残る百名山は北海道が5座、九州が2座になった。北海道を2回に分けて最初はトムラウシと斜里岳プラス雌阿寒岳を登ることにした。羽田から釧路空港に向かい、空港でレンタカーを借りてトムラウシ温泉まで260Kmを走行する。
トムラウシ温泉の国民宿舎東大雪荘に泊まるが、新しい建物で気持ちよく露天風呂も川縁にあり、周りが少し紅葉していてなかなか風情があり楽しめた。
登山道は東大雪荘の横から始まっているが1時間30分程度の短縮ができる林道終点まで車で上がる。駐車場には既に2台停まっていた。小雨の中、傘をさして歩き始めたが雨足が激しくなってきたので雨具を着用する。コマドリ沢から前トム平付近までが紅葉の盛りで楽しみながら歩く。
前トム平で休憩していると雨が雪に変わる。寒くて身体が震える。慌てて半袖のTシャツの上に長袖シャツを着るが手がかじかんでボタンを上手く閉められないほどであった。さらに防寒のセーターを着る。ぬれた軍手が凍ってゴワゴワして手が動かない。歩けば温かくなると思い歩き出す。前日の初雪の上に新雪が積もり始めているがまだ道ははっきりとしている。
トムラウシ公園からは本格的な風雪となるが先行パーティの踏み跡があり楽であった。しかし、すぐに先行の単独行者が引き返してくる。次に2人パーティも引き返してしまったので私一人になってしまった。南沼分岐まではトレースが無くてもルートは明確なのでそのまま進む。
分岐から頂上までの石コロの斜面はほとんど雪で隠れそうになっている赤ペンキの印しを慎重に探しながらゆっくりとルートを確認して進む。頂上に着き、急いでビデオ撮影するが、風が強く顔や手が痛い。すぐに来た道を引き返すが3〜5分前の私の踏み跡も雪で消えて、赤ペンキの印しも完全に隠れてしまっている。視界はまだ100m位あったので、登った時の記憶と勘に頼りながら南沼分岐まで吹雪の中、戻ることができた。ここまでくれば道も判り易いので一安心とホットする。
しかしトムラウシ公園から前トム平の間の巨岩の間のルートは全く分からなくなっていた。途中、ルートを2回、外してしまう。登ってきた時の感じと違うのだ。「やばい」。遭難の文字が頭をよぎる。とにかく落ち着こうと吹雪の中、地形図を出してルートは左側であることを確認し、方向転換しながら辛うじて前トム平に到着。ここまで来たら風雪は変わらないが視界が効くようになり無事に駐車場まで戻ることができた。翌日、新聞で確認したところ、この日は秋雨前線の通過で北海道は記録的な寒さだったとのこと。
その後2009年に発生したトムラウシでの登山ツアー客が8人死亡した遭難はこの時のことが頭をよぎり、他人事には思えなかった。
下手をすると遭難してもおかしくない状況では長年の経験がものを言ったようで・・・ご無事で何よりでした。
2009年の事故のことは報告書を読みましたが・・・あんな悲惨な事故は二度と繰り返して欲しくありませんね。
初雪の時期でしたので、ある程度は防寒を準備していましたが、静岡の山のつもりで行っていたらアウトでしたネ。
ツアーと言うのは参加者の体力、経験が判らず、本格的な登山ツアーには疑問を感じてしまいますよね。
私は2010年の夏でしたので前年の事故で慎重になり、事故と同じ旭岳からの縦走でなくhideさんと同じく短縮登山道からのピストンに。 北海道らしさを味わうためには縦走したいんですけれど..
naiさん、こんにちは。
この頃は百名山も残り少なくなり、完全にピークハンターとなり山頂さえ踏めば良しとした山行が多かったです。
せっかく遠くに行ったのだからその山の良さを味わいながら歩きたいのですが早く達成したい気持ちの方が強くなってしまいました。
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