この年の3月末に郡山工場専任を命じられ、福島県郡山に単身で着任した。郡山には兼務の時期を合わせると合計で12年間、御世話になり第2の故郷である。家庭的には認知症の始まりかけていた父親の介護を連れ合い一人に任せきりにするのは心苦しかったが、東北の山に登れるチャンスでもあった。
さっそく5月に磐梯山に登った。磐梯山は表の猪苗代側と裏磐梯高原側では山容が全く違う。最初に登ったのは表登山口の猪苗代スキー場からであった。五月晴れの暑い中、スキー場にしては急な斜面を直登する。スキー場の上の部分が1合目で、ここから普通の登山道となる。赤埴山を巻き、しばらく歩くと沼の平に出るが、この付近は本当にのんびりとした気持の良い場所である。明治21年の大爆発の噴火口上部を通り、弘法清水小屋で一服後、山頂に立つ。頂上は快晴ではあったが春霞で遠望はきかず、ただ白い飯豊連峰だけが目立った。足元には猪苗代湖、裏磐梯の桧原湖などが青く光っていた。
帰りは往路を引き返すが途中、赤埴山に立ち寄ってみた。目の前の磐梯山は表側の顔としては凛々しい姿を見せていて、いくら眺めても飽きがこない。
2度目は数年後に裏磐梯の桧原湖スキー場から秋の紅葉真っ盛りの中を登った。スキー場上部からは桧原湖が真後ろに大きく見え気持が良い。ここから400mで銅沼に着く。ここは絵葉書スポットで最高の景観である。銅沼越しに火口壁がそそり立ち、数箇所で小さな噴煙をあげている。残念なことに山頂は少しガスがかかっていた。銅沼から中の湯までは、あまり紅葉が進んでいない樹林帯の中を一人にも会うことなく歩く。中の湯からは猫魔八方台駐車場から短時間でここまで来られるので急に登山者が増えた。ここから弘法清水小屋までは紅葉の真っ盛りで地元のテレビクルーも撮影していた。
弘法小屋付近はガスがかかったり、晴れたりしていたが、頂上に着いたときは見事に晴れ渡り360°の大展望を楽しむことができた。帰りは小屋からお花畑コースを歩いてみたが、そこの紅葉は錦繍という言葉そのものであった。赤、黄、橙、緑色が配置良く織り成す様は、今まで見た中では最高の紅葉の美しさであった。
郡山在任中は家族や友人が来ると、猪苗代湖や裏磐梯に四季を通じて連れて行った。いろいろな場所から磐梯山の美しい姿を見てきたが、表磐梯では湖南町の猪苗代湖南東岸や南岸の舟津公園付近からが良い。冬の磐梯山が猪苗代湖に映り、湖面から白鳥が舞い上がる姿は絵になる風景である。
裏磐梯では五色沼からの磐梯山も良いが、桧原湖横のハイキングコースで中瀬沼の高台から数え切れない湖沼群を前面にはべらせた磐梯山は、絵葉書的であるが私の好きなスポットである。
白河からだと郡山を通らずに猪苗代湖まで行ける近道があるので会津方面には良く行きましたが猪苗代のスキー場に一度だけで磐梯山には登ったことがありません。
帰省の折にいつかは登ろうと思っています。
賢パパさん、今晩は。
白河だと福島県内の百名山以外にも南会津地方で個性的で良い山が多いですよ。
会津朝日岳、田代山・帝釈山、七ヶ岳、二岐山などもお勧めの山です。帰省し時間のできたときに登ってみて下さい。
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