御嶽山の噴火による遭難者の捜索はまだ続いている。しばらく天気のいい日が続いていたが、台風の接近などの悪条件で、まだしばらく時間がかかるだろうし、さらに被害者は増える可能性もあるだろう。なんとも残念な結果になってしまったとしか言い様がない。
噴火としては小さな規模だが、被害は実に大きくなってしまった。噴火の際に、火口の500m以内に大勢の登山者がいるという、最悪の状況。
木曽町などには、「活火山なのになぜ観光地にした」などという非難の電話が何十件もかかってきたりしているらしいが、こういうのはどうせ火山や登山に元々何の興味も関わりも知識もないような人が、急に偉そうにしたくなってかけたものだろうから無視してよいが、こういうごくごく少数の人間の大きな声が、世の中の動きを決定づけてしまうこともよくあることだから、気をつけなければならないだろう。
(活火山だから、ということを言うなら、富士山や箱根や伊東市、伊豆諸島は全部立入禁止にしますか、とでも言ってやればよい。火山性の温泉のあるところは、全部ダメだね。)
どんなことでも、誰かに責任をかぶせて、贄にしないと気がすまないのだろうか。意味がわからない。
気象庁に対する批判も多いようだ。問題なところも確かにいろいろあると思う。ただ、観光地への影響を優先しているというのは、果たしてどうだろう。もしそうならば、今年6月3日からずっと噴火警戒レベル2のままである草津白根山への対応だって、大分変わってくるのではないか(政治が絡むと、ちょっと自分には荷が重いけど)。
火山性地震が増えて(ちなみに火山性地震と火山性微動とは違う。興味ある方はぜひ調べてください。ちなみに今回の前兆といわれる9月10日ころ、火山性微動はなし)、それで警戒レベルを全部上げていたら、多分今よりも何十倍も規制が増えるし、実際に噴火に至るのは規制の数百回に1回もないようなことになる(桜島は別格なので除きます(^^;)。おそらく規制が多すぎると、やっぱり批判を浴びることになるだろうと思う。
つまりいずれにせよ批判される立場なわけで、絶対関わりたくなりなあ(^^;
地震と同じで、いくら観測したところで(メカニズムが完全に明らかになったとしても)、以前起きた同じ事象から、結果として同じ事象が起きるわけではないのだ。方程式ではないのだから。
大体、今回の噴火による被害以前、火山の活動による登山者の遭難なんて、ごくごくわずか、実際の可能性としては、宝くじに当たるよりよほど低い(思い出せるのは、新潟焼山とか浅間山の噴火による遭難、阿蘇山や安達太良での火山ガスによる遭難くらいだ)。
自分も、親類から、噴火のこともあるしちょっと登山控えたら、というような声もなくもなかった(^^;
今さら何を言ってますかw それより普通に遭難するほうが、よっぽど可能性高いでしょう(^^;
ごちゃごちゃ書いてきたが、つまり何が言いたいかというと。
今まで火山に何の興味も知識もなかった人たちが、正しいかどうかも怪しいテレビなどのちょっとした報道による知識だけで、急に声を上げて、無責任に他人を非難したりしだすという状況が、まったく気に食わないだけです。
自分だって火山が好きでいろいろ勉強してきたり、実際に出かけて見に行ったりしたけれど、やっぱり知識も経験もまるでないなあと思っているのに(これからももちろん行きます。火山好きですから)。
ところで、今回の事故で初めて知ったのだけど、御嶽山周辺って、国立公園どころか、国定公園ですらなかったのですね。ちょっとびっくり(中央アルプスも)。やはり勉強不足だった。。。
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