市ノ瀬まで2時間45分、更に夏のバス終点の別当沢出合まで約3時間を歩いて1日目は終わってしまった。別当沢出合は雪が1m近くあり、さすがに白山は雪が多いと感心する。別当沢出合休憩舎の中に入り寝袋に潜り込む。
翌朝、5時に出発。砂防新道を登るが連休でトレースもしっかりしていて危険な処もなく、アイゼンを着けるまでもなく、順調に室堂に9時過ぎに着く。曇りだった天気は雪が降り始め、風も強くなってきて吹雪状態になる。急いで白山頂上に登るがもちろん、景色は見えない。ただ寒いだけの山頂を早々に退散する。下りは来た道を一気に駆け下り、急な箇所はグリセードで滑り降りて、1時間30分で頂上から別当沢出合に着いてしまった。スキー滑降と比較するとスピードははるかに及ばないが、スキーでは降りることの出来ないような急坂を、ピッケルへの重心の掛け具合でスピードを調整しながら滑り降りるグリセードが好きで、それが雪山の楽しみでもあった。
予定より早く別当沢出合に着きはしたが、まだ白峰まで歩かなければならない。ゆっくりしている時間はなく、長い車道を早足で歩き通して16:20に白峰に到着。金沢に戻り、夜行列車までの時間、駅近くで1杯やりながら時間をつぶした。
2回目の白山は1990年8月末に会社のハイキング同好会のメンバー7人で訪れた。車で夜、三島を出発し東名、名神、北陸高速道を走り抜け、大阪から参加し前日に白山温泉に宿泊していた仲間と市ノ瀬で合流して別当沢出合まで車で行く。休憩舎にビール売り切れの掲示が出ている。下山後のビールでの乾杯は諦めることにして室堂に砂防新道を登る。甚之助小屋過ぎから弥陀ヶ原付近は、花の盛りは過ぎていたもののそれでも多くの高山植物が咲き誇り、花の白山を実感させてくれた。
室堂には12時過ぎには着いたが、この日は室堂泊まりのゆったりした計画である。時間も十分にあるので、のんびりと頂上を往復する。室堂に戻り、さっそくビールを買い求めるがやはり売り切れで、アルコール好きばかりのメンバー一同はガックリとする。夏の1日のアルバイトの後、やはりビールで喉を潤したいとは酒好きでなくても思うことである。仕方なく、担ぎ上げた日本酒で乾杯した。
写真:室堂からの白山
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