針ノ木岳を反時計回りで周回し、大沢小屋〜舗装路手前の間を歩いていた時のことです。
ガサガサパキパキという音がしたので「先行している登山者かな」と思いそのまま歩き始めた時、ふと違和感を覚えました。
登山道は石が多く、枯れ木や枯れ枝があまり落ちていません。自分が歩いていても枝を踏んだ感覚はなく、少しも「パキパキ」と音がしないのです。なら、あの音は登山道から外れたところを何かが歩いている音?ということは野生動物?
すると、ふたたびガサガサパキパキ音がして、その中から「マ゛ー」という低い音、「ミャー」という甲高い子猫のような鳴き声が聞こえました。鹿や猿の鳴き声は聞いたことがありますがどちらも違う。カモシカやイノシシの鳴き声は知りませんがたぶん違う。
自分の進行方向が0時だとすると、11時方向(左前方)と8時方向(左後方)、少なくとも2箇所から音がして、少し近づいてくる感じです。気のせいでなければもう1箇所音がした気がします。
姿が見えないので確信は持てませんが、熊だったら背を見せて逃げるのは危険と聞きました。音が聞こえる方向に体を向けながら(と言っても、自分を囲むように音がしていたので完全に背を向けずに歩くのは困難)扇沢方面に歩き、近づいてくる感じがしなくなったあたりで早足で登山道を下りました。
帰宅して「熊の鳴き声」で検索したら動画がいくつか見つかり、そこで紹介されていた熊の鳴き声は「ミャー」という猫のような鳴き声で、自分が聞いたものと全く同じものでした。ゾッとしました。薮で姿が見えず距離感がわからない状況で、こちらを認識しても逃げず近づいてくるなんて。どう動くのが正解だったのか、今でもわかりません。
ちなみに、種池山荘手前で「山荘付近で熊が出没しています」という警告看板を見て、ずっと熊鈴を付けて歩いていました。かなり響く熊鈴ですが、今回熊は逃げてくれませんでした。この一例をもって「熊鈴は効果が無い」とするつもりはありませんしこれからも付けて歩きますが、熊鈴が効かない事例もあるという勉強になりました。
【以下追記】
動画全て視聴すると、意外にも「マ゛ー」という野太い声が子熊、「ミャー」という甲高い声が母熊のようでした。ということは、私が遭遇したのは子連れ熊で、子熊を守るために人を襲う可能性があったということなのでしょう。熊には申し訳ないけど、ほんと怖い。
山で「モー(牛)」「ミャー(猫)」という鳴き声を聞いたら超警戒ですね、山中に牛も猫もいるはずない=母子熊が近くにいる、ということです。
「針ノ木岳 熊」で検索したら目撃情報がたくさん見つかり、しっかり下調べしなかったことを反省しました。小屋付近どころか、稜線のハイマツ帯や鳴沢岳山頂(標高2641m)にまで現れていたようなのです。森林限界越えたら熊は出ないと思っていましたが、考えを改めなければいけないようです。
同時に、これまで熊はいないとされてきた山域でもセオリーが通用しないということかもしれません。意識をアップデートし、いつ何時も熊と遭遇し得ると考えたほうがよさそうです。
柏原新道も登山口近くからケルンあたりまで強烈なケモノ臭が漂っていたので、この一帯を歩くときは警戒レベルを上げなければいけませんね。
私も8月の終わり頃に蓮華岳から下山して扇沢まであと10分ぐらいの舗装路と交差する辺りで15mぐらいの距離で熊と遭遇しました。熊鈴鳴らしてたけど前方から突如登山道に飛び出してきました。背を向けてはダメと言うけど驚いて顔は熊を見ながら思いっきり背を向けてました😅幸い熊も驚いて逃げてくれたから助かりましたがしばらくは笛吹いたり火薬鉄砲鳴らしたりしてオロオロしてました😆
私が遭遇した状況は、熊は藪の中で姿が見えませんでしたが、ほぼ同じ場所で遭遇されているのですね…。
私は熊対策としては熊鈴を鳴らすことしかできておりませんでしたが、takurioさんのように笛や火薬鉄砲など複数の手段を持っていた方がよいのでしょうね。
大変参考になりました、ありがとうございます🙇♀️
山に立ち入る以上、熊は避けて通れない課題ですね。記事を拝見し、dosukoiさんの体験(熊であろう獣にはさまれる)を自分に置き換え、自分ならどう動いたか?冷静に動けるか?等々色々考えました。
今はどんな山に入るときも熊スプレーを必ず携帯します。私にとっては水分同等の必須アイテム。きっかけとなった山行が針ノ木サーキット(反時計回り)、大沢小屋をすぎたあたりで子熊と遭遇したことでした。
とある山行で私の熊スプレーに目をやり「戦う気かよ」と見知らぬ方に笑われた事があります。殺られちまえと思いましたが冷静を装いました(笑)
戦うつもりなどさらさらなく、まずは会わない対策、それでも会ってしまった対策等色々あっての最終手段。冷静に動ける為の「心の杖」として携帯しています。
ヤマレコ社長まとやんさんの動画でも熊の事あがっていました!なかなか面白ろかったです。無事の下山何よりです。
お疲れ様でした!
takurioさんの状況もそうですが、imoimokoさんもほぼ同じ場所で遭遇されているのですね、驚きました!
恥ずかしながら、私も熊スプレーについては使う状況が想像出来ず、どこか現実離れした感覚でした。
今回初めて熊に肉薄して、現実的に熊スプレーが必要になるケースがありうることを実感しました。
また、熊に対して確実に有効な手段が無い以上、熊スプレーを含む複数の対策を用意しておくべきなのでしょうね。
まとやんさんの動画、見てみます。大変参考になりました、ありがとうございます🙇♀️
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