は今や遺伝子レベルで行われており、系統樹がどんどん書き換わっています。科目の変更、種の分離合流、学名変更が当たり前のように行われているので、いつの情報かはっきりわかる事は重要です。
欠点は情報がアップデートされないので古い図鑑はどんどん価値が下がる事でしょうか。
②検索・比較容易
詳しい情報が分からなくてもパラパラめくっていればお目当ての種に辿り着ける可能性が高いのが紙図鑑の最大の利点と思います。この手軽さは電子書籍にはありません。
近似種が近いページにまとめられているので比較も容易です。図鑑によっては痒い所に手が届く比較用のページもあります。
③著者による工夫
よく出来たフィールド図鑑は随所に著者の工夫が見られます。写真やイラストの構図に一定の統一性を持たせたり、識別ポイントに矢印を付けたり、サイズがよりリアルに分かるように実物大シルエットを載せている、なんてのもあります。
④書き込みができる
図鑑に書かれていない情報や知見を好きに書き込んでマイ図鑑として精度を高めることができるのも紙図鑑の利点です。
古本屋には売れなくなりますが。
⑤読み物として
図鑑をだらたら眺めるのって楽しくないですか? 私は大好物です。
写真や絵も綺麗だし、読み物としてもおススメです。
⑥欠点
先にも挙げましたが、情報がアップデートされません。書き込みで対処する手もありますが。
モノによっては重いし嵩張るのでフィールドに持ち出したくないものもあります。一冊は許容できても鳥にトンボに蝶で三冊になったり、花だけで何冊にもなったりなんて事にも。
紙なので濡れや汚れもあります。ただ、使い潰す頃には大規模な改定が行われている事が多いです。
なんか纏まりがなくなってきたので今回はこの辺で。(図鑑ネタをまったり連載してヤマレコのサーバーを圧迫する予定です)
写真は
日本の野鳥650 真木広造 平凡社
写真図鑑界隈では山渓の叶内拓哉図鑑に並ぶ二大巨頭です。一度しか記録のない種まで掲載されており、オーバースペック気味。
カモメ識別ハンドブック 氏原巨雄・道昭 文一総合出版
カモメ識別特化図鑑。年齢による特徴も詳細に記載されています。イラスト図鑑は個体差を平均化できるのでこういう面倒な連中に向いてます。分類は先鋭的な研究を参考にしてるので日本鳥学会の見解と異なる部分も。
原色非実用野鳥おもしろ図鑑 富士鷹なすび 日本野鳥の会
一見ネタ図鑑ですが、種の特徴を非常にうまく取り出しており、どこが非実用なのかというレベル。フィールドには厳しいサイズですが、学名の日本語訳もあったり小ネタも多く読み物として完成度高いです。子供にもおススメ。
同感です。私の場合、鳥ではなく高山植物ですが
今年は知らない植物の種類をネットで調べる苦労を散々味わいました。ネットは文字の検索は大変有効ですが画像検索は全くダメで、画像を使っての検索自体は可能なのですが精度はゼロと言っていいです。花の種類の判別は不可能で、ある種類の花の画像で検索しても、結果は花なら種類に関係なく何でも出てきてしまいました。もしかしたら有名人の顔とかの判別はできるのかもしれませんが
また、ネットの記録だと花の種別を間違っていることも多々あり、複数のサイトを調べる必要がありますね(似た花が多いので間違いやすい)。正確性は出版物の大きな利点です。でも紙の書籍は高いし現地(山)に持っていくのに重いのが難点です。特に記載されている種類が多いと重さが
あ、鳥の鳴き声もネットで何度か調べたことがありますが、音(声)の検索も画像同様に困難ですね。鳥の名前から鳴き声を探すのはネットでは簡単ですが、知らない声から鳥の種類を検索するうまい方法があったら知りたいところです。
toradangoさん、コメントありがとうございます。
花の図鑑は種類が多くてまだいいものが絞り込めてないのでヤマレコにあげられた写真で勉強してます。ネット検索で総当たりより効率はいいですが、やっぱりウラを取ったり当てはまるものが無かったりといろいろ不便です。
トンボはたかだか200種、鳥は600種程度ですが、花は一ケタ増えるので紙の図鑑を山に持ってあがるのはあまり現実的ではないですよね。電子書籍にするか、「○○山の自然」みたいなのがいいんでしょうか。
鳥の鳴き声から鳥の名前を探すのは今の所いい方法があまり見られないです。鳥見に慣れてれば種類を絞り込んだうえで総当たりできるのですが。
今のところ鳥に詳しい人に聞くのが一番かも
録音を聞かせると判別できるアプリとか開発されればいいかなと思うのですが。
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