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毎年この時期は寒波が危うく、今回も雪や雨に降られながらの文字通りヒヤヒヤものでしたが、1月中旬に行うのにはちゃんと理由があるので仕方ない。
まず第一に雄の換羽・幼鳥から成鳥に向けた換羽が完了or進んでいること。同定のやりやすさが段違い。
もう一つの理由がカモ類は北から渡ってきた直後は大きな水面に大集結して羽を休め、その後三々五々越冬する水域に散らばってゆくため12月よりは1月の方が越冬地の分布としてはより正確。2月になるとどんどん色気づいてきますし。
もちろんすべての種がそうでなくトモエガモやアイサ類のようにそもそも定着性の低い種もありますが、県内最大種のヒドリガモやマガモについてあてはまるので。
私が担当する水域は太田川支流(三篠川・根の谷川)と太田川中下流域。
河口域の方は潮位やジェットスキーなんかの影響を受けるものの、毎年想定内の飛来数。今年はちょうど寒波の襲来で風が強く、波間を漂うハジロカイツブリやウミアイサを見つけることができなかったり、牡蛎いかだや葦原に身を隠す個体も多く手間取りました。
特筆すべきは中流域のオオバン勢力の拡大(オオバンはカモじゃないですが調査対象)。10年ほど前から広島県へのオオバンの飛来数が増えてきたのは話題になってきてるのですが今年は昨年の倍、50羽の大台へ。繁殖地で何が起きていて越冬地に選ばれる基準はなんなのか、興味は尽きません。
支流の方は「豪雨災害」以前と以降の比較が興味深い。
特に三篠川は平成30年豪雨により流域全体が激しく被災し、今も復旧工事が続いてます。加えて災害防止のための河川改修工事も並行して始まり、どこもかしこも工事だらけで水も汚濁した状態。道も泥だらけで新車が悲惨なことに。
それでも留鳥のカルガモは年々増えてきてるし、浅い水域を好むコガモも勢力拡大。
一方で淵や堰が被災or河川改修で破壊され、河畔林も切られた箇所が多く、そういった場所を好むカモは壊滅的な打撃を受けてます。具体的にはオシドリ・マガモ・潜水ガモのハジロ類と(カモじゃないけど)ヤマセミ。特にオシドリは4ヶ所あったオシドリポイントのうち3ヶ所が消滅。うち一か所も測量杭が立っているので来年には。
根の谷川は平成26年豪雨で壊滅的打撃を受けましたが、河川改修工事が9割ほど終了し、見た目は落ち着きを取り戻してます。
しかし、いなくなったカモは戻ってきません。やはりカルガモ・コガモは拡大傾向なのですが、マガモやヒドリガモは悲惨な感じ。いろんなカモが集まっていた自称「カモの溜まり淵」も河川改修の手を逃れたのに何もいなくなってしまいました。
個人の調査範囲では悲喜こもごも増減が目立つのですが、ヒドリガモの飛来数は県全体・国全体で見ると大きく変化するわけでないのが面白いところ。ちゃんと代替地を見つけるしたたかさとそういった環境がまだ残っているのには希望を持ちたいところです。
鳥尽くしの2週間が終わったので、明日は雪山だ!
写真は
左 カワアイサ。橋の下をのぞき込んだらすぐそこに。飛ばれると厄介だから写真は普通撮らないのですが、あまりに近かったので。
中 オシドリ。爪が発達しているのがよくわかります。ドングリなどが主食なので急傾斜地を歩くのに適した脚。最後のオシドリポイントが破壊されませんように。
右 ヤマセミ。急ぐ調査なのでのんびり撮ることはあまりないのですが、割と近かったのでじっくり粘りました。
私がモノ申すトコでは無いのですが(専門外 笑)。。東広島の溜め池でやたらオオバンさんを目にするコト多く、気になってました🤔
あとケリも昔居なかったように思いますが、最近見るような。。
セグロセキレイさんも毎朝出迎えてくれますが、コンナに居たっけ〜??
コメントありがとうございます。
鳥をよく見られる方が増えてうれしい今日このごろです
注目していただきありがとうございます。
そちらでもオオバン増えましたか。やっぱり増えてるんですよねえ。増える原因は「繁殖成功率向上」(個体数の増加)と「別の場所では減っている」(実は個体数が変わってない)パターンがありますが、オオバンは前者の模様。特に保護されてるとか聞かない鳥ですが、うまいことやってるみたいです。
ケリを最近見るのは多分、身近なところを縄張りにする個体が飛来するようになったからではないかと
セグロセキレイはハクセキレイよりも郊外が好みの鳥です。東広島は適度に自然が残っているためハクセキレイの進出が遅れているからかもしれないですね。
川沿いはさぞ寒かったでしょう。
災害のたびに様子が気になりますね。
いつも解説付きでありがとうございます。
先日の広島城のお堀にもオオバンいっぱい集まって楽しそうにしていました。
(カイツブリは警戒して遠いけど)
また宇賀峡にヤマセミ君を見に行こうと思います。
オシドリ隊は昨年は1月の後半が一番たくさんいたのでそれも楽しみです。
コメントありがとうございます。
寒さで言えば向原の方より三滝とか牛田の方が風が抜けて厳しかったです
しかも河口はカモの種類も数も多いうえに遠いので我慢強くカウントを繰り返さないといけないですし。
カイツブリは魚探してますよみたいな風を装って潜水を繰り返しながらじわじわ離れてゆくのがなんともいえません。
道路凍結が怖くて幕ノ内トンネルをなかなか超えられませんが太田川の中流域は雰囲気いいので天気のすきを窺っております。
調査と考察、私のような素人にも分かりやすい説明など素晴らしいすね。ありがとうざいます。
ヤマセミはおしゃれ〜♪(’-’*)♪ 見たこないです。
p.s.
情報をありがとうございます。機会がある時に偵察に行ってきます。
コメントありがとうございます。
今年はあまり変なカモが出ず&とにかく寒かったので割と淡々と調査して解説比率高めです
戸坂でホオジロガモが出たくらいですが、爆風で三脚がぶれて写真はお手上げでした。
ヤマセミは三篠川沿いに何か所か出ますが、上深川の木の宗山登山口の橋より下流の淵周辺が出会いの確率高いポイントです。
縄張り広いですし、意外と高い木にとまることがあるので川に目線を落とすと見つからないことがあるかも。
初夏が繁殖期ですので、春から活動が活発になりチャンスが増えそうです。
調査ご苦労様でした。
中々の熱弁で、玄人好みの内容で、2回読み直しましたよ。
渋い説明がいいよん。よくわかった。 すぐ忘れるけど。
見たことある鳥だ。
うち会社の裏にも鴨くるよ。三篠川へいく志和の半川。
自由に流れてる。
明日はもふもふしてね。
わたし(〃ω〃)ちょっとあって😅 明日はこたつ。🤣
コメントありがとうございます。
夜勤中仮眠でうとうとしてたら地震でたたき起こされました
施設の確認、各所への連絡がようやく終わって一息。
カモのカウントも10年弱続けてきてデータの蓄積も増えてきたのでちょっと語ってみました
太田川とか江の川の支流まではだいたい調査対象なのですが、さらにその支流となるとさすがに人員が足りません
明日はバスで行ける雪山へ行ってきます。
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