写真は、小暮理太郎が赤羽台(現・東京都北区)から北から西を眺めて残したスケッチ(「東京近郊赤羽台ヨリ上、信、越、野ノ諸山ヲ望ム」『太陽』創業卅六周年記念増刊号)だ。
日記の画像だと縦・横幅が640pxの制限があるので、よく見えないかもしれない。
一番上の段、右端、日光の丸山から、左端、笠ヶ岳(よく分からない、至仏山のそばの笠ヶ岳? ちなみにその右隣りは袈裟丸山)。中央右手の姿のよい大きな山は、日光男体山。
二番目の段、右端、武尊山から、左端、烏帽子岳(野反湖、岩菅山のそばの)。中央右の大きな山体は、赤城山。少し左奥には、山のお話14で話題にあげた苗場山も見えている。
三番目の段、右端、榛名の二ツ岳から、左端、笠山(よく分からない、秩父市の東にある山? ここらへんは奥武蔵になるんだろうか。ちなみにその右隣りは西御荷鉾山)。榛名山から草津白根山、四阿山が続き、大きく煙を吐いているのが浅間山だ。
東京から、浅間山がこんなにも堂々とした姿を見せているのを眺めることができるとは、今ではとても考えられないかもしれない。
関越自動車道をずいぶん進んで、群馬県に入ってようやく、今の季節なら真白な浅間山が見えてくる、というイメージなのだが、東京からの方向を考えると手前に大きな山がないので、見えてもおかしくないのだった。
日本は火山が多いので、首都東京から見える現在活動中の火山も、実は結構ある(はず)。
南側には、箱根、伊豆大島の三原山(は三浦半島に隠されて見えないか?)、あと無理矢理加えれば、伊豆東部火山群も見えてもおかしくないはずだが、実際にはその手前に川崎・横浜の工場地帯があるので、ばい煙などの影響が大きいのだろうと思う。あと忘れてはならない富士山(ちょっとお休み中だが)。
北側では、山のお話14で取り上げた、東京から見える(見えた)最も遠い山のひとつ、那須があるし、赤城・榛名はもうずっとお休み中としても、草津白根はかなり活動的な火山だ。
そして、なんといっても、浅間山は現在日本(本州)で活動中の火山の代表格といっていいだろう。
小暮理太郎のスケッチでも、きちんと噴煙が書かれているのは、浅間山だけだ。
浅間山は一度登ったことがあるが、これだけ地球の生命力を強く感じることのできる場所は、あまりないだろう。火口側から風が吹いてくると、今まで嗅いだことのないような強烈な火山の臭いに包まれた。
明らかにこの山は生きているのだ、足元の山の下にはマグマが煮えたぎっているのだと、実感できる。
火口直下の荒れ果てた斜面を登りつつ、『指輪物語』の最後でサムがフロドを背負って登った滅びの山は、こんなだったんだろうな、と思った。ここで噴火が始まったら、たとえオオワシが助けに来てくれたところで、どう考えても助かるとは思えないな、などと、下らない考えが浮かんでくる(^^;
浅間山といえば、現在、浅間山の西側、小浅間側からの登山道は立入禁止になっているが、いつか、このルートを登ってみたいのだ。小浅間の頂上から見ると、実に大きな浅間山の稜線にブルドーザー道が延々と頂上まで続いていて、実に登攀欲を刺激する。ここを直登したら、キツいだろうけど気持ちいいだろうなあと思う。多分、ズリズリと滑るような、登りにくい道なのだろうけれど。
ネットでもたまに登っちゃった人を見かけるが、ここを歩いていると丸見えで、気が引けそうだ(実際、小浅間に行った時、この道を歩いている人が小さく動いているのを見かけた)。
できれば、正々堂々と行きたいのだけれど、解禁される日は来るんだろうか。
話を眺望に戻すと(もう大して話題は残っていないのだがw)、子どものころから地図が大好きで、パソコンを使うようになると地形レンダリングソフトにはまった。
Scenery animator、Bryce、Vueなどなど、楽しくて仕方なかったが、やはり現実の地形をレンダリングできるという点では、カシミールが最強だろう(Bryce、Vueは架空の地形を作るのが得意なソフトだ)。本体はフリーソフト、全国の10mメッシュ数値をこれだけ安価に手に入れることができ(山旅倶楽部のサービスを受けている)、国土地理院の地図も見れるなんて、本当にいい時代になったものだと思う(googleの地図、google earthも1日見ていて飽きないが)。
山に行き眺めを写真に撮って、帰宅してからカシミールで、写真の山々を調べるのも楽しい。尾根、名前のないピークなども、仮にネームをつけておいてカシバードすれば、簡単に判明してしまうのだ。
でも頂上などで「あれは何山、あれは何山」などと教えるのはいいけれども、自慢たらしくするのはやめましょう(^^; あれは格好悪いから。
以前とある山の頂上で、数人の女の子に山を指さして鼻高々に「あれは武尊山で、あれは谷川岳ですネ」などと教えていた若い男性が、次の瞬間溝にはまって「うおッ」などといってコケそうになったのを見たことがある。
気づかれないように笑いをこらえるのが大変だったのだ(^^;
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