美ヶ原は平安時代から放牧地として利用され、近年では最高点近くまで車が上がり、電波塔が林立していて、一般的には登山というよりも観光として訪れる人が大部分であろう。深田久弥の日本百名山に美ヶ原が入っていなければ恐らく、私はまだここを訪れていなかったのではないかと思う。
ガイドブックや昔の紀行文を読むと素晴しい高原ではあるが、私にとっては登山の対象と考えにくいからである。私以外にも百名山を完登した人やもうすぐ達成しそうな人に聞いても、美ヶ原だけは異質な感じを持っている人が多いようである。深田久弥も現在の美ヶ原を訪れていたならば、恐らく百名山には選ばなかったのではないだろうか。
美ヶ原からの北アルプスの展望は素晴しいと紹介されているが、私はまだ見たことが無い。一度、仕事の帰りに車で扉峠から松本に抜ける道を走ったことがあるが、そのときにその展望の一部を見ることができた。けれども、それはあくまでの車窓からの展望であり、実際に汗を流して歩いて登ったときに、美ヶ原王ガ頭附近から展開する景色はもっと感動する大パノラマであろうと想像している。しかし残念なことに私が王ガ頭を訪れたときは2回ともガスで何も見えなかった。美ヶ原は非常に霧の発生が多い高原とのことだから、回数多く通わないと見ることができないのかもしれない。
会社のハイキング同好会で美ヶ原にキャンプに行くことになり日本百名山ということで私も参加した。車で高原の端にある美ヶ原美術館の駐車場まで行き、牛伏山・山本小屋から美しの塔・王ガ頭を往復散策した。しかし今にも雨が降りそうな天気で景色は見えず、牛伏山付近以外、途中の道は花も少なく、ただ歩いただけで終わってしまった。帰りには大粒の雨となりキャンプも中止して民宿に泊まり、翌日は乗鞍岳をドライブして帰ってきた。
その後、やはり家族で美ヶ原高原まで車で行き、王ガ頭に登ったがやはりガスで何も見えなかった。山は天気が悪くて何も見えなくても登り降りすることでその山を体感することができるが、美ヶ原の広い平らな道を展望の利かないガスの中を歩いても高原の良さは何も感じることができなかった。やはり高原は晴れていなければ駄目だと思う。
下から歩いて登らずに車で山頂近くまで行き、高原を散策しただけで美ヶ原について書く資格はないかもしれないが、山にはその山に合った楽しみ方があるので、美ヶ原はドライブ・観光登山でも良いかなと考えている。
今はまだ登りたい山が数多く残っているのでそちらの山登りを優先し、体力的にきつく感じるようになったら、天気の良い日にのんびりと孫を連れて美ヶ原を歩くのも良いかもしれない。
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日記
私と百名山 67.美ヶ原(2034m)(1991年7月26日)
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