翌日、岐阜の近くでの仕事が14時には終わってしまった。マイカーで来ているのでこのまま帰宅するのはもったいないと思い、どこか山を見に行こうと考えた。そこで関西や北陸方面に出張のときに新幹線から間近に見え、存在感のある伊吹山が頭に浮かんだ。伊吹山は1965年にドライブウエイが頂上直下まで開通し、気軽に観光気分で行けることは知っており、また岐阜からは近いので行くことにした。当時の山頂までの車両通行料金が1500円で高いと感じたが、下から歩いて登る時間も無いので山頂に立つためにはやむを得ない。
頂上の駐車場には15時30分に着いたが風が強く、観光客もまばらであった。風に吹き飛ばされながらも駐車場から歩いて20分程の山頂に背広姿、革靴で立つ。全くの観光登山である。私の数多い山行の中でも1番歩いた距離の短い山頂である。
花のシーズンも終わっていたこともあり、広い山頂には3人ほどしかおらず、私も山頂からの展望を一瞥してすぐに退散した。
伊吹山が好むと好まざるとに関係なく、ドライブウエイができ観光地化されたのも、人里近い平野から存在感のある山として昔から注目され多くの人を引きつけ、親しまれてきたためで、この山の持っている側面、個性であると思う。私はその山の個性に合った登りかたでその山を楽しめば良いと考えている。従ってこの時の観光登山に対しても何の偏見や抵抗を持つものではない。
山頂からは琵琶湖、鈴鹿の山々、白山、乗鞍岳などを見ることができ、確かに百名山にふさわしい展望であった。しかしその後、伊吹山は私の登山の対象からは外れて、駐車場からの20分の歩きで山頂に立ち、深田久弥の百名山を踏破したということに対して心の片隅で負い目を感じながらも再訪をする気になれないでいた。
伊吹山は花の種類が多いことでも知られ、人気のある山である。少し調べただけでも頭にイブキとつく花が11種類も出てくる。その他、イブキとはつかないがコバノミミナグサのように伊吹山でしか見ることのできない固有種もある。
最近、高山植物に魅せられている私は花の時期に一度は登ってみたいと考えるようになった。そこで今年、梅雨の合間の6月末に麓の上野登山口から登ってきた。正に花の伊吹山の通り、オドリコソウ、グンナイフウロ、コバノミミナグサ、クサフジ、クサタチバナなどの群落をはじめ、34種類の花々を楽しむことができ、やはり山は歩いて登らなければ山の良さが判らないと再認識した。
写真:左ーーイブキトラノオ
右ーー伊吹山固有種のコバノミミナグサ
そうですね。伊吹山には千数百の植物があるとか、私は2割ぐらいしか知りません。
頭にイブキの付くのも二十数種類、中には絶滅寸前ものも、、。これも、人が作ったハイテクが自然環境を破壊しているのかな?
nonkibouさん、コメントありがとうございます。
そうですかイブキが付く植物が20数種類もあるんですか。
私がネットでほんの少し見ただけで11種類も出てきましたが、20種類以上とは知りませんでした。
今まで伊吹山を敬遠していましたが、今度は盛夏に訪れてみたくなりました。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する