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2018年02月11日 17:19道迷い全体に公開

陣馬山で道迷い(その4)

 平坦なトラバース道は、どこまでも伸びています。嫌になる頃、ようやく右上方への登り道となり、やがて空が大きく開けた上方に尾根らしき稜線が見えてきました。やれやれ、あそこで菓子でも食べて一休みと期待して辿り着いても、道はその先にまだ登っており、そんなことを繰り返した後、ようやく本物の尾根が現れました。近づくにつれ標識らしきものも見えています。もう間違いない。あそこは、高尾陣馬縦走路で陣馬山のすぐ近くだろうと確信しました。
 
 ようやく着いた、ここまでくればもう大丈夫、勝手知ったる縦走路、あとはちょっと頂上へ寄ってすぐ帰るだけ、ザックを降ろし身体の力を抜いてふーと一息つきました。
 それで標識は、と目にした途端、びっくり仰天です。一瞬目を疑いました。
   栃谷へ1.8k   陣馬山へ1.1k
そうです。栃谷尾根に合流してしまったのです。何でそんなことが起こったのか信じられません。奈良子尾根を目指したのに何でわざわざ栃谷尾根なんぞに来てしまったのか。情け無くて文字通りがっくりきました。まあ、いろいろミスはあったにしろ、縦走路に合流することだけは疑いもしなかったのに、まだ1k以上栃谷尾根を残している有様です。疲労が倍加しました。意気消沈しこのままこの尾根を下ろうとも思いましたが、折角ここまで来たのだからと気を取り直し、しばしの休憩後足を引きずるように頂上へ向かいました。1.1kをこんなに長く感じたことはありません。

 陣馬山頂へ到着です。曇天でガスも少し吹き上がり、展望は全くありません。さっさとおにぎりを食べポットのお湯で暖かいスープを飲み、ザックを整理しました。もう1時45分、当初の予定通り景信山へ向かうには自分の足では少し時間が遅すぎるようだし、それなら和田へ下るしかないかな、孫や娘を連れて楽しく歩いたこともあるし、などと思いながら、下りの雪道用にアイゼンを着用し始めました。すると傍らを何となく初心者風の親娘連れと見受けられる3人が景信山へ向かう下山路を下りて行くのに気が付きました。うーん、あの人達が景信山へ向かうなら自分も行けるかもしれない。まあ、道はよく知ってるし、ヘッデンも用意しているから大丈夫だろう、とまたまた妙な考えを起こし、アイゼン着用後、その人達を追いました。一人で歩くより前方に人影を見ながら歩く方が何となく安心な気がしたからです。
 でも、景信山方向にその人達の姿が見えません。おかしいなとキョロキョロしたら、陣馬高原下バス停への下山路を下りて行く姿が遠くに見えました。
 
 この時です。私がハッとしたのは。今日はミスを重ねておかしなことになりましたが、この周辺ならまあ軽く反省して済ませることもできましょう。遊び心がなかったとも言い切れません。しかし、下山路のことは、栃谷尾根を登り始めたときからずーとあれこれ考えてきたことです。予定通り景信山へ向かうか、安全第一にあっさり和田へ下山するか、今日の目的に拘って奈良子峠から奈良子尾根を下山するか、栃谷尾根や一の尾根は論外だなと。おにぎりを食べながらもどれにしようかと何度も検討し続けました。それにも拘わらずその間、陣馬高原下のことは全く頭に思い浮かばなかったのです。陣馬山からの下山路なら、真っ先に陣馬高原下を思い浮かべて当然です。それなのに私の脳細胞からは完全に欠落していました。このことがショックなのです。単なる物忘れで片付ける症状ではないような気がしました。痴呆症の始まりかもしれない、年齢的には充分あり得るし、などと真面目に衝撃を受けました。その後は少し怖くなり、遠くに3人の姿を見失わないように慎重に下山し、無事バス停に着くことができました。

 今回の道迷い自体には、いろいろ反省点もありますが、楽しい一面もありました。ご愛敬のうちに入るかもしれません。しかし、最後の脳細胞の欠落には、本当にショックを受け、家に帰るまで気持ちが落ち込みっぱなしでした。

 つまらんことをだらだら書いてきてしまい、老人の繰り言とご勘弁下さい。道迷いのことを書こうとすればいくらでも書けそうな。

おわり
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コメント

RE: 陣馬山で道迷い(その4)
nibinさん、はじめまして。
本日、和田峠から生藤山に初めて行きましたが道間違いをしました 。和田峠から林道を5分程歩いたところに左手に立派な標識がありました。時計で表しますと、自分は6時から12時の方向に歩いてきました。その地点では9時の方向に別の林道が分かれており、標識は左は和田峠(すなわち今来た道)、右は生藤山・醍醐丸と書かれていましたので、別の林道に入らずそのまま歩いてきた林道を直進しました。踏み跡もありました。

10分ほど歩いても林道が続き、おまけに下りになったため道間違いと判断し先ほどの標識の地点も戻って再確認したところ、な、なんと、11時の方向に道がありました 。雪が少し積もっていて道が分かりずらかったのですが、最大のミスは思い込みです。標識の右方向(12時)は林道直進と頭にインプットされた瞬間に11時の道が見えなくなったと思います (教訓:分岐地点では即断するべからず)。

普段は道間違い予防のため、ヤマレコマップを使用するのですが、さすがに和田峠付近で道間違いはないだろうと高尾付近のヤマレコマップはダウンロードしてませんでした(教訓:100%安全な山域はなし)。

おまけがあります。高尾駅から神馬高原下までバスを利用しましたが、間違って平日用の時刻表を見て高尾駅に6:13分に着きました(バス出発は6:18)。本日は日曜で6:55分が始発でした 。nibinさんが、今回の道間違いで脳細胞が欠落されているとお感じになられるなら自分の脳細胞は完全に腐ってます

長文で失礼しました。
2018/2/11 18:24
RE: 陣馬山で道迷い(その4)
fujikitaさん、はじめまして、こんばんわ

すぐに気づかれて正しいコースに復帰されよかったですね。

標識のなかには不完全で曖昧なものも数多く見受けられるので要注意です。
例えば、△△山→ と書いてありながら、その5メートル先で道が左右に分岐しているとか。いろいろです。もう少し登山者(特に初心者)の気持ちになって設置してほしいものです。

平日・休日の時刻ミスは、誰もが味わうささいな経験です。
気になさることはないでしょう。

私は、この3連休、まだショックが癒えず、家で休養中です。
2018/2/11 23:55
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