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著者: 西村淳
■あらすじ■
ウィルスの生存すらも許されない、標高3800m、平均気温マイナス57℃の南極・ドーム基地。
そこで一年間越冬した9人のオッサンたちの越冬生活を、面白おかしくつづった南極日記。
■感想■
とても面白かったです。冒頭5ページあたりで出くわす「これは血の雨降るワ」にやられて南極の世界にひきずりこまれました。著者の語り口が面白く、しかも、自分で自分のことを「いい加減」「適当」「楽しいことだけ考えて」なんて述べてくれているので、同じくいい加減で適当な人間である私にも何となく安心感を与えてくれます。
とはいうものの、仕事はしっかりしていたようで、別の機会に読んだインタビューでは、美味しい料理でつらい越冬生活を乗り切らせよう、観測隊をサポートしよう、派閥を作らせないように、いう意識もしっかり持って取り組まれたようです。隊員の心の変調にも気がついておられ、自分なりの方策を講じたようでした。
それに、奥様「みゆきちゃん」への愛が美しい。みゆきターボとかみゆきスペシャルとか、いろいろなものに奥様の名前が登場します。みゆきちゃんは、南極で仕事をする夫のためにカチンコチン通信なんていう家族報を作るあたり、本当にいい奥さんであり、親友なのですね。。西村さんは奥さんにほれ込んでいて、よい家庭を作れたのだなあと感じ入っています。
オッサンたちのキタナい話、けなげ(?)な話もいろいろ出てきて面白いし、西村さんのドーム大学講義「キャンプの楽しみ方」も楽しい。一部を紹介すると、家族に「またキャンプに来たい」といわせるコツは、親父が徹底的に奉仕すること、だそうです。
終わりに西村さんは、40を過ぎてもこんなにやれる、という言葉を残していました。
実は南極料理人の映画版を数年前に見ていました。堺雅人が料理人を演じたやつです。
気がついたのは、映画内のエピソードは原作にはほとんど(多分)出てこず、原作のエピソードもさほど映画には出てこないような印象だった。映画のエピソードとして覚えているのがエビフライの話なのだがそれは原作には書かれていなかったし、男所帯の寂しさゆえに、電話を取りつぐ女性交換手の声に恋をする話も原作にはない。唯一共通しているのは、仕事をサボリ気味な誰かをとっちめる話だろうか。
(原作だとその人は、南極不適合病にかかっていたらしく(つまりウツ的なもの)、仕方ない部分もあったし責めるつもりはない。)
映画版はやや淡々とした感じだった。西村さんの語り口が再現できていないからだろうな、きっと。
おかげですっかり南極づいてしまい、明日にでも南極館に行きたいわたくしです。
標高3800メートルの酸素の薄い、マイナス60度を記録する土地には行けないけど、南極館で越冬隊員さんたちの成果に触れるくらいは、、、 できるかな。
こんばんわ(*'ω'*)
私も数年前に南極料理人の映画版を見ました。
え〜、国立極地研究所南極・北極科学館って言うのも
あるんですね。しかもそう遠くない。
無敵のクマムシの話も聞けちゃうんですね。
ステキ♪
pin
こんにちは、Pinさん。
コメントありがとうございます。
この週末、国立極地研究所南極・北極科学館に行って参りました。
私的には楽しかったです。
雪上車の展示があったり、南極できる分厚い羽毛服を着たり、南極特有の生き物の展示を見たり、楽しかったです。
クマムシ・・・サイエンスカフェですね。それもとても面白そうだなと思っています。
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