登る際の打点／力点について

慣性の話のついでにもう一つ気付いたこと。以下、脚と足を明示的に使い分けます。

テニスをやっていると打点を少し前方にすることでより強い力をボールに加えることができます。これと同じように山に登る際、脚がどういう角度になったときに力を入れる、そういう打点というか力点をどうするかによって登る際に必要な力が変わることにも気づきました。実際にデジタルに測定した訳ではないので、あくまでもそういう気がするというもの。
特に段差の大きなステップや斜面を登る際、前脚を上部に接地させ、重心を前脚に移動させます。この時、前脚の膝角を固定したようにし、固定することだけに力を使う（慣れると力を使うという意識がなくなるけど）。前の投稿に書いた通り、「慣性」だけを働かせて、重心を前に移動させる。このとき、変に力を加えず、追加的な筋力も使わない。
そして、肝心なのがここ。慣性を働かせて移動した重心が、地面に接地している足の上を通り過ぎたあと、つまり重心が接地点よりも前方になったあとに脚に力を入れ上方に上がる。これを意識するようになってから、登るのが非常に楽になりました。
逆に言えば、足の接地点よりも後ろに重心がある状態で脚に力を入れて登っていた間は非常に疲れました（ということに後から気付いた）。当たり前と言えば当たり前で、重心を前に移動させる動きにも筋力を使わなければならない分が余計だから。数時間の登山で言えば何千回とムダを組み込んでいるので疲れるのは当たり前です。

重心移動の最中、不適切なタイミングで力を使うというのは、どちらかというと、ブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるのかも知れません。イメージとしてはニワトリやハトが頭を前後させながら歩くような感じ。それを体全体でやってしまい、進んだり止まったりを繰り返す。それで疲れるのは当たり前で、そうではなく、自分自身を上から見たときに、頭の移動が等速で進むように見える。そういうイメージを持って慣性を効かせるという感じでしょうか。

慣性を使った重心移動は、片脚で立ち続けられるバランス感覚が必須になるので、前の投稿と合わせて見て頂けると、わたしの気付きを理解頂けるかも知れません。
ちなみに、これに気付いてから急登とか斜面の角度がどうとか、あまり気にならなくなりました。力の入れ方は斜面の緩急では変わらないからです。

繰り返しになりますが、これは正しいとか正しくないとかではなく、単なる気付きであり、それ以上でもそれ以下でもありません。その上で何か「こうしたらもっと良い」とか「わたしはこうしてるよ！」とかありましたら教えて頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。