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内田樹「街場の憂国論」(晶文社)★★★★★(5点満点)
八木圭一「一千兆円の身代金」(宝島社)★★☆
おまけの、渡辺雄二「食べてはいけないお弁当 食べてもいいお弁当」 大和書房 ★★☆
まず内田さん。内田さんのブログのうち、政治テーマのものをまとめたもの。熱心なブログファンならほとんど記憶に残っているはず。ブログはいずれ消えることもあるので、今回は購入。そして再度読んでみた。
簡単に言えば、脱グローバライゼーションのお話である。いつもお見事と思う。内緒で引用させてもらう。
「グローバリズムとナショナリズムは矛盾しているように見えるが、実際には、これは同じコインの裏表である。国際競争力のあるグローバル企業は『日本経済の旗艦』である。だから一億心を合わせてその企業活動を支援しなければならない。そういう話になっている。そのために国民は低賃金を受け入れ、地域経済の崩壊を受け入れ、英語の社内公用語化を受け入れ、サービス残業を受け容れ、消費増税を受け容れ、TPPによる農林水産業の壊滅を受け容れ、原発再稼働を受け容れるべきだ、と。この本質的に反国民的な要求を国民に『飲ませる』ためには『そうしなければ日本は勝てないのだ』という情緒的な煽りがどうしても必要である。」
*ネトウヨさんも覚醒してほしいもの。うまく煽られているので、気づいていないみたいだけど、煽ってる方はメシウマ状態でしょうね。声高に言われるものとか、スピード感云々とか、そういうタームが出てきたら要注意。そのほとんどは「煽り」ではないかと、まずは眉に唾して一呼吸置くべきでしょう。
「私たちの国で今行われていることは、つづめて言えば『日本の国富を各国(特に米国)の超富裕層の個人資産へ移し替えるプロセス』なのである。」
*日本のトップ層もこの超富裕層のおこぼれをもらいたがっているということだろうな。堤美果さんのルポにもあるが、アメリカの格差社会は凄まじく、他所事ではなくなっている。日本でも貧富の格差はとんでもなく、いまは貧しいもの同士での叩きあいの段階ですね。先富論とかトリクルダウン理論とか、人間の本質を見抜けない理論、というより強者のための御用理論ではないだろうか。
ビジネスの世界は、短期的な利益を求めて右往左往するのはしょうがないこと。生き延びるために様々な方策をとるのが企業の論理であり倫理であっていい。だが、そういう「ビジネスマインド」で全て語ってほしくないなあと思う場面が幾つか。教育でも文化でも芸能でも言語でも、「競争力のないものは退場せよ」のような議論があったりする。「もうかる」話はいいよ。企業のために教育とかがあるんじゃないからね。
経済って儲ける話じゃない。逆に「どうやっていつまでも国民全体を食わせて行くのか」という壮大なお話だ。国民全体をだ。と、下村治は書いていると内田が書いている。
「一千兆円の身代金」2014/01/24第一刷発行
2014「このミス」大賞である。つい本屋さんで手にとってしまった。審査員の茶木さんは「かつてこれほど、共感すべき誘拐犯がいただろうか。受賞作に相応しい、第一級の“憂国”誘拐ミステリー」と評しておられる。大物政治家の孫を誘拐し、日本政府に一千兆円の身代金を要求したグループがいた。「財政赤字と同額の1085兆円を支払うか、さもなくば、巨額財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し、速やかに具体的再建案を示せ」というもの。
1085兆円は払いようがないので、現実には後者を求めているのだが、この要求が「憂国」的ということか。テンポがいいので仕事の合間でもあっという間に読める。結末は途中で予想したとおりだった。新しい本でミステリーだから、あとは書かない。
私の好みとしては推理小説は「このミス」より「文春」のほうが当たりが多いのだが、今回もそういうことになってしまって残念。壮大な身代金と、若い情熱をよしとしよう。大賞賞金1200万円有効に使ってくださいね。
おまけの1冊:
渡辺雄二「食べてはいけないお弁当 食べてもいいお弁当」
この文庫本、50万部売れているとか。何故か。それは実名を挙げているから。セブンイレブン、ローソン、ファミマ、サンクス、ヤマザキ、ほっともっとのお弁当を、見開き2ページで全商品を評価。全てを「食べてはいけない」「食べてもいい」「その中間」と分けている。それぞれの項目の第1ページは、いけない弁当がセブンの「幕の内弁当398」、中間がセブンの「鶏と彩野菜7穀ご飯のお弁当」、食べていいのが松屋「牛めし(並)」(ランキングではない)
写真入りで分かりやすいし、「あ、あれか〜」と「思いあたり率」高し。話のタネにもなりますね。いろんなコンビニ弁当を食べる方は、ご一読あれ。あまり食べない人は部分的立ち読みでもいいかも。筆者が特に問題にしているのは、発色剤の亜硝酸Naという物質です。タラコやソーセージによく使われる。だからこの二つが入っているものは「いけない系」になります。たらこスパゲティとかダメみたいよ、って私が書くのもどうかと思うので、まず自分の目で。「この弁当はどうなんですか」と私にコメントしないように

料理の本は写真がきれいなので、待合室とかでは熟読するけど、この本写真が白黒なのが惜しいね。
*土日出張で、土曜の夜は大雪を見越して仙台市内のビジネスホテルに泊まり万全を期していたのだけど、ひょっこり日曜朝に中止の連絡。車を掘り起こして、止まっている東北道に並行して4号線を北上する。帰宅して今度は車庫の雪かき、玄関までの腿ラッセルとなった。今日は記憶に残る1日。宮城でも40年振りの大雪だとか。腱鞘炎にはならず、腕の筋肉痛で済んだみたい。
反応できるのはおまけの1冊のみ
前2冊はちょっと難しくて
亜硝酸Na、ハム類には必須な感じですね。
入っていないグリーンマークのを買う事が多いですが
ピンク色のハムに慣れていると
なんか古い物に思う人が多いでしょうね。
山の話でなくて、ごめんね
ハム、ソーセージ、タラコ、あたりを結構気にされていますね、この方は。
ただ、セブンも、モスバーガーも褒めておられます。企業の社会責任に対して自覚的な会社も増えてきているという記載もありました。なので、全部否定しているわけではないのです。便利ですしね。私も職場の食堂とコンビニのものを交互に食べてる感じ。外には食いに行けない職場なので。
雪かきは大丈夫でしたか。凄かったですね。
太平洋側の雪はすごいですね
「日本の国富をアメリカの超富裕層へ移し替えるプロセス」・・たとえば規制緩和というフレーズが声高に叫ばれていますが、それがすべての問題を解決するかのようなイメージでとらえられるのもどうかなと思います。具体的にその規制が無くなった暁にはどういうことが待っているのかと。堤未果さんのルポ3部作も必読ですが、日本よりもグローバル化が進んでいると言われる韓国では、自殺した人の数が20年で3倍になっているそうです。知るべきことはたくさんありますね。
今の日本で発言力を増している人たちの言動に、ささやかながら憂国の情をいだいてしまいます。オリンピック選手が勝者を目指すのは当然で、拍手を送りますが、政治家・官僚は「経世済民」を忘れないでもらいたいですね。格差が広がり過ぎると、我慢強い東北人でさえ、いつかデモの頻発地帯になるかも
kamadamさん(も)直球コメントありがとうございます
大雪の日は結構好きなんです。私でも多少世の中の役に立てたりするからね。もっと一杯雪かきしたいんだけど、体力ないんだわ〜
内田さんは、名もなき縁の下の力持ちがやってくれている仕事を「世の中の雪かき」と呼んでいます。後期高齢者になるまでは、私もそのようなことをやっていたい。山は二番目か三番目でいいや
巨大企業も零細企業もあります。頭のいい奴も悪い奴もいます。まじめな奴もずるい奴も。全部ひっくるめて日本を引っ張って行ってほしいね。それくらいの度量がほしいね。給料カットに応じないなら、安い労働力求めて外国に行っちゃうよって、そんな恫喝しないでほしいね。アメリカの真似しないでほしいね。そういう会社のものは買いたくないね。そういう奴には投票したくないね。でも、できるのはそれだけかも・・・
考えると鬱陶しいけど、本当の声が聞こえたら、せめて耳を傾けたいと思います。
*と、間違い。雪かきの話は、内田さんじゃなくて、村上春樹だったかな
私も2時間ほど雪かきしたので、明日は筋肉痛です
駐車場全面を除雪するのは難しいので、せめて圧雪して車が埋もれないようにしたくて、思いついたのが、スキー板で踏み固めること
でも、恥ずかしいのでやめました
私もコンビニはよくお世話になるので、どれが大丈夫なのか、伺おうかと…
2時間!頑張りましたね〜
今日の雪は踏んじゃうと固まって地面にくっつく感じ。金属のスコップじゃないと取れない局面もありました。お昼近くだったので重くなってたしね。じゃ、雪かきのご褒美に、「食べていい」奴を少し
セブンの「ご飯」、「さとうのご飯」、セブンの「赤飯」、オリジンの「ジャンボ手作り北海道産シャケ」
えっと・・・「中間」の奴のほうがいいかな
・・・・・・・書くのが大変なので、Springさんにこの本あげます
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