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2024年07月07日 21:03老人と山全体に公開

スルギ尾根に足を入れたが

先月15日にスルギ尾根を歩いて以来、天候の都合でどこへも行けなかった。イライラが募ってきた。前回楽しく歩いたスルギ尾根をまた歩きたい、あのピークでまたお賽銭を上げよう、なじみの前坂で腰を下ろそう、いろいろイメージが湧いてきて、居ても立ってもいられず、昨日この猛暑のなかついに出掛けた。


秩父の天気予報は午後1時から雨、飯能は2時から。予報サイトによっては雷雨とある。雨はともかく雷は怖い。スルギ尾根はどちらの地域に属するのだろう。前坂へ2時までに着ければ何とかなるけど、道中の尾根上でドシャン!バリバリ!とやられたらたまったものでない。伊豆ケ岳のあの恐怖を思い出す。だけどまあ、とにかく足を進めないことには、考えていても始まらない、

今回は、子の権現への登りルートを吾野駅からにした。前回の西吾野駅からのルートはわりと楽だったが、また同じルートというのも能がないので登りは初めての吾野駅ルートにした。いつか下りに利用したとき舗装路を延々と果てしなく歩き、それだけでバテた記憶がある。この猛暑の真っ最中、登り利用とは適切な判断でないが、まあ、なんとか・・・

8時20分駅スタート、もう暑い、歩き出したら首が日差しで痛い、慌てて日焼け止めクリームを塗った。線路沿いの細道を歩いていくと車道を進むか会社の敷地に入るかの選択を迫られた。地図を眺めながら、「ごめんなんしょ」と会社の敷地に入った。それで正解だが、山の中腹を少し上がったり下ったりする感じなので、遠回りでも車道を歩いた方が楽がったっかもしれない。

やがて四つ角に出た。そこを左へ曲がってからの舗装路が本番、じりじりと照り付ける熱射が、最初はまあなんとかなるだろうと凌いでいたが、やはりだんだんと身体を熱く蒸して苦しめるようになった。昨年のあの熱中症寸前の状況が浮かんできた。本日休業の浅見茶屋の立て看板を過ぎ大分歩いたら、おや、左手近くに大きな滝が、涼しそうだあそこで休憩しようか、でも面倒くさい、通り過ぎたらすぐ浅見茶屋が現れた。見回しても休める場所がないので直進、もう休憩したい、日陰はないか、いい加減うんざりした頃ようやく道端に日影があったので腰を下ろしゆっくりした。水分を十分補給し、それから間もなく舗装路が終わり渓流の橋を渡って登山道入口に到着、駅から1時間20分掛かった。本当に熱射にやられ通しだった。この出だしの舗装路歩きは予想通りだった。無駄に長い。

ここから子の権現までの登山道は何の目印もなくあまり面白味がない、でも森の中の登山道をやっと歩けるようになったので嬉しい気持ちでもくもく歩き、50分後にスルギ尾根入り口のある子の権現駐車場に着いた。

時刻は10時50分だ、さあ、どうする? 天気はまだいいけど

前回は10時40分だった。疲労度は今回の方がやや強く身体が重い気がする。前回のように、さあ、行くぞ!という気迫が持てない。行って行けなことないけど、という感じだ。
雨が降り始める午後1時にどこまで進めるだろう、途中の昼食休憩など含めて高反山周辺だろうか、午後2時ならスルギ尾根を終えて林道へ出た辺りか、それ以上のタイムを稼ぐのは老人にとって危険だし、いろいろ迷ってしまう。雨と雷か、ウーム・・・

ちょっと行ってみようか、足が緩い坂を下り始めた。でもでも大丈夫かなあ、雷が怖いよ、前坂で降り始めなら問題ないし、雷でもなんとかなるだろう、でもその前にやられたらやはり嫌だね、ああ、やっぱり止めとけばよかったと絶対後悔するよ、頭は必死にマイナス思考を進んでいるが、身体はなんとなく足を前に出している。

ここはひとつ理性的に、冷静に考えよう。ようやく立ち止まった。止めよう、今日はスルギ尾根中止、老人がバカな真似をしてはいけない、雨予報に進む奴がいるか、馬鹿者めが、そう自分を叱って引き返した。

駐車場からそのまま下山してもいいのだが、以前から通りすがりにちょっと気になっていた、駐車場の隣にある阿宇山620mへ上がってみた。所要時間3分でまわりより少し高くなっているだけのこと、登ったという実績は残せたので気が済んだ。折角なので頂上で昼食をとった。

下山は、西吾野駅へ向かった。前回登りに利用したコースで状況を把握しているので気楽に歩けた。わかっている登山道とはじめての登山道とは、歩く時の気持ちが全く異なる。安心感や緊張がまるで異なる。最近特にそのことを強く感じるようになった。それで自分は同じ山へまたすぐに出かけたくなるのだろう。


やれやれ、雨に当たらずようやく駅に着く、国道から駅へ入る曲がり角に近付いたら「フルーツ氷」の大きな旗が目についた。氷か、いいな、ここで熱中症気味の身体を休めていこう、城山の氷が目に浮かんだ。電車を1本遅らせよう、まだ1時を過ぎて間がない。

あれ、だけど、旗だけで店がない、普通の農家の家じゃないの、入口もないし、奥の方かな、庭のような敷地に入っていったら途中の虫よけ窓越しに明るい女性の声
「いらっしゃい」
「あのー、氷を食べたいんですけど」
「先に進んで入口へどうぞ」
先へ進んだら農家の入り口があった。そこは土間だった。
「靴を脱いで上がってください」
見ると広い畳座敷にテーブルが置いてある。
「あのー、登山靴脱ぐの面倒なのでここで座って食べていいですか」
上がり縁を指さした。
「あら、どうぞどうぞ」
とても愛想がいい、
「氷といっても・・・うちはこんなもんですよ」
誤解しないようにとメニューを渡してくれた。

フルーツ氷というから氷の上にフルーツの小片がいくつか載ったのをイメージした。
メニューを開いてビックリ、値段が高い、880円〜1900円、何なんだろう、写真ではフルーツがたくさん載っているけど
まあ、仕方ない、いったん入ってから出てしまうのも男らしくない。
メロンが好きだが一番高い、1900円もする、しかしメロン2分の1が提供されるとのこと
「イチゴください」
一番安いイチゴを注文した。

こうゆうシーンで一番安いものを注文するときはなんか恥ずかしい気がする。でもイチゴは好きだから構わないでしょ、リンゴやブドウよりイチゴがいいんだよ、ケチで選んだんじゃないんだからね、自分に言い聞かせた。

「はい、お待ちどうさま、ごゆっくり」
目の前のフルーツ氷を眺めて、うーん、初めて見たけど、このびっしり並んだフルーツの下に冷たい氷が詰まっているのかなと思った。恐る恐る食べていくうちにわかったが、下まで全部凍ったフルーツそのものだった、それに冷たく甘い練乳がまぶしてある。食べ終わってなんとも言えなかった。美味しいかと問われればもちろん美味しいと答える、とても贅沢な味がする、85歳にして初めて食べた。ご馳走様と言って出てきてからも、何だろうね、あのフルーツ氷は、東京でも売っているのかしら、電車の中でもずーっと考えていた。本日の山行最大の収穫だったかもしれない。

というわけで雨にも会わず無事安全に帰宅できた。果たしてスルギ尾根に雨は降ったのだろうか、雷は鳴ったのだろうか、いずれにしろあのままずるずる侵入して行かないでよかった。楽しい一日だった。


(写真)
1 下山途中、沢に降りられる場所をようやく見付け、ハンケチタオルを浸して首筋から胸、腹、腋の下、背中などを冷やした。とても気持ちよかった。熱中症予防に効果的だった。

2 冷たいイチゴが容器の底までビッシリ詰まってます。初めて食べたけど、880円は高くないです。 
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コメント

次回はメロンをお願いします🍧
2024/7/7 22:52
aoitoriさん
最初は戸惑ったのでイチゴにしましたが、これなら次回はメロンにします。
お約束します。
その時は、また日記でご報告しますね。
ランチ代を少し節約しなければ・・・
2024/7/7 23:43
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