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2017年09月24日 20:44大塚山全体に公開

大塚山の井戸のなぞ その1

東京都青梅市と西多摩郡奥多摩町の境に大塚山という山がある。
この山頂に井戸がある。
前々からなぜ井戸があるのかとても気になっていた。

ヤマレコユーザー様に教えていただいた本に気になる記述を見つけた。
松浦隆康さんが書かれた『新バリエーションハイキング』である。

p52
「大塚山北面の支尾根」に「昭和初期には、大塚山頂には東京府営の笹鳴小屋、北寄りには茶屋があった」

大塚山山頂に山小屋があったのか
この山小屋で使われていた井戸だったのかなあ

という訳で,都立中央図書館に行って調べてみることにした。
都立中央図書館の1階に「都市・東京情報コーナー」がある。
東京都に関する資料はかなりそろっているのでおすすめである。

まず、『東京府史』をざっと見たがめぼしい情報はなかった。

手ずまりだなあと思って、「都市・東京情報コーナー」の都市計画のコーナーを見ていると、真田純子さんが書かれた『都市の緑はどうあるべきか -東京緑地計画の考察から-』を見つけた。「第二章 景園地計画」という章にキーワードを発見。「東京緑地計画」である。蔵書検索で「東京緑地計画」を入力すると、34件ヒットした。
『東京緑地計画概要』
『東京緑地計画協議会決定事項集録』
「公園緑地」3巻2・3号(雑誌)
この3冊をお借りした。
『東京緑地計画概要』東京府土木部土木庶務課編・発行に記述があった。
「五、観光事業補助施設 (三)観光事業補助施設」の「ロ、大塚山休憩所(大塚小屋)」
小屋の写真も掲載されていた。「西多摩郡三田村御嶽山富士ケ峰地内」にあったそうだ。富士ケ峰地内というと、富士峰園地のことかなあ?
大塚山山頂の写真も2点ほどあったが、小屋は見当たらないような……
山頂手前の大塚山園地休憩所の所にあったのかなあ?
今のところ山小屋の場所の特定は出来ていない。

「東京緑地計画」の中に「景園地計画」というものがあった。「景園地計画」とは、1932年に立てられた、神奈川県、東京府、埼玉県、千葉県の4府県の37箇所にレクリエーションを目的とした風景地を整備する計画のことであった。「一四 御嶽景園地」が御岳山域の景園地整備計画の名称だ。「公園緑地」3巻2・3号には「御嶽景園地日ノ出山展望場」の写真(p14)もある。
先の『東京緑地計画概要』の「四、緑地計画事業 (二)緑地計画事業景園地施設」の「一、御嶽景園地自然公園一部施設」に「御嶽景園地自然公園一部施設大体計画図」には展望場として、大塚山、富士峰、長尾平、日の出山、ロックガーデンのあたり、上高岩、中高岩、下高岩が記載されていた。現在も私たちを楽しませてくれる一連の展望地はこの計画に基づいて作られたことがわかった。

いろんなことがわかっておもしろい一日であったが、肝心の井戸の謎は解けていない

写真は
左:大塚山山頂井戸
中:大塚山休憩所(大塚小屋)
右:御嶽山景園地(大塚山展望所ヨリ奥多摩を望ム)
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