連休中は２回も山へ行ったので、今週末は休むことにした。
そしたら昨日、妻が民芸展を観に世田谷区立美術館へ行こうと言い出した。子供の頃から旧い家で家事をやってきたので、昔の道具類を身近に感じて民芸品には興味があるらしい。気は進まなかったが、家に居ても何もすることがないし、たまには妻のご機嫌をとっておかないと今後の山行に何かと差しさわりがあるので、いそいそ風を装って同伴した。
チケットは１７００円、まず妻がシニア券を買うことにした。３００円割引とのこと、まあどこでもシニアは安くなる、すると売り場の女性から身分証明を求められた。あら、今時映画館でもそんなこと言われないのにと戸惑いながらも妻は「運転免許証返納証明書」を提示した。なんと、さらに３００円安くなった。併せて６００円安くなり、１１００円で済んだ。そばでやり取りを眺めていて、やあ気前がいいね、世田谷区は金持ちなんだ、と感心した。が一方で何だか妙な違和感が心を横切った。
次は、自分が買う番だ、もたもたしていたら妻が代わって、シニア券をもう一枚と係員に伝えた。
「年齢のわかる身分証明はありますか」
「ちょっと、持ってる？」
「持ってないよ、今日はお金しか持って来ないよ」
・・・三者しばらく沈黙・・・
「では生年月日はいつですか」
「えーと、・・・しょうわ・・・モグモグ・・・」
「１９３９年・月・・日です。」
じれったそうな妻の声が遮った。毎度のことだ。
よくも素早く夫の生年月日を言えたもんだと妙に感心
「わかりました、それでは３００円割引で１４００円頂きます。」
あれ、妻より年上なのに妻より高いんだ、夫婦顔を見合わせなんか腑に落ちないなと思ったが、いかにも美術館の職員ですという雰囲気の女性の表情を眺めて、下町のおじさん係員と掛け合うようなわけにも行かず、３００円くらい気にしないことにして２人分２５００円を支払った。
館内をぶらぶらゆっくり観て回り、妻は好きな民芸品を眺め一応満足した様子だった。子供の頃、近所の家で見かけた屋内の道具類や装飾品が麗々しく展示されていたが、自分には、何で今更、という印象であまり関心がわかなかった。目の利かない老人は困る。疲れて地下でジェラードを食べた。もう３００円のことは頭から消えていた。
でも帰りの長い電車の中で、なんか心の片隅に引っかかっていた小さなものがだんだん広がってきた。どうも腑に落ちない、しっくりこない、３００円出費そのことではなくて、そもそも主催者はどうゆう経緯で２段階割引にしたのだろう。制度そのものの設定者の真意を測り兼ねた。
自分は身分証を持ってなかったけれど１段階目のシニア割引があった。外貌から一発でシニアであると判断されたためだろう。常識的な対応だと思う。
しかし、そのとき身分証明を携帯していた、偶々携行してなかった、を基準にしてさらにシニア割引を重ねるという狙いは何なんだろう、そうゆう恩典はいつも身分証を携行している人には与えるけれども、そうでない人には与えませんよ、ということ、どちらもシニアであることを認めた上で。
あれこれ考えた挙句、結局次のように推測した。
�� シニア割引をするには原則として身分証の提示を求めること、ただし、偶々携行してなくとも状況から判断してシニアであることが明白な場合はシニア割引を認めてもよい。
�� そうした場合、まじめに身分証を携行提示した人とそうでないいい加減な人、あるいは偽ってシニアだと言い張る人との間が不公平になるのではないか、
�� それならまじめなシニアにもう一つ特典として更なる割引を適用する、身分証携帯を心がけるシニアには喜ばれるし、そうでないシニアでも通常の割引は受けたのだから不満はないだろう、なかなか良策と思われる、
�� とにかく身分証を携行してないシニアが多過ぎる、それに怪しい人も多くて腹が立つ（現場の声）、何とか方策を立てなければ、
となってこの制度をつくった。
以上はあくまで自分の単なる想像に過ぎない。成程ねと思える一方、もやもやした差別感が残る。運転免許証不携帯で罰金を取られた感じがする。仕事や山では必ず携行するけど散歩やレジャーでは携行しないし、年中忘れ物をする。年季の入ったシニアは自然とそうなる。自分のようなシニアはそこで差別されてしまった。そう感ぜざるを得ない。この２段階方式は何となくお役人の考案しそうな仕組みかな、落ちこぼれは損をする、賢い人は損をしない。まあ、世の中それでいいのだけれども
それとも世田谷区では区立の施設では以前からこうゆうシステムになっているのだろうか。２段階優遇とはやはりお金持ちの区らしい、下町の区ではどうなっているのだろう、そうだ！・・実地に調べてみよう、山へ行かない週末に区内の美術館巡りをしてみよう。その際は、最初は身分証を携行してないふりをして、いざとなったら、あれ、こっちのポケットに入っていたとかつぶやいて身分証を取り出す、面白そうだ。うふふふ・・・
単に窓口の方のチョンボだったんじゃないですかね。
https://mingei-kurashi.exhibit.jp/outline.html
こんばんわ
そうなんですよ、私も帰宅後世田谷美術館のホームページを見たらそう書いてありました。
領収証は正規の１１００円のだったからチョンボとも考えられませんね、
知的で冷静なベテラン女性職員だったので取り付く島もなかったです。
下町のおばさん職員だったら、「ちょっと、持ってたことにしてよ。」と頼んでみるのですが。
こんばんは。警視庁のホームページを見ると、免許証返納者において「企画展観覧料を団体料金に割引」とありました。シニア割引＋免許証返納分で1100円（団体料金適用）は正しいみたいです。
こんばんわ
成程、成程、ありがとうございます。
これですっきりしました。
係員から説明がなかったのでまごついてしまいました。
ベテランシニアは、無知で困りますね、周囲も自分も
東京靴流通センターでは「ハッピー55デー」という、55歳以上のシニアが10%割引で靴を購入出来る日があります。
今度、ナナハンをぶっ飛ばして買いに行こうと思ってます🏍️💨😁
こんにちわ
その情報もう少し早ければ、
先週、悩みに悩んで毎日履いているウオーキングシューズを買い替えたばかり、
残念です。
でも５５歳以上がシニアとは？？？、商魂たくましいですね、
ナナハンって昔聞いたような気がしますけど、格好いいオートバイですよね、
といったところが脳の現在の定位置です、
「免許証返納届」を提示・・・と書いたときピンとこなかった頭、昔ならぐるぐる回転していたのに、本当にさび付きました。
ゴールデンウィークにネモフィラを見に昭和記念公園へ行ったのですが、紙のチケットを買ってから気づきました。
シニア料金あるじゃん。しかも一般の半額以下。
自動券売機なので、どう証明するのか、帰り際に人が少なくなったのを見計らって係員の人に聞いたら
「入る時に自己申告です」
と言われました。
何も証明が要らない様です。
次からはシニア料金だ！
こんばんわ
自販機の発券口に「一般」と「シニア」が並んでいる、
証明書は不要！
さあ、どちらを選ぶか、
私なら胸を張ってシニアですけど、
シニアでない人は心が揺れますね、
さあ、どうする？
しめた、安い方を、天皇陛下の情け深い御心に御すがりして・・・
うーん、やはり、一般かなあ、天皇陛下には敬意を表しないと・・・
ところでＴｅｏさんは胸を張れる方に属する年齢でしょうか
あ、念の為に、私はもうシニアです。
かなり前ですが、東京シティフィルでチケット買おうとしたら「シニアじゃん(プラチナ、とオブラートに包まれた名前になってます)」と気づきました。
https://www.cityphil.jp/ticket/tickettype/
でもＮ響はそう言うの無いんですよね。
こんばんわ
失礼なことをきいてすみません。
でもまだ本格的なシニアに程遠いよう、
コンサートに通う元気がおありですから。
Ｎ響けしからんですね、
いわば税金のようなもので運営してるんじゃないかな、
そんな割引しなくとも客は入るでしょうけど
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