トムラウシ下山後、再び釧路に戻り泊まる。翌日は釧路湿原、タンチョウヅルの里を見学して阿寒に向かう。1965年に雄阿寒岳に登ったが最高峰の雌阿寒岳には登っていなかったので、雌阿寒温泉登山口から往復してから摩周湖経由で斜里町に向かった。霧の摩周湖と言われるが、私が行くといつも快晴である。この日も晴れていて摩周湖展望台からは登ってきた雌阿寒岳の阿寒三岳が見える。摩周湖越に独立峰の斜里岳が形良く見えていた。
斜里温泉に泊まり、テレビニュースを見ていると、北海道はこの数日は11月中旬並みの寒波で、平地でも氷点下になった所が多かったと伝えていた。
翌朝、斜里駅前のこの付近で1軒だけというコンビニで昼食用の食料を買い、登山口の清岳荘に向かう。駐車場は満車で林道路肩にかなり手前から駐車している。その1番、後方に駐車して出発。
下2段まで一ノ沢を数回、渡渉するが水量が少ないため登山靴で飛び石伝いに行き来できる。下2段上の水場は評判通りうまい水であった。ここから旧道の沢沿いの道を行くが8個の滝が連続している。しかし沢登りするほどでなく滝のしぶきがかかりそうなすぐ横にしっかりした道があるので問題は無い。羽衣の滝、万丈の滝、七重の滝などは見応えがある。
しかし上部の滝は前々日の雪が凍っていて滑りやすく危険な状態で年輩の人、女性グループがかなり苦労していた。
上2段から上は雪がかなり積もっていて滑りやすい。しかし樹林帯から抜けて明るい登りとなり、馬の背までのガレ場の急登もそれほど苦にならなかった。山頂からは快晴の中、大パノラマが展開していた。知床半島が海に長く伸び、羅臼岳は白くなっている。左にオホーツク海、右に太平洋、そして国後島がすぐ目の前に大きく浮かんでいる。野付半島の形状もはっきりと分かる。遠くに雪のかぶった大雪山系、近くに阿寒三岳、摩周湖、屈斜路湖と広がっている。36年前に羅臼岳で今日と同じ展望を一人占めして感激したことを思い出した。
帰りは上2段から新道の熊見峠経由で下る。熊見峠までの尾根はハイ松の明るい尾根で鼻歌の1ツも歌いたくなるような楽しい道である。峠から下2段までの下りはいささか長くてうんざりする。斜里岳は沢の美しさ、明るい尾根歩き、山頂からの展望と山の良さを全て持っているような良い山で好きになった。
中標津空港に向かう途中、摩周湖から湧き出しているという神秘的な神ノ子池を見学、さらに表の展望台と少し違う摩周湖が見られる裏摩周湖展望台に立ち寄る。空港に向かう途中に開陽台の案内板があり寄り道をしてみた。開陽台を知らなかったが北海道らしい広い場所で地平線が330°見回せ、地球が丸いことを実感できる場所であった。
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