10mくらい先の雄山山頂に足跡を印すのは有料とのことで、雨も激しいためそのまま一の越、浄土山、鬼岳、獅子岳、ザラ峠を越して五色ケ原まで行くことにした。五色ケ原のテント場手前では再び、猛烈な雨となり、あわててテントを張り、入り込んだときは皆、疲れ切ってしばらく動けなかった。
翌年も同じコースで立山に登った。夜明けの剱沢から見た朝焼けの剱岳は素晴しかったが次第にガスがかかり、雄山に着いたときはまたもやガスの中である。雄山神社は前年の面影のない鉄筋のデラックスな建物に建て替えられていた。一の越から五色ケ原までは前年と変わって青空となり、五色ケ原のお花畑での昼寝を楽しむことができた。
次に立山を訪れたのは19年後の5月4日。会社のハイキング同好会のメンバー6名に私の10才と13才になったばかりの娘二人を連れて富山−室堂−立山−黒四ダムの観光コースを歩いた。美女平から室堂へのバス道は夏道の通りに間違えずに除雪ができるものだと感心する。雪一面の室堂に着き、バス道を少し戻って有名な大谷の雪の壁を見学する。この年は雪が少ないと言われていたが、それでも10m以上の雪の壁に驚嘆する。
室堂から一の越経由で雄山に登った。このときは雄山神社にはまだ人が入っておらず、申し訳ないが無料で雄山山頂の雪に半分埋もれた小さな祠を初めて参拝させてもらった。天気も良く、メンバーが持って行った鯉のぼりも気持ちよく泳いでいた。雪の立山からの素晴しい展望を満悦してその日は大汝山、別山を越して剱御前小屋に泊る。
翌日も天気が良かったが、雷鳥平に下る雪の斜面がクラストしており、山小屋の人からアイゼン・ピッケルを持っている人がメンバーの中で少ないうえに小さい子供も一緒なので、太陽が昇り、雪が柔らかくなってから下山するように勧められた。
しかし遅くとも8時までに出発しないと、今日中に家に戻れないこと、下山路を見たらトレースがしっかりしていること、私の子供たちも雪渓の登り下りは始めてでなく経験がある事などから、少し強引かなと思ったが7時過ぎに出発。急なところは一歩一歩、ピッケルでステップを切り、その跡を子供たちに歩かせて降り、安全なところまできたらお尻で滑ったりして、雪遊びをしながら楽しく雷鳥平に着くことができた。
立山は子供達に初めて雪山を楽しませることができた山である。
写真:五月連休の立山連峰最高峰大汝山頂で剱岳をバックに子供たちと
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