1枚目写真の右が30年以上使っていたシモンのジャガーです。当時、フランス製のシモンのピッケルはスーパーE,スーパーDなど鍛造、ウッドシャフトの名品で、高価で手が出ませんでした。同じフランス製のシャルレも同様に高価だったのです。せいぜいイタリア製のカシン、インターアルプがそれらより少し安く買えたくらいです。このピッケルはシモンがプレス、溶接、メタルシャフトに路線を変更した最初の頃の製品で、製造コストのせいか割安に購入できるようになりました。初めて持ったときは非常に嬉しかったです。以来、国内外のいろんな場所に御供していました。
1枚目写真左が今回新調したミゾーの「銀河」60cmです。もう登攀的な山行はできなくなったので、こんな良いピッケルの必要はないのですが。
10代の頃、山を自分の意思で登るようになってから、尖鋭的な登攀をしたくて、山岳会の門を叩いた、というよりは強引に門を叩き壊して入会しました。初めて連れて行かれた氷瀑トレーニングのとき、ある先輩がピックに異様な急角度のついた見慣れないバイルを持っていました。いまでこそピックに急角度が付いている氷壁専用の道具はありますが、当時はそんなものありませんでした。そして良く見ると溶接跡やシャフトの金属パイプに巻いたビニールテープなど、あきらかに手作りの様相を示していました。さらにバイルと思ってたのですが、ピッケルとして作ったのに、ブレード部分が溶接が折れて無くなったとのことでした。それでガンガン氷瀑を登る姿はとても凄かったと記憶しています。こんなものを自分で作ってしまうなんて、なんてすごい人だろうと驚きました。その先輩が今回購入したピッケルの製作者です。その後、彼も海外へ行ったり、自分も地方に行って、会も自然退会したようになり接点はなくなりましたが、数年前にピッケルを製造販売していることを知り、いつかは購入してみたいと思っていました。恥ずかしながら消費税増税が背中を押したことも否定できません。
雪が消える前に岩手山で使ってみました。いままで使っていたシモンは55cmでミゾーよりは短いのに、持ってみるとミゾーの方が軽いです。チタンを使っているせいでしょうか。本体の厚みもミゾーの方が薄いようです。バリエーションルートだったので、頂上の御鉢に出る最後の数メートルが雪壁状態でした。ピックを打ち込んでも雪が軟らかくて支えてくれないので、ブレードを打ち込んで突破しました。忘れていた快感が呼びさまされたようです。
2枚目はミゾーのアップです。ピックの根元にドジョウ(?)の刻印があります。なかなか愛嬌がありますね。昔、彼のザックかなにかにもこの絵が書いてあったような気がします。彼の顔が似てたから?なんて失礼なこと書いて申し訳ありません。この刻印をもっと良く見たい方はミゾーの製品を購入しましょう。
早速、購入なさいましたね。
手触り肌触りは如何ですか。
続く詳しい使用感のご報告が楽しみです。ren
ainakarenさん、コメント有り難うございます。
renさんの日記も購入動機になりました。
昔の鍛造品とは質感は違いますが、機能性は良さそうです。
あとはなによりも思い出が一番の一品になると思います。
ありがとうございました。
こんばんは。
ミゾーという製品は初めて知りました。写真で見ると無骨そうで強そうです。
私は、学生時代に使っていた門田のピッケルがあったのですが、後輩に貸したらどこかに行ってしまいました。国内の多くの冬登攀に使い、海外遠征でも使い、当然愛着があり、一時山を止めていた時期でも部屋の隅にそっと置いてあったのですが、どこを探しても、誰に聞いても分かりません。残念です。
で、今使っているのは、もう先鋭的な登攀はやらないので、ICI石井で大量に売られていたものの一つです。仕事場でこの文章書いていますので、どこの製品だかここでは分かりませんが、さほど不便ないのでつかっています。
けど、年取ってくると、いろんなものが気にならないというか、こだわりが無くなって来ている事を感じます。登山道具も然りです。
でも、ミゾーのピッケル、一度見てみますね。
パミールさん、またコメントありがとうございました。
門田を使っていたとは凄いですね。でもそれが行方不明とは非常に残念です。
国産ピッケルでは門田、山内、二村、梶田が有名でした。でも私が山を始めた頃には、もう鍛造品は手に入りにくくなっていました。
早池峰山麓の大迫町がまだ花巻市と合併していなかった頃、館長いわく「世界一小さい町立山岳博物館」がありました。そこに門田のピッケルが収蔵されていました。花巻市に合併後、閉館されてしまいましたが、あの門田はどうなったのだろうと気になっています。その山岳博物館の蔵書も古い貴重なものがあり、もう少し近ければ毎週読みに通ったのに、と思ったものです。
私もいわゆる登攀は出来そうもないので、古いシモンで不自由はなかったです。でもミゾーの存在を知ってからは気になっていたので、増税前に思い切って購入したという訳です。
この間の岩手山ではレコには書かなかったんですが、最後数メートルの雪壁を越えたときに、もしかしてまだ俺って現役?みたいなやばい感覚がよみがえってきました。下りではそこは使えないので下降点を探していたら、数十メートル離れた絶妙なところに踏み跡らしきものを発見。さすがパミールさんですね。確実なルートをとられていますね。おかげで楽に降りることができました。やはり現役復帰はできそうもないです。
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