原題をTHE SECRET RIVERといいオーストラリア人ケイト・グレンヴィル
が書いた1800年代にイギリスの流刑地であったシドニーを舞台にした
入植者家族とアボリジニの物語です。
ちょうど国後島でロシアの海軍軍人ゴローニンが松前藩にとらわれ幽閉されていた
江戸時代末期に重なります。
階級社会のロンドンで些細な罪を犯し死刑を宣告されるが流刑に減刑され
夫婦でオーストラリアに渡り、開拓の先鋒となり、アボリジニの虐殺に走り
成功者となるも闇を抱えた一人になるという小説です。
文章は慣れれば読みやすく、450ページを苦痛なく読めます。
今までアメリカインディオの虐殺、南米での虐殺、アイヌ民族の虐殺と
多くを読んできましたが、改めて人が生きるとは他者を殺すことであり
他者を殺すことは語らず、認識せずなのだなと思いました。
この本は「現代企画室」という出版社から刊行されました。
実にいい本を世に送り出しています。
ラス・カサスの「インディアス破壊を弾劾する簡略なる陳述」を
インディアス群書の一環として刊行しています。
この群書は1980年代から全20巻を目標に刊行したいますがいまだに完結していません。
未来社と同じで奥付に本の価格を明記している頑固な出版社です。
カバーや帯にだけ価格を表示すれば、物価に合わせて価格を簡単に変えられるのに
それをしない数少ない良心的な出版社です。
さて日曜日は2年ぶりに岩魚釣りに行くぞー。
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