内孫が去年から保育園に通っている。1歳4ケ月頃、保育園の先生から歩き方が少しおかしいと言われた。孫は歩き始めるのが遅かったのでまだ上手に歩けないのではないかと考えて様子を見ることにした。3ケ月後に先生からやはり歩き方が気になるので一度、医者に見て貰ったらどうかと勧められた。親や私から見て特別おかしな歩き方をしているようには見えなかったし、乳幼児健診、1歳健診でも問題は無かった。かかりつけの小児科の医者に相談しても大丈夫だと思うとのことである。
股関節の専門の整形外科医が隣市の市立病院に勤務していることが判り、嫌がる小児科の先生に頼み込んで紹介書を書いてもらい念のために受診した。その結果、それほどひどくはないが左足の臼蓋形成不全だと診断された。大腿骨の先の頭を包み込む骨盤の部分(臼蓋)の成育が不十分で脱臼し易い状況である。
臼蓋形成不全は脱臼しなければ日常生活は問題なく、足を引きずる事も無いようであるが30〜40代で変異性股関節症になりやすい。ほとんどが骨盤の関係からか女の子に起こりやすい症状である。
実は私の長女は当時、住んでいた直ぐ近くに国立病院があり、そこで生まれた。3ケ月健診の時、若い医者は見逃したがベテランの婦長さんは股関節がおかしいと気づき、医者に注意を促して、臼蓋形成不全による股関節脱臼であることが判明した。その後、3ケ月間、バンドで足が動かせないように固定することにより臼蓋も正常に形成され大事に至らずにすんだ経験がある。お陰で長女はスポーツでも良い成績をおさめ、37歳になっても股関節の痛みは出ていない。
この臼蓋形成不全は遺伝的な面もあるように思える。私の数多い従兄弟には足の悪い二人の女性がいる。昔の田舎ゆえ、乳幼児の臼蓋形成不全や股関節脱臼の処理が悪くそれが影響したのではないかと考えてしまう。
孫の歳になるとバンドなど出来る状況でなく、しばらく様子を見ましょうと言う事になった。そして2歳になったので昨日、再検査をしてもらった。まだ右足に比べれば完全ではないが標準の枠内に入るまでに左足も成育して来ているのでこの様子では30歳以上での変形股関節症にはならないで済むでしょうとの診断を得た。
ヤレヤレ、先ずは一安心である。それにしても大勢の子供を見ている保育園の先生の目はさすがとただ感謝するのみである。長女の時の婦長にしろ、保育園の先生にしろ、医者が見落とすような小さなことを鋭い観察力で見抜く眼力はまさにプロ中のプロである。長女も孫もこのようなプロに出会えた事は本当に幸運であった。
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