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2022年10月09日 06:49登山の反省全体に公開

便利な道具は時として人の感覚を鈍らせる(場合もある)

本日の日記は、昨日の山行での『ルートミス頻発』の反省が主題です。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4762918.html

最初に誤解のないよう申し上げておきますが
私としてはGPSは道迷い遭難対策に絶大な効果を発揮するので是非使用しましょうというスタンスです。
本日記はGPSを使ってもなおルートミスが頻発したのは何故か?
という私自身の技量と登山の在り方についての反省を綴った日記になりますので
GPSやアプリを否定したり批判する意図は全くありませんことご理解頂ければ幸いです。



事の発端は昨日の山行にて
GPS(ヤマレコアプリ)を使ってもなお計4度に渡ってルートミスをしたことです。
まず結論から率直に申し上げますと、今回の山行でルートミスを頻発した原因は

『現在地の認識不足』です。

いや、当たり前のことをドヤ顔で言って申し訳ないw
しかしGPS使っているのに何で?という話なんですが
GPSは『見れば瞬間的に正確な現在地を確認できる』道具です。
逆に言えば見ない限り現在地はわかりません(当たり前)
この『見ていない時』に何をどう認識しているかが結構重要で
私はどうやらGPSと紙の地図とでは意識に明確な違いがあるように感じました。

具体的には紙の地図の場合
ルートを外してしまった時には再度自分の現在地を特定する作業が必要です。
地形的特徴や目標物がない場所では現在地の特定が非常に厄介ですし、
そもそも登山道から外れてしまっている場合特定は困難を極めます。
ですから心理的には『絶対にルートから外れたくない』と感じています。
故に、地図を開いていない時でも、自分は地図上のどの位置をどの方向を向いて歩いている
といった現在地を常に頭で認識しながら歩いています。

一方GPSの場合
仮にルートを外してしまってもGPSが生きている限りリカバリーは容易です。
登山道とは全く違う場所に紛れ込んだとしても
GPSを見ながら歩けば、いとも簡単に登山道へ復帰することが出来ますので
ルートから外れる事自体は地図の時ほど問題にはなりません。
そして便利なことに、外れたら外れたでアプリが警告してくれます。
ですから心理的には『ルート外れたらその時考えればいいや』と多少なりとも感じています。

地図であれGPSであれルートを外さない前提で歩いてはいますし
見ない事には現在地を確認できないことに違いはありませんが
『外れるとヤバい』と思っているか『外れても大丈夫』と思っているかでは
得られる結果は自ずと違ったものになるのも頷けます。



ただ、GPS(ヤマレコアプリ)を使い始めたのは今回が初めてではありません。
使い始めて半年、ルートミスなんてほとんどやらかしてきておりません。
ですから今回に限って何度もルートを外したのには他にも原因があるはずです。
そこで思ったのが『単独行』であったということ。
私は基本的に妻や誰かと登る事が大半で、最後に単独で山に登ったのは実に9年近く前です。
当然GPSを使っての単独行は今回が初でした。
今冷静になって昨日の山行と普段の山行を比較すると、不思議なことに私は

『同行者がいない時の方が安全管理に無頓着』

という事実が浮き彫りとなりました。
普段の私と妻の歩き方のリズムを思い出しますと
まず基本は私が先頭を歩き、比較的ペースの速い私と妻との間が少し開くタイミングがあります。
ズバリ私は妻が追い付くまでの時間を利用して周囲を見渡した上で地図やアプリを確認
現在地を認識する作業をほぼ無意識に行っていました。
これは山行全体で見ればかなり高い頻度で行っている計算になります。
これまで全く自覚なくやっていたので、こうして振り返るまで気づきませんでした。
今回単独で歩いた1日を思い返すと、この作業ほとんどやってません。
そればかりか、自分の感覚に頼って確認もせずルートへ踏み出す状況も散見されました。
つまり私の特性を慎重さのパラメーターで表した場合

誰かと登る【慎重+】
単独で登る【慎重−】
地図を使う【慎重+】
GPSを使う【慎重−】

今回の山行は単独でのGPS山行だったため【慎重−−】となり
全体的に慎重さを欠いたというのが問題の本質である、との結論に達しました。
本来は単独の時にこそ慎重であるべきです。
これは私自身の問題として大いに反省する必要がありそうですね。


冒頭でも書いた通り、GPSやアプリを否定したり批判する意図は全くありません。
GPSは間違いなく使った方が良いです。
しかしGPSがあることによる安心感を当たり前のように享受していると
本来持つべき緊張感まで失ってしまうこともあるのか…と今回学びました。
私の場合は特に単独行の時は気を付けなければいけませんね。



中央分水嶺トレイル 逆回り(美ヶ原〜和田峠1WAY)(単独)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4762918.html

※写真1枚目
思考停止した状態で看板の方向と明瞭な道に誘われて右にルートミス

※写真2枚目
車道右側から登山道へ繋がるはずが、地図を確認せず車道左側を歩いてルートミス

※写真3枚目
左の草むらが正規ルートですが、明瞭な道に誘われて右にルートミス
ここの場合は正規ルートが道と呼べるものではないので無理っちゃ無理
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コメント

こんにちは。
道迷いは無い方がいいですが、大事に至らずよかったです。興味深い振り返り、参考になります。ありがとうございます。

自分のルートを頭の中に描きながら歩くのか、そうでないのか、に大きな差があるのではないかということかと思いますが、その通りだと思います。

車でカーナビを使うことで、わたしは道を覚えなくなりました。でも道路で遭難は無いので深く考えていません。山行では、ほとんどはデジタルマップ利用ですが、必要な時(道、尾根、谷の分岐は代表的な確認ポイント)にいつでも現在地を把握できるようにしています。そのためには、あらかじめルートにある地形などの情報を頭に入れておく作業が必要になります。先読みですね。

実際には現在地が歴然のアプリで確認しますから、答え合わせに過ぎません。そして、ほとんどの場合、事前想定していなくても大事に至りません。が、一見不要にも思われる作業が将来身を守ることに繋がりますし、事前準備が大切な山歩きの作業のひとつとも考えられます。

それに、地形を想像して山のどこにいるのか分かりながら歩いたり、周りの地形を楽しむのも、眺望や花などとともに山歩きの醍醐味のひとつなのだと思っています。

でも、事前読み込みは、面倒なんだとは思います。わたしにとってのレインウェア着脱のように、見えやすく分かりやすい面倒くささとは異なりますけど。

長文失礼しました。
2022/10/10 6:57
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1
Sheilasさん、コメントありがとうございます。

まさしく仰る通りカーナビと同じ理屈だと思います。
頭の中に道順を描かずとも目的地にたどり着けるのがカーナビの良い所ですが
それ故に次に同じ道を辿ってもさっぱり覚えていない。
今回の私の山行は、GPSをナビ代わりに使ったのが最大の反省点だったと思います。
わかりやすい言葉でまとめていただいてありがとうございます。

やはり紙の地図であれGPSであれ、自分の頭の中で地形図を認識し、あくまでも地図やGPSはそれを確認する為のツールとするのが良いのでしょうね。
今回はルートの下調べも十分とは言えなかったのも良くなかった。
単独の時こそきちんとすべきであると学べたのが、今回の反省であり収穫だったと思います。

ただ『頭空っぽのほうが夢詰め込める』じゃありませんけど、道や工程、CTや日程などに神経を割かれることなくな〜んも考えずに歩いている人の方がシンプルに山を満喫できているのかも?とも思ってしまいました。
単独行やパーティー山行のリーダー格の人はそれやっちゃダメなんでしょうけどね。
私は普段妻と山に登る時はリーダー役で、常に気を張って歩いているので、たまには役割交代して純粋に山を楽しむだけの山行もしてみたいなぁと思った次第です。
2022/10/10 10:50
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2
こんにちは

とにかく便利な道具が開発続ける今日この頃です。
私もそれらを全面否定する者ではありませんがいつも、それが本当に必要なものか、その便利さの為に自分は何を失うのかって事を考えます。

 そういった対応ならば頼り切るのではなく、あくまでも補助的なものととらえ補助的な使用にとどまると思います。
人間力と言いますか、主体はいつも自分でありたいですね。
2023/9/3 19:02
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2
toromaniさん、こんばんは!
コメントありがとうございます(*'▽')

わざわざお読みいただいてありがとうございます。
便利であるがゆえに得られるもの、失われるもの。
それらをよくよく理解した上で道具は使いたいものですね。

スマホなんか良い例で、人間がスマホ使ってるんだか、スマホに生活を支配されてるんだかもはやわかんない状態の人も多い印象です。
仰る通り主体はあくまでも自分でないと、本当に自分を見失ってしまいそうです。
2023/9/3 20:27
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