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被害者の数に関しても、把握するのはなかなか難しいのではなかろうか(たった今、30数人の被害に増えた)。
これ以上被害が広がらないことを祈るばかりだ。
もともと御嶽山は、昭和54(1979)年、有史以来はじめて噴火するまで、死火山という分類になっていた。だから、この噴火は、専門家にとって大変な衝撃であったようだ。
この噴火のあと、死火山という分類に対する疑問が提示され、この言葉は使われなくなったという経緯がある。(10/2補足。ここ、実は違うらしい。一般的にそう言われているし、自分も本で読んだりして、そう思っていたのだが、気象庁の1975年『日本活火山要覧』には、活火山として記載されている。ただ、誰も噴火するとは思っていなかったのは確かなようだ。)
その意味でも、御嶽山は、たとえば大体20〜30年毎に定期的に噴火し、その前兆も割とはっきりしている有珠山などと一緒にしてはいけない。
火山の噴火の予知というのは、しやすいのもあるが、大抵はそうでない。予知などそもそもできないと考えるべきだ。有珠山というのは、そういう意味では非常に特殊な性質の火山なのだ。これは、地震においても同じ。
日本では、地震も火山噴火も予知できるものだという認識が強いように思われるが、こう思わせてしまったのは大変な大失敗だったと思う。そのため、あらかじめ分からなかったのか、対策できなかったのかというような、理不尽(としか自分には思えないよう)な批判に関係者がさらされるようになってしまった。
なんとか予知したいという願望、そのための必死の研究と、実際の大きな負担を強いる避難などの対策の間には、どうしても埋まらない溝がある(天気予報もそういう面が強いですね)。
ましてや今回の場合、まだこれからどう推移するかわからないが、前兆の出にくい水蒸気爆発の可能性が高い。地下のマグマの目立った活動がなくても起こるからだ。
ちなみ今回の噴火の前兆は、傾斜変動(11時45分から)と9月中旬から若干増えてきた火山性微動。この程度の増加で対応しろというのは、神様でない限り無理だろう。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/14m09/20140928_312.pdf
遭難もそうだが、後追いなら事情も関係性も神様レベルでわかっているからこそ、何だって言えるのだ。
昨日、はじめて富士山に登った。お鉢巡りをしてようやく南アルプスが見渡せる稜線に出たのが、午前11時56、7分、南アルプスの写真を撮って喜んでいたのだが。。。まさにその写真に、噴火後数分たった御嶽山の噴煙が写っていた。
塩見岳の右わき、南アルプス、中央アルプスを越えた向こうの噴煙が見える(写真)。
その時点ではまったく気づかなかった。帰ってきてしばらくして、御嶽山が噴火したというニュースを見て、写真を確認してようやく写っていることに気づいた。
あの時、噴火したのが富士山だったらどうだったろう。
可能性としては、まったくありえないということはない。
だが、日本の山に行く限り、それは仕方ない。そもそも、いつ大地震があるかどうかだってわからないのだから(絶対にいつかは来るし、来たら自宅も大きな被害を受けることだけは分かっている)。
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