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2014年01月12日 12:21山のお話全体に公開

山のお話2 丹沢の石めぐり(2)

昨日、雪の大山北尾根に行ってきた。年始すぐで人が少なかったのか、一ノ沢峠から境沢ノ頭までは、ずっとクマのらしき足跡をトレースしながらの登山だった。やはり、人にとっても動物にとっても、歩きやすいところは同じらしい。その上でも登山者二人にしか会わなかった、大山頂上までは。。。(^^;


昨年の12/7、ベスブ石と菫青石を見に、西丹沢に行った。いつも一緒に行く連れは用事で外泊するので、ひとりで行ったのだが、一体何十年ぶりの山単独行だろう。。。
結婚する前、カヤックの旅は、ひとりでよくやっていたのだが。

いつもは車なのだが、いくつか電車を乗り換えさらにバスを乗り継いで、西丹沢自然教室へついた頃にはみんなずいぶんくたびれた(志ん生の口調で)。初めて乗ったバス路線の長さ、しかも満員で立ち乗りはきつい。
だが降りてしまえば、もうこっちのものだ、天気も良いので林道をすたすたと白石沢目指して歩く。

ベスブ石と菫青石は、加入道山と大室山の南斜面周辺にしかないらしい。
しかも、とあるベスブ石の大きな露頭などは、みんなに削られ削られ、ついになくなってしまったとか。ふと気づいたら足元に小さなかけらが落ちてたのでつい拾ったとか、そういうレベルならまだしも(まあそれもいけないのだが)、露頭から削り取ったりするのはやめましょうよ。後から来た人が何も見れないじゃないか。

犬越路林道の分岐を横目で見送り(この林道も、ずっと歩いていってみたいのだ)、用木沢出合、モロクボ沢出合をさっさと通り過ぎ、沢沿いの道を登る。連れがいる時は、相手の歩調に合わせるのでずいぶんゆっくりめなのだが、ひとりだとほとんど競歩のような感じで進んでいけるので、気分がよい(ただし若い頃より体力は落ちているのですぐ疲れるw)。
やがて白石沢を見送ってザレの沢に入り、いっぱいの瓦礫を上に載せて今にも崩れそうな鉄骨の堰堤のところで木橋を渡り、道はいったん沢を離れてトラバース気味に尾根を巻くように上っていく(国土地理院の道の表示って結構テキトーなんだなと実感する箇所です(^^;)。
けれども今日は、ここから道を離れる。そのままザレの沢を、石伝いに遡っていくのだ。
しばらく行くと、広く明るい場所に出る。いくつかの沢が合流している本ザレの入り口だ。

ここから参考にするのは、『神奈川県 地学のガイド』。ザレの沢付近の地質略図が載っており、菫青石の位置などが説明されている。
それによると、菫青石の露頭は、コージロ沢にあるという。ネット上でこのあたりの詳しい地図を見ると、コージロ沢という名前は見えず、かわりに孫六沢という名前になっている。これは同じ沢のことだろうか?

本ザレの入り口から、右手からザレの沢、コージロ沢、そして走り水沢(表層水はほとんどこの沢のみ)が分岐する。真ん中の沢に入る。しばらく行くが、どうも違う気がする。ガラガラで明るい沢が続くのだが、ガイドの説明では、コージロ沢は「薄暗い小谷」と書いてある。いくら古い本だからって、こんなに様子が違うものだろうか。
ザレの沢はかなり荒れている感じで、ガレ場がかなり広がりつつあるのだろうか。

右岸(左手)を見ると、何となくすぐ隣に沢がある雰囲気なので、左の低い斜面を乗り越えてみると、木々の下に小さな谷が、今まで来た谷にほぼ平行して走っている。頭上が木に囲まれているので、ちょっと薄暗い。ここがコージロ沢で間違いないだろう。
このあたり、何本かの沢が平行して走っていて、ちょっと分かりにくい(あとでgoogleマップの写真表示にすると、かなり沢筋が分かりやすいことに気づいた)。

この谷に入ったとたん、足元に小さな菫青石を見つけた。
自然の状態で見る菫青石は、建物の中に展示してあるものを見るのとはまるで違う。白石沢の大理石もそうだが、ちゃんと息をしている感じがする。

ガイドでは、コージロ沢に入って20mほど登ると菫青石が現れ出し、「さらに100mばかり登ったところで、熊笹を分けて左に入ると、10mほどで草の生えた小谷に」出て、ここに露頭があるという。
けれどもどうも分からない。この本、旧版初版は1971年だが、この箇所はもしやずっとそのままなんじゃないだろうな。。。数十メートル先に、大きな岩があるので、とりあえずそこまで行ってから考えよう、と思い登ってみると、何とその岩がいぼいぼだらけで、このいぼの部分が菫青石なのだ。
熊笹はなかったが、さらにその上数十メートル、左側のごく小さな谷で、さらに多くの菫青石を含んだ露頭を見つけることができた。

繰り返しになるが、博物館の展示を見ても、ふーんという感じだが、やはり自然の状態にあるものを見る感動はまったく別物だ。こういう感動こそが教育に一番必要なものではないか、と、自分は教師ではないし門外漢ながら、思う。太陽の下で、森の中で息づいているものを観察するのは、見るというより、その周囲の空気や環境と一緒に感じるものなのだろう。

大理石もあちこちに転がっており、ベスブ石がないか探しながら歩いたのだが、こちらは残念ながら見つけられなかった。やはり白石沢のほうが見つける可能性が高いのかもしれない。
コージロ沢を下っていくと、走り水沢との分岐の少し上で流水が現れた。走り水沢も遡り探してみたが、こちらでも見つけられなかった。残念だが仕方ない。走り水沢はずっと流水があり、かなり上で二股になる。右手は急な岩盤で、とても登れそうにない。左手はさらに行こうと思えば行けそうだが、降りられなくなると嫌なので、途中であきらめた。探しながらだったので、時間が中途半端だったためでもある。

だが、そのうちこのあたりの沢から尾根に出て、加入道山まで行ってみたい(沢をずっと行くと崩壊地に出てしまうようなので、ちょっと怖いw)。滝があるわけでもなく、石好き以外にとってはまあつまらない沢なので、バリルートとしてもほとんど通った人はいないだろう。ネットで探しても、ザレの沢を破風口まで登ったというアホな人(これはほめ言葉)以外、見つからなかった。

あと、コージロ沢、走り水沢には鹿が多いのだろうか。4〜5匹見た。
たまにはこういうちょぴし探検的な山行も楽しいものだ。
でも、ここは天気が悪い時には行きたくないかな。


写真1:本ザレの入り口
写真2:菫青石の露頭
写真3:走り水沢
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