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鶯（うぐいす）が鳴くか鳴かないか、、梅のほのかな香り、、霞が立つまでもなく遠方まで見える景色、、春雨の艶
春本番前の微妙な季節感
どこかに書いたが気象予報士にとっての春＝”春本番”でなければいけないらしい。
立春後の寒さは”寒の戻り・余寒・春寒・春雷”などの日本語があるのに、
真冬の寒さとか冬に逆戻り、冬の雨などと意味不明な表現をしているために、私を含めて美しい日本語抹殺され、揚げ句・日の出前はすべて”未明”と纏められる乱暴さ。
同僚数名に訪ねれば”春雨＝食材”となる始末
さて心を静かにしｗ
Honoca選 早春の九句 を紹介します
むめ一輪一りんほどのあたゝかさ 服部嵐雪
（むめいちりんいちりんほどのあたたかさ はっとりらんせつ）
昃れば春水の心あともどり 星野立子
（ひかげればしゅんすいのこころあともどり ほしのたつこ）
立春や月の兎も耳立てゝ 星野椿
（りっしゅんやつきのうさぎもみみたてて ほしのつばき）
いきいきと三月生る雲の奥 飯田龍太
（いきいきとさんがつうまるくものおく いいだりゅうた）
女神仏に春剥落のつづきをり 細見綾子
（にょしんぶつにはるはくらくのつづきおり ほそみあやこ）
春は曙そろそろ帰ってくれないか 櫂未知子
（はるはあけぼのそろそろかえってくれないか かいみちこ）
もろヽの木に降る春の霙かな 原石鼎
（もろもろのきにふるはるのみぞれかな はらせきてい）
明けぼのやしら魚しろきこと一寸 松尾芭蕉
（あけぼのやしらうおしろきこといっすん まつおばしょう）
花あれば西行の日と思ふべし 角川源義
（はなあればさいぎょうのひとおもふべし かどかわげんよし）
ほのかの早春句から九句選
曙を初音が裂いてまた静か
枝の日に枝の寄り合う受難節
・旗振り中児童をかばい死亡 三原董充（ただみつ）さんへ
董すとはパパ頑張れの声であり黄泉の国にも旗振りありき
足元を野良がくるりと冬終わる
・Aチャンネルのナギへ
今日は晴れ凪の駅にはスイートピー
・富戸の駐車場から転落した女性ダイバーへ
なき方やさざ波淡くさくら貝
立春や長く短い初音待ち
梅香る吊るしひいなをくぐる時
鑑賞は、
まず季語を探してみよう。
桂句ならば探さずとも季語が飛び込んで来る筈で
なにしろ詠み手は季語を疎かにしていないのであたりまえである。
次に映像。ですが鮮明な映像でなくとも結構。
そもそも”季語＝映像”であるのですが、前述のように気象予報士がぶちこわしを繰り返しているので、例えば春雨の本懐が失われつつある。
季語は俳句作句のために生まれたものではなく日本の心ですから
（写真1）早桜と大島
（写真2）斑雪
（写真3）稲取の吊るし雛
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