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富国強兵と横田家の悲惨（の項寄り一部抜粋）
祖父は甲州流の軍学の師範を致しました人であります。常々富国強兵と申して、何ほど兵が沢 山あっても国が富まねば強い兵を仕立てることが出来ぬと申しましたとのことでありました。
「何地へ参って見ても、湊（みなと）のある所船の出入のある所でなけ れば国が富んでは居らぬ」と申しまして、幸い松代には千曲川があるから、これを利用して、越後の大滝を切割り、物産を交換致したなら、土地も繁昌致すであろう。
それより大滝へ出張致しまして、いよいよ工事にかかりますと、堅き岩のことでありますから 鶴嘴（つるはし）一打にお煎餅せんべい位岩が欠けます位(只今ならダイナマイトでも用いますれば訳はありませぬ が)、人夫を沢山使役致しましても中々はかどりません。
どうやらこうやら不完全ながら船の通るようになりまし たところから、初通船に彼の地(越後)の産物を満載して、芝浦と申す松代より二里の(千曲川の 内の名)所へ帆掛船が着致します日は、松代公も殊の外お喜びになりまして、菱のお茶屋(信玄公のお茶屋、武田菱の御紋が付いて居りますので。一名昭植のお茶屋)へお出ましになりまして、遠目鏡で御覧になりましたとのことで、横田家一族の喜びは申すまでもなく、同志の人々もこの位喜ん だことはないとのことであります。それで持参りましたところの産物は、松代公に献上致しまし たり、また親族知己へも遣わしたり致しまして、これより追々通船の数を増すごとに土地も繁昌致すであろうと喜び勇んで居りますと、徳川から「大滝通船差止メ」と申渡されました。一同の 驚きはいかばかり、とても筆にも口にも尽されませぬ。
このよう になりましては力に及びませぬ。それでも手に手を尽しました様子でありますが、徳川は松代の繁昌をごく嫌いますところ、謀叛（むほん）でも企てはせぬかとの疑いからでありましょう。
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以上の（抜粋は）お英ちゃんが、家族等より伝聞し書き記した亡き叔父の千曲川水運の業績である。
※叔父が亡くなったため横田家は養子をとる。その養子こそが英ちゃんの父親・数馬氏である
上記の文章によると、江戸時代までの物流は湊から湊への海運が主体で、陸の街道は輸送キャパが小さかったことが解る。
さらに海運の難所は切り通してしまえということが書かれている。
”越後の大滝を切割り”＝英ちゃんの叔父さんが開削した千曲川の難所。。
こりゃ行くっきゃないぜ!!
検索すれば現地は長野から飯田線（とお("・∀・)ｲｲ!!）、しかも西大滝ダムという水溜りが建設され、切り割りがダム湖水没している可能性も大である。
出撃はもう少し調べてから。
写真1 千曲川の難所・大滝はダムの底??
写真2 今でも養蚕農家は健在（群馬県富岡市）
写真3 英ちゃんは信州・松代の出身。富岡からの帰郷は人力車で
越後の大滝を切割り＞＞＞って気になります。
調べて見られそうならまた発表してくださいませ。
夏前に名古屋滞在の時のこと、
長篠の鮎滝ってのがあって、鮎がぴょんぴょん飛び跳ねて遡上する
それを伝統的な網漁で捕まえるらしいのですが、
その滝も江戸時代に上流の木を効率的に流せるように
切り割ったそうで、、、先人の知恵が感じられるところ。好きです。
越後の大滝を切割り、、
・・富岡日記には”書き手もおいら”も感嘆の連続ですがまさか千曲川を切通していたとはね
※徳川差し止めの後・明治政権になり再び船便が開通したらしい
やまねさんのコメントにある鮎滝は、船の開通ではなく木材の流通、、筏を組んで流せるような大河ではないようですね。
山の切通しは良く出会いますが川にも切通しが、、的で驚きました
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