遡る事28年前、高校1年の夏。
当時入りたての山岳部の先輩から資料を渡され、ミーティングの始まりです。
目的地は北アルプス、そこだけは当時の自分の知識でもなんとなくわかりました。
『鏡平』『双六』『三俣』『鷲羽』『高天原』
聞いたことのない地名が飛び交い、見た事のない地図が目の前に広がります。
一体自分はどこに行くんだ?3泊4日の山行?一体何が待ち受けているんだ。
不安もありましたが、未知に対するワクワクがそれを圧倒的に凌駕していました。
初日は鏡平山荘という山小屋に宿泊です。
テントを担いできたのに何で山小屋なのか?という疑問はありましたが
『全ての山小屋でテントが張れるわけではない』という常識をこの時知りました。
景色はというと、目の前には写真でしか見た事のなかった槍ヶ岳が聳え立ち。
夕焼けに染まるその姿は圧巻の一言でした。
晩御飯は自炊のカレー。
調理スペースがなく、トイレの横で調理したのは今でも忘れられない思い出です。
2日目は双六という変わった名前の小屋をスルーし、三俣というところまで行くようです。
途中チラチラと存在感のある山が視界に入ってきます。疑問に思っていると先生が
『あれが鷲羽だ。体力残ってたらこの後登ろうな』
なるほど、この後テントを張ったら希望者募って山頂を往復するわけですね。
自分は当然志願しました。
そして山頂からの景色に衝撃を受けることになります。
『こんなに山深い場所が日本にあるのか…』
そこからの景色はまさしく秘境。自分はとんでもないところに来てしまった。
360度、見渡す限りの山、山、山、まさに大自然山岳ど真ん中。
街など影も形も見えず、どこまでも山が無限に続いていくかのように思える非現実的な景色。
そして何だ、あの眼下に見える湖は。美しい以外の形容詞が全く思い浮かばない。
この時の衝撃を忘れずにいたからこそ今の私があるのです。
3日目はなんと温泉に入るとのこと。山の中で温泉ですってよ?
これも行きたい人、行ける体力の残ってる人のみ。
当時5名の女子部員がいましたが、1年生の4名は辞退しました。まぁ思春期ですし。
後に『あの時何故温泉行かなかったのか、本当に悔やまれる』とは本人談。
温泉は河原に石で囲った湯船がドン、以上。ワイルドが過ぎるだろうw
もうね、何だろう、滅茶苦茶気持ちいい以外の感想が出てこない。
てか何やってんだ?3日間山歩いて今温泉に浸かっている、これ現実ですか?
もう色々ありすぎてわけがわからない。
縦走ってスゲーな、こんなんが普通なんかと思ってましたが全然普通じゃありませんでした。
ちなみにこの日のテントは双六小屋。
干したタオルのせいでテント内は硫黄臭全開、臭すぎ、そこまでが様式美。
そして、そんな思い出を胸に、4日目には無事下山しました。
私にとって『縦走』とは
『鷲羽』であり『高天原』であり『普通じゃねぇスゲーこと』なのです。
それが私の心の原風景。
あれから28年。2023年になってようやく当時の足取りを辿ることが出来ました。
当時の山行を完全再現したわけではありませんが
足取りは比較的忠実に再現することが出来たと思います。
社会人になり、山を再開しておよそ15年。
当時から自分に課していた宿題を一段落させた、そんな気分です。
山行記録:高天原温泉 三俣ベースで温泉を満喫+鷲羽池 (新穂高〜テント泊)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5848660.html
そうですか、あっきーさんにとっては
今回の山行は楽しかった思い出を再現する為の宿題だったわけですね
28年前に見た景色はどんなんだったか?
今回も同じように感じられるだろうか?って
分かる気がします
あっきーさん、かなりのロマンチストなんじゃないかと思います
コメントありがとうございます(*'▽')
15年前に妻と一緒に登山を再開した時、学生時代の記憶と地名や単語を繋ぎ合わせて今回のルートは頭の中に再現できていたんです。
しかし本格的に登山をするにあたり、学生当時先輩や先生におんぶ抱っこでお客様登山だったのが大きな反省としてあって、いつか一人前になったらこのルートを自力で辿ると決めてから15年が経ちましたw
ひとつの区切りではあったと思います♪
以前日記にも書きましたが、やはり初見の衝撃に勝る感動はなかなかありませんが、28年経った今は今でまた見える景色は当然違いましたね。
当時の思い出は私の中にしかありませんが、それを近い形で妻と共有できたのはとても有意義だったと思います(*'▽')
↑junbaderさんがロマンチストと仰るのは多分こういうところなんですかねw
記録の詳細さとご夫婦山行のご様子が魅力的でフォローさせて頂きました。
私の方もフォローしてくださりありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
若かりし頃の満ち足りた縦走の思い出を奥さまと共有される様になぞったのでしょうか。
とても素敵です?
コメントありがとうございます(*'▽')
こちらこそフォローありがとうございます♪
レコにしても日記にしても、私の場合バカほど文字数が多いので、合わない人には徹底的に合わないと思いますが、気に入っていただけたなら嬉しいです。
山の魅力を語るにあたり、これらのエピソードは耳にタコができるくらい語ってしまったもんですから、そりゃ妻も行きたくなりますよねw
今回共有できて良かったです。ひとつの区切りになりました♪
素敵ですの後ろが文字化けしたみたいで?になりました。
素敵ですキラキラです。
断言です。
活字読むのは好きですし、詳細さはいざ自分が行こうって時にとても助かります。
私も頑張ってみようと記してますが、読めても記載するのは大変です…。
コメントありがとうございます(*'▽')
大丈夫ですよ♪多分文字化けしてるんだろうなと解釈してました。
絵文字たまにおかしくなりますよねw
私の場合道中で撮影している時点でこの写真にはどんなコメント入れて全体をどんな構成にしようかとか、これはネタになるとか考えているので、いざレコ作るときは楽なんですが…
↑これつまりは山に集中できていないという話なので、一長一短です。
行雲流水さんのレコいくつか拝見させていただいてますが、写真ひとつひとつがお綺麗なので文字無くてもスッキリ見れて、今くらいでも私は好きですよ。
私にやつは文字の圧が過ぎるのでw
おはようございます。
自分が役に立つのだから…と頑張ってはみるものの無理は続きませんのもわかっているので、マイペースにやっていきます。
お言葉、励みになりました。
あっきーさんが、まだハイハイしていた1982年
初めて北アルプスに行った時は、女子大生でした
東京の女子大生は、『雲の平』と言う響きに惹かれ、初日の台風もなんのその
わさび平〜雲の平〜折立への縦走を20kgのキスリング背負って歩きました
私にとっても、この夏合宿が山の原点です
コメントありがとうございます(*'▽')
私の同級生世代の女子高生はルーズソックスに短スカートの所謂ギャルでして、前述の通り『お風呂なんて恥ずかしいワ』ってな感じでしたw
まぁ山岳部入るだけまだ気合の入った娘たちとも言えますが…
うん、根本的に鍛え方が違いますなw
時代もありましょうが、やっぱ大学生ともなるとハードですね。
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