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家の外の階段が、完全に埋まって単なる斜面になってしまい、雪かきをしないとつぼ足状態だった(^^; こんな大雪は何年ぶりだろう。
柱状節理というものは、どうしてこんなに見る者を惹きつけるのだろう。。
時に、まるで人為的に作られたかのように整然と美しい様子を見せる柱状節理を見ると、この世界の不思議を感じることができる。自然現象の応用編とも呼びたくなる。
主に溶岩がゆっくりと冷却される際に、均等に冷やされると、体積が収縮して、五角形や六角形、時に七角形などにきれいに割れるのだ。そう説明されても、それでどうしてあんなにきれいに割れるのか、どうも心理的には納得できない。だが、そもそも自然界というのは、規則性に対する指向というのが根本にあると考えるべきなのだろう。結晶という現象が大きなレベルで発現したようなものだと考えれば、なるほどと思う。
自分の行動範囲は、基本的には関東・東海近辺が中心なので、そのうち、日本全国の柱状節理を見て回ったりできたら楽しいだろうと思う(まあそれが目的で旅行したことはない(^^;)。
伊豆はもともと全部火山で出来ているようなものなので、柱状節理も多い。河津七滝や浄蓮の滝など山の中(の溶岩流出の跡)だけでなく、爪木崎や中木の放射状の柱状節理など海岸線にも多い。こういった有名どころだけでなく、南伊豆の吉田から少し離れた海岸の奥まったところにある柱状節理のゲートなど、多分ほとんど知られていないのではないだろうか。歩いて行けないことはないと思うが、相当キツい筈で、まさに日本の秘境。そもそも吉田という集落自体、おそろしく辺鄙な里だ。
けれども、自分が今まで見た中で、一番すばらしいと思ったのは、湯河原にある柱状節理だ。
湯河原の新崎川は、箱根外輪山の白銀山、大観山周辺を源流とする川で、その流域には梅で有名な幕山公園、幕山がある。箱根は大昔、いくつもの火山が煙を吐いていた火山群だったが、幕山はその頃の火山のはじっこのひとつだ。粘性の高い溶岩が流れずに盛り上がって固まった溶岩ドームである。クライミングの練習で有名な幕岩は、その時の溶岩だ(これも柱状節理ですね)。
幕山公園を過ぎて、さらに谷の奥、新崎川を遡り、白銀橋を越え、中尾沢を遡上していくと、柱状節理の滝に行くことができる(自分はしとどの窟から幕山まで白銀林道を歩いた際に寄った)。沢には薄い踏跡がある。直下の滝を巻く際、若干の急斜面を登らなければならないが(昨年末ロープあり)、そこを越えて柱状節理の滝が目前に現れると、ちょっと感動ものである。
丁度南面しているので、日の光がよく当たり、水がきらきらと煌き、実にすばらしい。
滝の下は淵の前がちょっと平らに柱状節理の床になっていて、晴れた日にここでのんびりしていると、何時間でも過ごしたいと思うような場所である(ちなみにその下の滝もなかなか立派だが、日もあまり当たらないし、沢もちょっと荒れているし、あまり長居したいと思うような場所ではない)。実際、なかなか離れがたく、ずいぶんと長い昼食をそこでとった。
こういう、なんとはなしにいい気分になる場所は一体なんだろう。これこそいわゆるパワースポットだと思うが、周囲の環境の問題なのだろうか、それとも何か他の要素も関係しているものなのだろうか。
はるか昔から神社がある所などにも、そういう場所がある。元からそういう場所なのか、長い年月、神社などで人々の信仰を集め、そういう環境を保持されてきたからそうなのか。古い峠などにも、そういう「雰囲気」を醸し出している場所がある。
個人的には、湿度とか気温、空気中の何かの成分、磁気でも何でもいいが、今の科学でも説明しようと思えばできるものではないか、と思っている。ただ、そういう調査がされていないだけで。人間の感覚を数値化するというのは、とても難しいのだろう。いんちき科学がつけこむのも、そういうところからだ。
話がそれた。
ところで、宮ヶ瀬尾根の山中の沢にも、柱状節理の滝といわれている滝があるらしい。こんなところに柱状節理があるなんて、どうもおかしいし、聞いたこともない。丹沢にも、火山の跡はないわけではなく、西丹沢の地蔵平付近には火道角礫岩の岩脈(火口の中の溶岩が固まったもの)があるらしいが、地形的にはもはや跡形もなくなっている。
ネットにあった写真を見てみたが、片理の発達した緑色片岩のようにしか見えない。溶岩や貫入岩以外でも、柱状節理というのだろうか。
実際にこの眼で見たわけではないので、何ともいえないが、ぜひ一度、見に行ってみたいと思う。
でもあのあたりの沢とか、結構厳しそうだなあ(^^;
写真1:吉田の柱状節理のゲート
写真2:湯河原の柱状節理の滝
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