カテゴリー「読書」の日記リスト
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2024年 03月 08日 15:45読書レビュー(書籍)
著者ジョン・クラカワーのエヴェレスト大量遭難の軌跡を記した「空へ」を読んでいたので安心して手に取りました。
私とほぼ同年代のアメリカ人で登山界で活躍し、雑誌アウトサイドに多くの記事を書いていた人です。
本書の「転落の後で」の章でシュナイダーはヨーロッパの山道具メーカーかと思っていましたがアメリカ
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2024年 01月 02日 13:50読書レビュー(書籍)
2023年9月発行の「北海道犬旅サバイバル」を読みその流れで本書を手に取りました。
半分写真集です。
ナツは写真が嫌いの様で横顔それも右から撮られるのだけは許容しているよう。
アイヌ犬の母とシープドックの父の間に生まれた三兄弟の雌とのことですが、顔つきも体つきもアイヌ犬を想起しません。
世の
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2023年 12月 28日 11:28読書レビュー(書籍)
服部文祥が50歳を前に集大成というべき犬を伴った旅の記録です。
往復の航空券とテレフォンカード2枚だけを持ち自宅から羽田空港まで、稚内空港から宗谷岬に向かい折り返して襟裳岬までを分水嶺を意識して歩き、釧路空港まで、最後は羽田空港から自宅までを50日ほど費やして雑種犬ナツ(夏)と歩き通します。
さ
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2023年 12月 23日 23:50読書レビュー(書籍)
明治初期の北海道白糠が舞台です。
先住民の養父に山で一人で生きていく術を叩き込まれた猟師が鹿や羆を生きるために殺し、己の存在理由に葛藤する物語です。(ちがうかな)
「新たな熊文学の誕生!!」などと宣伝に騙され読んでしまいました。
バイコフの「偉大なる王」やアルセーニエフの「デルスウ・ウザーラ」
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2023年 12月 18日 23:22読書
初めに一人1,100円で映画館で見て、1,496円の原作本を読んで、AmazonTVで吹き替え版を2,000円も出して観てみました。
映画は端折ってあるので原作を読んだ後は吹き替え版の所為もあり、分かり易かったです。
事件そのものを知る事もさることながら、アメリカという国自体の本質を知る事が出来
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2023年 11月 19日 17:08読書レビュー(書籍)
著者はウクライナの女性を伴侶とするロシア駐在経験のある元新聞記者で現フリーライターです。
ウクライナに移り住み程なくロシアの侵攻を目の当たりにし、ゼレンスキーの記者会見からパン屋のおばちゃん、戦闘員、拷問に遭った女性から記事を書き起こします。
全てが口頭ですが信憑性は高いと思います。
ソ連時代
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2023年 10月 31日 18:00読書レビュー(書籍)
戦後生まれの著者ですが、シンガポールの留学経験から侵略される側の心理を知り、当事者の話を聞き、資料で補強したします。
著者が留学先のシンガポールで日本が統治していた時代の台湾を舞台にした映画を見ていたそうです。
終りの方で原爆のキノコ雲のシーンが出てきたとき、一斉に観衆から拍手が起こったそうです
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2023年 10月 27日 00:48読書
先住民による伐採が主題かと勝手に思い込み、読み始めたが単に生業を失った開拓者の末裔が国有原生林の希少な樹木を盗伐とそれを阻止するレンジャーの話で興味が薄れ読み終わるのに2か月もかかりました。
しかし話はアマゾン等にまで及び木材の世界流通まで言及します。
そういえば我が家もアメリカからの輸入材木で
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2023年 08月 23日 13:46読書レビュー(書籍)
著者は東京師範(学芸大)東京文理科大(筑波大)を経て野付牛中、第一高女(白鷗)を教鞭をとるも二度の徴兵でノモンハン、沖縄戦に通信兵として従軍し、不条理な戦闘や渡野喜屋事件(沖縄村民が利敵行為をした。)の首謀者村民の斬首に立ち会い、敗戦後は新制高校となった白鳳をはじめ全寮制秋川高校の立ち
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2023年 08月 14日 08:32読書
「鈴木エイト」とは何者だったのか
とタイトルを間違えてしまいそうな本でした。
「私(鈴木エイト)も一時期、社会的に地位が低く見られる仕事に従事していたことがある。」
「山上の真実の思いを紡ぎだせるのは私(鈴木エイト)だけだ」
「ジャーナリスト鈴木エイトです。」で始まる山上徹也宛の手紙。
そ
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2023年 08月 10日 22:14読書
この本で安倍晋三は小学校から大学までエスカレーターで
受験未経験であることを知りました。
では家庭教師の平沢勝栄は何を教えていたのだろうか。
小学校の入試勉強?
計算すると中学生の頃ですね。
するとエスカレーターから飛び降りようとしても飛び降りれなかったということか。
閣僚に東大卒がほと
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2023年 08月 07日 11:33読書レビュー(書籍)
ハンチングバックとは筋疾患先天性ミオパーチによる症群性側弯症のことを言うらしい。
街でも見かける背骨が極端に曲がった人たちの病名でしょうか。
そのハンチバックの著者がそれを前面に出して架空の物語を作り上げる。
それでしか存在できない。
「妊娠と中絶はしてみたい。」著者にとって切実な主題を小説
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2023年 08月 06日 11:11読書レビュー(書籍)
発売日に届いた「街とその不確かな壁」を今頃読みました。
読みやすいけど余りに比喩的な創作で心情的には馴染むけれどピンときませんでした。
昔は村上春樹と村上龍の区別がつかない私でしたが、10年ほど前に会社に入ってきた新人の女の子が新規のプロジェクトの一員になり、自己紹介で恥ずかしそうに「村上春樹の
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2023年 07月 22日 12:35読書レビュー(書籍)
相変わらず肉体を傷つける創作です。
「叩く」を読んでもうこの作家の小説は読むまいと思いました。
籠の中の小鳥の首を斬るぐらいならラーメンの器に青痰を吐く西村寛太の方がまし。
この人は小鳥を飼ったことがないのでしょう。
せっかく買ったのだから残りも読みました。
「アジサイ」で踏みとどまり
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2023年 07月 20日 00:32読書レビュー(書籍)
幼馴染でバンドを組みメジャーデビューに際してメンバーの交代を余儀なくされ、スターになるにつてホモセクシャルに走り、薬物に走り、最後は公演の舞台で模造拳銃で自殺を図るが、一命をとりとめ7年後に武道館公演を成功させるというお話。
現役の作家で高橋弘希と村上春樹だけは無条件で読んでいるが、本作は出版社に
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2023年 07月 10日 22:28読書レビュー(書籍)
著者ジュリアン・サンクトンは2015年の「ザ・ニューヨーカー」の記事「火星への移住」から13か月間南極の氷に閉じ込められたベルジカ号の存在を知り、現存する航海日誌や乗組員の日記、出版された航海記などからベルジカ号の記録を再現します。隊長はベルギーのアンドレア・ジェルラッシュ・ド・ゴメリー。隊長を曽祖
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2023年 06月 20日 09:55読書
赤松と松茸とか菌ちゃん農法は知っていましたが、
植林した米松と米白樺が地下の菌根菌で繋がり相互扶助している。
雑木である米白樺との混生の方が生産性が上がる。
米松はその親族を認識し優遇する。
(お、クロポトキンか。)
などを先住民は経験値として既知だそうです。
著者は同位体炭素13と14
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2023年 05月 28日 17:41読書レビュー(書籍)
数学の成績がぱっとしなくても
「好きだ」と言う人は心配いらない必ずわかる時が来るから
嫌いだという人も心配しないことだ
何かのはずみでおもしろくなれば
より深くつきあえばよい
だからいつまでも数学とは
縁を切らないでほしい
酒井 耕
1989年3月18日長野県山岳総合センター主催
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2023年 05月 25日 12:43読書レビュー(書籍)
本の編集者って音楽のプロデューサーと同じぐらい何をやっている人なんだろうと思い手に取りました。
読んで驚いたのは河出書房の編集者であった坂本一亀(かずき)は野間宏「真空地帯」、椎名林蔵、三島由紀夫「仮面の告白」、中村真一郎、埴谷雄高、水上勉、高橋和巳「非の器」、小田実「何でも見てやろう」などを無名
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2023年 05月 20日 23:17読書
著者のことは全く知らないAmazonの試供本で歴史上の人物から昭和の著名人まで99名の死に纏わる名言とその解説に似顔絵を載せて見開き2頁です。
著者の解説から何かを誘導される様でトイレ本にしました。
しかし、解説など無視し読むと名前は知っていても結構知らないこともあり、99人を深堀したくなります
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2023年 05月 17日 22:52読書レビュー(書籍)
坂本龍一のCDは本人のは2枚、YMOが4枚で映画は例の2本だけと言うレベルのファン?ですが、子供ころの坂本を知る知人は「とにかくわがままだった。」という話もあり、ほぼ年代も近いので、どれどれと手に取りました。生まれた1952年から2009年までを語ります。私が5年生と6年生をやった新宿高校での3年前
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2023年 05月 12日 23:58読書レビュー(書籍)
新聞の広告に以前まっちゃンから頂いた「絵はがきにされた少年」「ぶらっとヒマラヤ」の著者の本が紹介されていたのでAmazonを覗いてみました。
目次を見ると”「田端の壁」初登攀”とあります。
ああ、年代は同じだなと思い永田藤一郎なる人物は全く知りませんでしたが、年金暮らしの掟を破りポチしました。
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2023年 05月 05日 01:36読書レビュー(書籍)
Amazonを見ていたらなかにし礼の兄の次女森田童子のことが記された小説があることを知り、年金暮らしの掟を破りポチしてしまいました。
短編小説ですが、背景は戦中から森田童子のデビューまでが語られます。
さすがに森田童子は森谷王子として語られます。
森田童子が徹底した戦略のもとに売り出される様
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2023年 03月 08日 00:47読書レビュー(書籍)
「東池袋自動車暴走死傷事故」「東北保険金殺人事件」「岩手妊婦死体遺棄事件」「宮崎家族三人殺人事件」を中心に、加害者家族の現実とその後の人生をNPO法人WorldOpenHeart理事長の著者がそれらを支援する活動を記したものですが、加害者本人をも支援しているようで中途半端。
どのような犯罪者であっ
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2023年 03月 03日 00:51読書
レアメタル資源国コンゴで日本企業(旧日本鉱業株式会社)が1970年代に資源採掘を行いその間に現地の女性と日本人労働者との間に子供が生まれ、その父親は任期が終われば帰国してしまう。
白山羊と差別をされながらも日本名を誇りに思う遺児とその存在を公式には認めないが人道的支援は行うという日本企業。
金目
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2023年 02月 23日 17:58読書
転覆の原因は三角波と不適切に積まれた漁具という記事を覚えています。
2008年6月23日に3人の生存者を残して17名が犠牲になった停泊中の漁船が突然沈没した原因に疑問を抱いた著者が調べ上げた記録です。調査半ばで潜水艦の衝突が原因と思いに至り、国と米国の機密の壁に阻まれますが、今も調査を続けています
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2023年 01月 28日 15:13読書
ピアニスト辻井伸行を育てた母親の辻井いつ子が出産(1987年)からマスコミに注目される(2000年)までを220頁にまとめた本です。
私は全盲故話題になるピアニストの話かと思い距離を空けていましたが、大学卒業まじかで失明した知人の息子さんを知り、生まれたときから目の見えない人はどのような世界なのか
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2023年 01月 27日 19:33読書レビュー(書籍)
親の都合で小学生から中学生の3年間をアメリカで暮らし、帰国後は京大で中国文学を学び、それが高じて北京に留学し、2018年からイルクーツクでビートルズという共通項で画家の伴侶を得てフリーライターになったという著者。
イルクーツクの図書館のおばさんに経歴を話すと「あらら、あんたは世界人なんだね」と目を
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2023年 01月 25日 01:24読書レビュー(書籍)
著者の藤原氏と沢登りを同行するmacchan90さんから去年の夏に頂いた本です。
冒頭に藤原氏がyoneyamaさんに高所順応について問い合わせするシーンがありますが、「そんな書き方していいの」と驚き、後でフォローが入るのだろうと思いましたが、最後までなく、この二人は本当に仲が悪いのではないかと心
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2023年 01月 23日 10:24読書
「ここは退屈迎えに来て」を書いた山内マリコがついに書くことが無くなったか松任谷由実を素材にした企画作品を書いた。
一つ読んでみるか。
そば粉100%か、60%か知らないがつなぎが気にならないのど越しだ。
さすが山内マリコだ。
荒井由実は私の姉と同じ年。
私の姉もオール5、スポーツ万能、背が
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2023年 01月 19日 09:38読書レビュー(書籍)
柴田氏訳ハックルベリー・フィンの冒けんを読んでいたので期待を込めて当訳書を手に取りました。期待を裏切られることなく、ハックルの時と同じ児童文学と思いきやとてつもなく大人向けの寓話でした。300年前の本なので当時の政治状況が分からないと理解し辛いところですが、ほぼ全ての奇数頁に訳者による注釈というか突
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2022年 12月 25日 12:57読書
macchan90さんから頂いた本をやっと読みました。
あの有名なハゲワシの前でうずくまる少女の写真でピュリッツアー賞を受賞したカメラマンの裏話がつかみです。
「インディアス破壊を弾劾する簡略なる陳述」などを含むインディアス群書をはじめに南米の本は30冊以上読んでいるのに、中東は別にしてアフリカ
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2022年 12月 19日 23:11読書
もう知らない人も多いかと思いますが、あさま山荘事件を起こした連合赤軍が結成されて51年です。
ほぼ私の山歩きの経歴に重なります。
当時はよく歩いた奥秩父に連邦スカイラインの計画が持ち上がり、中途半端に運動に参加していました。
それでも知床縦断道、日高山脈縦断道、大山観光道路、八ヶ岳スキー場が進
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2022年 12月 04日 11:09読書
昭和37年12月北海道学芸大学函館分校山岳部11名が大雪山で遭難し、リーダー一人のみが生還した「凍れるいのち」を書いた川嶋康男氏の著書です。
樺太がどこの国に帰属するか明確ではなっかた「サハリン島占領日記」ニコライ・ブッセ著や「サハリン島」チエーホフ著などは読んでいましたが、南樺太の時代の書籍は初
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2022年 11月 23日 08:40読書レビュー(書籍)
読み始めて登場人物の名前がラリー選手か指揮者の名前のようでなじむまで時間がかかりました。
湖と森林とサウナの国と思っていた国が、ロシアからの侵略を受けた後の国家賠償で原生林を消耗し、それらをどう回復させ恒続林施業するかの紆余曲折試行錯誤が記されています。
原題は「私たちの後の森」で本書の主題その
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2022年 09月 01日 11:43読書
漫画好きの友人からカムイ伝全38巻+1を借りました。
以前にも書きましたがこの友人はガロやコムの創刊号から終刊号をはじめ、延べ床面積100坪ほどの専用倉庫に立錐の余地もなく蔵書しています。
そして膵臓癌ステージ4にもかかわらず抗がん剤治療を受けながら働いています。
最近、田中優子の「カムイ伝講
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2021年 09月 27日 14:38読書レビュー(書籍)
最近は読書にも力が入らず怠惰な生活をしてきました。
ドストエフスキーの「賭博者」は50頁でストップ。
カーソン・マッカラーズの「心は孤独な狩人」は171頁でストップ。
そんな状況で図書館から本書が届いたと通知が来ました。
小説に行き詰まったらドキュメンタリー。
3.11関連の書籍は小説
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2021年 08月 11日 21:37読書レビュー(書籍)
インディアス群書などで白人によるアメリカ大陸の侵略誌は多く読みましたが、それ以前の文明の発生と言う観点の書物は初めてでした。著者は河川による4大文明以外にも赤道周辺の高地にこそ文明が発生したと記します。定説の玉蜀黍や麦類ではなく、馬鈴薯の原種こそがインカ帝国などの高所文明を生み出したと、「馬鈴薯から
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2021年 06月 28日 22:04読書レビュー(書籍)
1937年1月に出版された「深山の棲息者たち」を改題再販したものです。続編として「飛騨の山小屋」(よみもの新選・1真実新聞社1948年9月刊)改題後「山の不思議」があります。どちらも吉田博の版画が表紙を飾ります。続編よりも創作性は薄く少し読み難いです。日中戦争が勃発した年に出版されたものなので現在の
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2021年 06月 13日 00:51読書レビュー(書籍)
nkyoisteさんからの紹介で読みました。
「本書は加藤博二著「飛騨の山小屋」(よみもの新選・1真実新聞社1948年9月刊)を改題して再刊するものです。・・・加藤博二氏ないしご家族に心当たりをお持ちの方は、編集部までご一報いただけると幸いです。」と奥付に記された2017年9月30日に発行された書
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2021年 05月 03日 14:36読書レビュー(書籍)
本書の出版は2016年ですが雑誌への初出は1998年から2000年にかけてで、語った山小屋の主は鬼籍に入った方も多い。大半が知った小屋で面白く読めました。やはり動物が絡んだ話は面白く泣けてきます。ヤマネ、ヒメネズミ、猫、犬、猪などが登場します。河童は上高地だけに生息するものかと思っていましたが北八の
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2021年 03月 06日 22:04読書レビュー(書籍)
メスに頭部を食べられてもそれに気が付かずに交尾を続けるカマキリ。
久々に小説の醍醐味を味わいました。
1945年から2009年まで有色人種差別が公然とあるアメリカ南部で最下層白人として生まれた一人の女性が主人公です。6歳の時に父親のDVで一家が離散で小屋の残された主人公は湿地帯の少女として差別と
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2020年 12月 26日 01:24読書レビュー(書籍)
ロシア軍人の書いた「朝鮮旅行記」、イギリスジャーナリストの書いた「朝鮮の悲劇」、イギリスの旅行家?の記した本書「朝鮮紀行」と読みました。
本書はエピソードが少なく読むのに非常に時間がかかりました。
この三冊は少しずつ期間をづらして執筆されましたが、李朝末期を多角的に見ることができ、朝鮮の人々の反
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2020年 12月 02日 12:53読書
山との結びつきが希薄なので掲載を躊躇いましたが、コロナ過以前は日本の山にもたくさんの韓国人がおとずれていたので「ま、いっか。」という事で。
ヨーロッパや合衆国の歴史は多少知っていましたが、隣国である朝鮮を全く知らないことに気が付き、11月に同時代に朝鮮国内を旅行したロシアの軍人が記した「朝鮮旅行記
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2020年 12月 01日 16:39読書レビュー(書籍)
2020年6月末現在のコロナ禍を人類史から俯瞰し、ワクチンが開発されCOVID-19の終焉を見たところでそれ以前に戻れないし、戻っては進歩がないと語っているようです。生物の多様性が崩れウイルスが新しい宿主として人間に到達したとか、大気汚染がそれを増幅しているとかやはりと思ってしまいます。生活圏が狭ま
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2020年 11月 20日 23:39読書レビュー(書籍)
朝鮮に米独英が指触を伸ばす隙に日本が日清戦争に勝利し植民地化を始めた19世紀の朝鮮国内を旅行したロシア人(主に軍人)の紀行5編が収められています。ロシアも1860年に中国との条約でウスリー地方を手に入れ陸続きの国境を得たことにより、遅れて朝鮮に指触を伸ばしていましたが、その分当事者ではない視点から朝
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2020年 11月 06日 12:29読書レビュー(書籍)
2020年6月末現在のコロナ禍を人類史から俯瞰し、ワクチンが開発されCOVID-19の終焉を見たところでそれ以前に戻れないし、戻っては進歩がないと語っているようです。
生物の多様性が崩れウイルスが新しい宿主として人間に到達したとか、大気汚染がそれを増幅しているとかやはりと思ってしまいます。
生活
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2020年 10月 30日 21:47読書レビュー(書籍)
村山由佳の「風よあらしよ」の巻末に野枝の葬儀に際して代準介が「枝折れて根はなおのびん杉木立」と弔句したと記されていたので、この人は伊藤野枝と大杉栄を最も理解していた人ではないかと思い、本書を手に取りました。
代準介の自伝「牟田の落穂」から生の声が聞こえてくるかと期待しましたが、期待するほどではあり
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2020年 10月 27日 09:32読書レビュー(書籍)
高校3年生になり親に大学に行くと言ったら反対されたのでならば自分の力でと家を出ました。アイヌモシリの北海道新聞の住み込みを決め込み近所の道立札幌南高校に編入手続きに出かける。出会った生徒に編入するので校長室はどこだと聞きました。生徒に今どこの高校に在籍するのですかと聞かれ都立だというと神を崇めるよう
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2020年 10月 25日 23:09読書レビュー(書籍)
「山で一泊」など優れた随筆を残し、山と渓谷の秀山荘の広告のカットや表紙を書いていた画家であり随筆家であった辻まこと。辻まことは辻潤と伊藤野枝の間に生まれた長男です。次男流二を産み落とし、その後、夫も二人の息子も捨て大杉栄のもとに走り魔子、エマ、エマ、ルイズ、ネストルと生み、28歳の年に関東大震災に乗
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2020年 10月 06日 00:36読書レビュー(書籍)
明治35年2月10日に印刷され3月1日に発行され8版を重ねた北辰日報編輯部編纂の八甲田山雪中行軍第五聯隊遭難始末です。当時の一次資料的ものですがどこまで正確かは現在も議論されています。その後の小説や研究書、映画にも多く引用されていますが、いずれにも引用されていないこんな文章がありました。
二十五日
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2020年 10月 02日 23:33読書レビュー(書籍)
「マタギ奇談」に始まり、「吹雪の惨劇第一部」「同第二部」「八甲田山雪中行軍遭難事件の謎は解明されたか」「雪中行軍はなぜ失敗したか」まで読んでDVDで「八甲田山」を観直して「八甲田山死の彷徨」と来て全くの創作「白兵」に行きつきましたが、創作故面白かったです。健さん(福島泰蔵大尉)と加山雄三(倉石一)の
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2020年 09月 29日 00:24読書レビュー(書籍)
上高地から槍穂高に向かう途中にある山小屋の歴史を記した本です。上高地の牧場経営に始まり、その後山小屋に業態を変えました。氷壁の宿と謳うだけあり有名人との交流に多くの頁を割きます。最後は当時の皇太子一家で締めくくります。それでも牧場の歴史や国との折り合いをつけながら上高地牧場を主導した上條百次良に始ま
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2020年 09月 27日 11:42読書レビュー(書籍)
工藤隆雄著「マタギ奇談」に始まり、小笠原孤酒著「吹雪の惨劇1」,「同2部」、松本明知著「八甲田雪中行軍遭難事件の謎は解明されたか」、川口泰英著「雪中行軍はなぜ失敗したか」、そして森谷司郎監督「八甲田山」と来てやっと本作を読みました。昭和46年の時代背景としてはこれが限界だと思います。ただ終章で創作の
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2020年 09月 24日 21:14読書レビュー(書籍)
八甲田山雪中行軍関連の本を資料を蒐集した小笠原孤酒、陸軍に矛先を向ける松本明知と読み進め今回は新田次郎に矛先を向けた川口泰英氏を読みました。私は新田次郎を「孤高の人」と「強力伝」ぐらいしか読んでいませんが、新田次郎は素材を貶める小説家に思えます。それに対して戦後戦前戦中の考え方や帝国陸軍を批判して良
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2020年 09月 17日 22:39読書レビュー(書籍)
弘前で親子二代にわたり医者であり現在函館在住81歳の弘前大学名誉教授が2007年に出版した本書です。著者は父親から高校生の時に第五聯隊の四肢を失った生還者に温泉で会った話など聞き育ち、医局に入局した後に生存者の治療に関する論文を見出したり、医療事故目撃して、事故を未然に防ぐためには真実を極めること、
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2020年 09月 13日 00:49読書レビュー(書籍)
「吹雪の惨劇」一部に続き二部を読み終わりました。
元々全五巻出版の予定が著者小笠原孤酒氏の死亡により未完なのは承知していましたが、出発前の明治35年1月20にから始まり、210人からなる青森歩兵第五連隊第二大隊の遭難色が色濃くなった1月25日で終わりました。ここまでは健さんが演じた弘前歩兵第三十一
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2020年 09月 11日 14:38読書レビュー(書籍)
著者は小笠原孤酒という元新聞記者で初版は昭和45年7月23日で自主出版で今は閉鎖している「銅像茶屋」で販売されていたようです。
新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」、映画「八甲田山」の素材になった本です。上下二段のレイアウトで、上段が第5連隊(210名)、下段が第31連隊(38名)の記録というか小説
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2020年 09月 05日 23:36読書レビュー(書籍)
新田次郎は「嘘」を書く作家として知られていますが、八甲田でも「嘘」を書いていたのですね。映画で健さんが演じた将校は地元のマタギの犠牲の上に生還したのに、それら事実にかん口令を敷いたのですね。同じように戦時中に然ヶ岳対岸の集落二つが消えた大規模な山津波もかん口令が敷かれていたのですね。また、本作の主な
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2020年 08月 13日 07:30読書レビュー(書籍)
南川金一氏の「山頂渉猟」「続山頂渉猟」を読んで南川氏よりも当然先に登った三角点設置者たちの苦労を思い、国土地理院出身の山岡光治氏の「地図をつくった男たち」を手に取りました。
先にそれを読んでいたので、本書を読み進めると復習している感覚でした。江戸末期から明治までの日本の地図作成に携わった人々の墓や
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2020年 08月 07日 20:35読書レビュー(書籍)
昨日村上春樹の「一人称単数」を読みました。
私小説仕立てで村上春樹の若かりし頃の思い出を堪能した気分になりました。
どれもほろ苦く幻を振り返り見ているような体験談です。
その中で少し笑えたのが「ヤクルト・スワローズ詩集」です。
主人公村上春樹はサンケイアトムズと呼ばれていた時代からのスワロー
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2020年 08月 04日 21:38読書レビュー(書籍)
山とは関係ありませんが私が贔屓にしていた小説家故津島佑子氏の娘さんが小説を出版されましたので紹介させていただきます。
津島佑子氏もデビュー当時は太宰娘の娘として色眼鏡で見られていたようですが、素晴らしい小説家となりました。
津島佑子の全作品を読んでいる私には本作は母津島佑子へのレクイエムとしか読
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2020年 08月 02日 17:28読書レビュー(書籍)
山頂渉猟、続山頂渉猟を読んでつくづく三角点は凄い所にあるなと言う思いから本書を読みました。著者は工業高校を卒業後国土地理院の技官として38年間勤めあげ中部地方測量部長で退官し、ゼンリンに5年間在籍したノンキャリの星でしょうか。
伊能忠敬に始まり終戦後までの地図作成の150年を俯瞰します。
残念な
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2020年 07月 29日 13:33読書レビュー(書籍)
山頂渉猟は海抜2,000m以上の頂を踏んだ中のいくつかを記した本。
この続は2,000mを下回る頂のそれ。頂で景色を喜び、下山後に充実感を語るのがとても好い。それにしても長い歴史を感じる林業の痕跡と麓の村誌が語られ民族誌ともいえる。
本書で林業の痕跡を知ると日本には北海道は分かりませんが、や
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2020年 07月 28日 11:31読書レビュー(書籍)
平ヶ岳は夏に鳩待峠から至仏山〜スズヶ峰〜白沢山〜平が岳と歩いたのをはじめに山スキーで3回は訪れた思い出深い山です。
本書もいよいよ177頁。
4.日光・尾瀬・上越の章に入り、スズヶ峰(1953m)白沢山(1952,7m)剱ヶ倉山(1997,3m)大白沢山(1941,9m)赤倉山(1958,9m)
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2020年 07月 26日 22:22読書レビュー(書籍)
「山頂渉猟」を読み終わり「続山頂渉猟」を読み始めたら図書館から「危機と人類」の順番が回ってきたというので「危機と人類」を優先で読み、休憩で「続山頂渉猟」の一山行をを読むというちゃんぽん読書を暫くしていましたが、今日無事に「危機と人類」は図書館に返却できたので、心置きなく「続山頂渉猟」です。続では標高
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2020年 07月 21日 12:01読書レビュー(書籍)
日本には2,000m以上の山が642山あり、それらを全て登った人の記録です。本書はそのうちの山頂までの所謂登山道のない111山行が掲載されています。前書きを読んだ段階で自分と波長が同じ人だなと思いました。自らの少ない山歩きの経験と著者の記述が重なり合い情景が見事に再現されます。本当の山屋さんです。長
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2020年 07月 16日 21:04読書レビュー(書籍)
氏の作品はレールの向こう、あなた、琉球処分、カクテルパーティーと来て本作が5冊目。
簡単に言うとサンチャゴの対極。
俗人丸出しの94歳の老人の自慢話。
でもそれがいいのです。
自らの人生を振り返り、肯定できることが大切だと思います。
千葉聡と言う人の解説が秀作です。
唯一の難点は表紙カバ
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2020年 07月 13日 21:24読書レビュー(書籍)
推理小説ではありません。
地質学の専門家原山智氏と編集者兼ライターの山本明氏は高校の同級生でともに山が大好き。北アルプスの成り立ちを語る原山氏の言葉を山本氏がかみ砕き、まるで漫才のように進行させます。非常に読み易く素人を飽きさせず読ませます。舞台となる山は北アルプス全域にわたり、さすがに滝谷遡行は
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2020年 07月 09日 15:49読書レビュー(書籍)
旧制松本高校から東北大を経て月刊旅の編集長を務めた94歳になる紀行文作家の1989年から2002年までの紀行文を書き改めて新刊として発売したものです。土地の歴史や地名の由来を知り、地元の人の話に心を止める人です。何よりも空を見上げる本物の旅人だと思います。国土地理院の地図を見ながら読み進め、思わず軌
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2020年 07月 06日 00:16読書レビュー(書籍)
macchan90さんの日記でその存在を知り、読んでみました。
ガロの黄金期を支えた編集者権藤晋氏による回顧録です。
ガロには5年間在籍したが、とある著者と問題を起こし退職して、自ら出版社を立ち上げ「夜行」を発行して酔心するつげ義春に発表の場を提供し、現在も「幻燈」を発行している氏が1993年に
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2020年 05月 19日 21:46読書レビュー(書籍)
緊急事態宣言が出てからは出勤率がぐっと減りました。
テレワークでどうにか要点を抑えて業務をこなしています。
私は東京を縦断して通勤しています。
電車に乗っている時間は遅延すると50分を越えます。
始発に乗っていくから座っていけますし帰りも要領よく座って帰宅します。
往復100分の読書タイム
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2020年 04月 18日 14:41読書レビュー(書籍)
肉体の破壊が得意な著者の単行本はすべて読みましたが、創作小説とはまた違う面を見ることができます。
基本は出身地の新聞に連載した随筆です。
自己弁護のないピエロぶりがよく、笑わせてくれます。
アマゾンではなぜか高値で販売されていますが定価は1,400円です。
青森では平積みで販売されているよう
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2020年 04月 18日 01:20読書レビュー(書籍)
高校生の時にアイヌ民族に関心を持ち、いくつかのの書籍も読み、少しはアイヌ民族のことを知っているつもりでしたが、本書の原典を残した英国人医師マンローのことを初めて知りました。昭和5年から同17年に亡くなるまで二風谷で医療活動をしながらアイヌの人々の信頼を得ながら貴重な記録を残した人でした。本書はイヨマ
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2020年 04月 16日 20:18読書レビュー(書籍)
やっと読み終わり感想を書こうとしたらすでに2015年6月に読んでいました。
この話、ほかの本で読んだことあるなーと、宮本常一も結構自己引用する人なのだなと思いながら読んでいました。ボケたなー。参った参った。
2015年の感想
五木寛之の「風の王国」を読んでしまったので口直しに本書を読みました。
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2020年 03月 14日 16:43読書レビュー(書籍)
北条民雄全集を読んだ時の衝撃に近いものがありました。
私は2011年3月11日は伊丹から羽田に着陸態勢に入った飛行機の上で、自身では揺れを体験していません。上空を長い間旋回した後やっと着陸できましたが、一晩羽田に缶詰になりました。その年の9月に石巻で津波に流されずに残った土蔵を震災遺構にしようとい
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2020年 03月 12日 16:20読書
今日図書館に2冊返して1っ冊借りようと思ってサイトをのぞいたら以下のお知らせが掲載されていました。
ネットを使えない人や居場所にしているお年寄りは行き場を失いますね。
新型コロナウィルス感染症の拡大を防止するため、下記のとおりサービスの一部を休止します。
予約資料の貸出しは行いますので
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2020年 02月 13日 00:16読書レビュー(書籍)
表題が示すように著者が絶望から入っているのでせっかくの事実が説得力に欠ける。私も若いころ2季野辺山の牧場で働いた経験で農業が補助金で機械化した奇形を見てきたし、山岳部の後輩が安曇野で林業に従事しながら何度も大けがをしても親方が労災扱いにしないことも知っている。
林業を経済から分析解説した筈が国是に
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2020年 02月 05日 20:36読書レビュー(書籍)
この本を読んでつくづく安倍さんは大変だなーと思いました。
占領した日本に軍事基地を置き朝鮮戦争とベトナム戦争を実施してきたが、思いやり予算という維持費だけではは足りず、FMSで武器を売りつけ日本人にたたかわせる段取りをするアメリカに独立国のふりをする傀儡安部さん。
それでも60年間日本人は外国
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2020年 02月 02日 10:10読書レビュー(書籍)
ノルウェー人作家が2011年に出版して16万部のベストセラーになった本です。
原題はHel ved。硬い薪。強くて、信頼できる人物という意味もあるそうです。
これが巻末に効いてきます。
薪の意味、定義を初めて理解しました。
山歩きをしているので焚火、山小屋(避難小屋や冬季開放小屋)での薪スト
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2020年 01月 28日 22:00読書レビュー(書籍)
北大医学部5年生の時に山スキーでモンブランの氷河で空いたヒドンクレバスに落ち16時間後に重度の低体温症ながら救出され、現在医師として活躍する著者の話は一読の価値はあります。
九死に一生を得た著者は神を信じ、同じく九死に一生を得た私は歴史を信じたあたりが笑えます。
重度の低体温症では知らないことが
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2019年 12月 29日 23:53読書レビュー(書籍)
50年の歴史を誇る長野県警察山岳救助隊を経験した40名弱の警察官の手記です。
2011年発行ですが私の知識がいかに古いかを認識しました。
篠原氏の亡き後東邦航空は救助の一線から退き、今では専用機2機で遭難救助に当たっていること、そして1機あたり年間3か月間は整備で飛べないことを知りました。
条
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2019年 11月 22日 00:35読書レビュー(書籍)
1973年生まれのイタリア系アメリカ人女性カメラマンの自伝です。
バイセクシャルの父親とそれを知らずに結婚した母親のもとに生まれた三女が所謂戦場カメラマンとして生長して行く様がその時々の感情で素直に書かれています。
ダメな男ばかりを掴んでいた著者が本気で好きになった相手が男爵というのは嘘のような
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2019年 11月 09日 10:23読書レビュー(書籍)
ヨネヤマさんがヤヨマネクフを紹介してくれたので手に取りました。
今までにバイコフ、アルセーニエフ、そしてニコライ・ブッセの「サハリン島占領日記」、チエーホフの「サハリン島」を読んでいたので、戦争を知らない作家が作る物語(高橋弘希の「指の骨」を読み始めたときもそうでしたが、)は嘘くさいなと思いながら
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2019年 10月 30日 12:45読書
タイトルが「本当の戦争の話をしよう。」に似ているな。
初めにの副題が「17歳のきみたちに」を見るように著者が貧困を主題に講演した内容をまとめた書下ろし文書です。
自己の肯定と心のレベルアップを貧困抜け出して成功した人の話を織り交ぜながら訴えます。
世界各地のスラムを歩いた経験がレポートされてい
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2019年 10月 26日 08:14読書
yoneyama氏の日記で知った本です。
必要に応じてパートナーを変え、許可を得ずに人様の山に勝手に登り、密輸入で登山資金を稼ぎ、ハッシッシを吸い、慣れた手つきで役人に賄賂を渡し、世間の評価を無視して、離婚を繰り返し、当時政情不安であったはずのなポーランドを故郷に持つクラマーの評伝です。これを無法
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2019年 09月 17日 23:44読書レビュー(書籍)
暴露本ではありません。
著者が「おわりに」でこの本の最大の目的は、現実を知ることで医者と患者さんの溝を埋めることです。と記しています。
「医師は聞き上手に、患者は話し上手になることに努めるべきです。」と著者が尊敬する日野原医師が語ったそうです。
私はその病院に癌その他で4回入院していますが、本
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2019年 09月 06日 13:41読書
緑と縁が違う字なことを今初めて知りました。
いつも本を読んでいても前後関係から「みどり」と「ふち」に読み分けていました。
皆さんは知っていたのですか。
五丈岩を「ごもんいわ」と思い込んでいたのは3年ぐらいですが、これは衝撃です。
緑の旁は竹や木の皮を剥いで皮が点々と散る様。
縁の旁は豚(辞
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2019年 09月 03日 18:59読書レビュー(書籍)
今日は人間ドック。
本を一冊もって行きました。
あの別荘に公用車で出かけて都知事を辞めさせられた「国際政治学者」の舛添さんの書いた新書版です。
文章は非常に読みやすく疲れません。
「21世紀に生きる私たちはヒトラーという20世紀の独裁を克服したのでしょうか。ポピュリズムが跋扈し、トランプのよ
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2019年 08月 22日 15:07読書レビュー(書籍)
我が家の本箱で著者の本としては38冊目になります。多分刊行された本はすべて揃っていると思います。
それでも最近の著者の言動には疑問があり、もう著者の本を読むのはやめようと思っていましたが、かの十津川と3.11が素材では読まないわけにはいきません。
著者が日本一長い路線バスに乗りながら十津川水害と
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2019年 08月 02日 09:50読書
佐伯一麦はデビュー作から読み続けた小説家の一人です。小説家周辺の日常を鉛筆による細密画で描いてくれるような人です。津島佑子が亡くなってからは唯一無条件で新刊本を購入し続けてきました。最近になり、村上春樹も全出版物を読んでいますがこちらは大半がハルキストを自任する友人から借りて読んでいますので経済的に
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2019年 07月 12日 18:02読書レビュー(書籍)
図書館で借りようとしましたら予約中止なほど予約があり、アマゾンで購入して読みました。
主要な当事者から聞き取りができていませんが、要点を押さえた力作だと思います。以前の雪崩体験をないがしろにし、地図で確認もせず訓練地域を口頭で合意し、信頼関係のない講師の引率の許、雪崩に高校生を巻き込んだ指導者たち
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2019年 06月 27日 11:26読書レビュー(書籍)
Momohiroさんに勧められた「オブローモフ」の流れで読んでみました。既にラスクマン、レザノフ、ゴローニンと読んでいたので現在も続く日本の官僚体質に飽き飽きしていたので読み進めるのに苦労しました。ゴンチャロフがオブローモフ書く前の作品ですが、時々優れた描写が出現するのが慰めでした。「日本幽囚記」の
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2019年 02月 28日 23:24読書レビュー(書籍)
村上春樹もビートルズやストーンズのように英語圏デビュー当時は相応の演出が行われていたことを知りました。
それはともかく不思議に思っていた翻訳文学の仕組みがやっとわかりました。また、編集者の仕事も驚きをもって理解できました。
改変、削除され短気なアメリカ人が受け入れた作品をもう一度日本語に戻したも
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2019年 01月 30日 17:04読書レビュー(書籍)
黒澤明が映画化した「デルス・ウザーラ」を翻訳して日本に紹介した長谷川四郎としてか知らなかったですが、兄の長谷川濬の訳によるバイコフの「偉大なる王」も読んでいたので長谷川四兄弟としても興味があり手に取りました。
「偉大なる王」は地球上で一番大型のトラ、シベリアタイガーを主人公にした小説です。
バイ
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2019年 01月 17日 11:20読書レビュー(書籍)
障害者殺しの思想 横田弘著を読みました。
脳性麻痺の著者(1933.5.15〜2013.6.3)が、障害者の子を道連れに親が心中を図り、命を取り留めた親への減刑嘆願や無罪判決に異を唱え、養護学校義務化や改正優生保護法に対して先鋭的な戦いに向かいます。
私が小学校に入ったばかりのころは聾の子や青い
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2018年 12月 25日 00:35読書レビュー(書籍)
今年通勤電車の中と山の行き帰り、病院の待ち時間に読んだ本です。
基本的に読書時間は作りません。
待ち時間の有効利用です。
大いなる山の日々 ルテル・ボナッティ 横川文雄
慟哭の谷 木村盛武
光の犬 松家仁之
百年前の山を旅する 服部文祥
白痴 1 ドストエフスキ
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2018年 12月 20日 22:18読書レビュー(書籍)
私は若いころ八ヶ岳の麓の農場で2シーズン牛の世話と高原野菜を作っていました。
乳牛は生まれて1年もたてば本人の意思と関係なく人工授精で妊娠させられ、訳も分からず子供を産み、雄ならばすぐに肉牛牧場に引き取られ、雌ならば数日間だけ自分の乳を与えられますが、後は搾乳機で朝晩搾乳され、牛乳メーカーのタンク
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2018年 12月 17日 17:21読書レビュー(書籍)
中東のとある国の頑強な軍事施設を米軍の誘導ミサイルがピンポイントで爆撃し破壊する。見事です。しかしその軍事施設には当然人間がいたわけです。
同じように次々に爆発を起こす福島の原発にも5,000人の人々が働き、末期的な状態の中を数百人が残り、死を覚悟して高線量の中に突入した人々がいたのですね。
今
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2018年 12月 14日 12:44読書レビュー(書籍)
1995年に北大古川記念講堂にダンボール箱の中に古新聞で包まれた六体の頭蓋骨が発見されました。そのうちの一体には「東学党首魁」と直に墨書きされていました。この遺骨の返還を巡る中で日本の朝鮮を保護国にした歴史に埋もれた東学党の反日抗戦と後備軍による殲滅作戦が発掘されます。
この手の本は著者の感情
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2018年 12月 09日 23:23読書
4年前にカルメンを読んでまるで民俗学の本を読んでいるようでした。
その後、歌劇で唯一通して聴けるカルメンをレコードでよく聴きました。
この週末に映画の「カルメン」を観ました。
映画「ショーシャンクの空に」の原題は「刑務所のリタ・ヘイワース」ですが、あのポスターの女優リタ・ヘイワースがカルメンを
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2018年 11月 09日 12:18読書
二年程前のことです。
もうアイゼンが完全にいらなくなった7月初旬です。
予定よりずいぶん早くジャンダルムに着いたので一本立てることにしました。
ジャンダルム山頂にはまだ誰もいません。
しかし奥穂からこちらに向かう登山者の姿が多く認められます。
天使の近くにザックを降ろし、とっておきの未開封
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2018年 10月 12日 20:36読書レビュー(書籍)
本書で高橋弘希の著書で単行本になってる作品はすべて読み終わりました。
あとは未刊行作品が掲載されている雑誌が手に入れば読みます。
この作家は徹底的に肉体の崩壊を嗜好しますね。
戦争、親子、病気、自殺とくると次は事故死でしょうか。
遭難死も書けそうだな。
毎回新しい設定で取材はしているのでし
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2018年 10月 10日 10:36読書
沖縄の戦後から本土復帰までが時代背景です。
キャンプカデナ周辺で起きた婦女暴行殺人事件に始まり、米軍基地から物資を盗む「戦果アギャー」の英雄オンとグスクとレイと金網の外で待ったヤマコに、婦女暴行事件の遺体の第一発見者の米軍人とウチナンチューとの間に産み落とされたウタが主な登場人物で話は進みます。
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2018年 09月 25日 22:04読書レビュー(書籍)
スコップ一丁晒に巻いて、12種類の土を確かめに研究予算の少なさを嘆きながら、世界を渡り歩く。
その目的は人類100億人の食を満たす土を求めてと大きく出た。
以前読んだ環境保全の観点から書かれた土の本と言っていることが違うなと思いながら読み進めましたが、切り口が違うだけで、巻末で一致しました。
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2018年 09月 19日 13:14読書レビュー(書籍)
9編の短編小説からできています。
著者は永年現地で活動をしていた人のようです。
9編のうち「エル・タージュ家の館」はパレスチナ人が主人公でしたが、「ハイファに戻って」の焼き増しのような小説。
読み返して確認はしていませんが、あとは「ようこそ、パレスチナへ」がイスラエル国内にとどまることができた
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2018年 09月 02日 22:11読書
連合赤軍を素材にした漫画が完結したということで、富山にいる友人に木曜日に電話をかけ「レッド貸してくれ。」と頼むと土曜日に届いた。
2007年に第1巻が刊行され、13巻目の最終章が2018年8月23日に刊行された10年がかりの作品です。
この富山の友人はガロ創刊号から1次、2次の終刊号まで持つ日本
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2018年 08月 30日 09:24読書
今時珍しく時系列で書かれ読みやすかったです。
死と傷つくことの記述は非常にうまいと思いましたが 、残念ながら私には未消化です。
当事者意識のない傍観者が最も罪深いという事でしょうか。
スタンド・バイ・ミーの様に後日談が無いのはそういう事でしょうか。
別の作品を読んでそれを確かめたいと思います
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2018年 08月 23日 22:18読書
ここのところユダヤ人について書かれた本を継続的に読んでいます。
当初は「夜と霧」から入り10冊ほど読み、イスラム教についても数冊読み、「栄光への脱出」「シンドラーのリスト」や千畝の劇を見て、何かおかしなと思い始め、ユダヤ人が書いた「ユダヤ人の起源」を読み、どこの国でも神話を欲しがることを知りました
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2018年 08月 10日 19:27読書
北条民雄全集を読んで以来の衝撃でした。
1936年4月にパレスチナのアッカーに生まれ1973年7月に彼の車に仕掛けられたダイナマイトで姪とともに爆死した著者の最後の作品。
「ハイファに戻って」は英国の統治下におかれたパレスチナのハイファで生後5か月の乳児と暮らしていた夫婦が、突如侵略してきたユダ
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2018年 08月 06日 21:14読書レビュー(書籍)
「それでも三月は、また」
2012年2月24日発行
17人の作家による3.11アンソロジーですが、その中で明川哲也の「箱のはなし」が群を抜いて秀作でした。誰だろうと思ったら昔叫ぶ詩人として注目を集めたドリアン助川氏でした。
「あん」
2013年2月3日発行
やる気のない雇われどら焼き店店主
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2018年 07月 29日 10:42読書
1963年にカナファーニは「太陽の男たち」を発表した。
この小説の中で三人の男たちは、クエートに出稼ぎに行こうとするのだが、あくどい密入国請負い人に莫大な金を請求されて、うちひしがれる。そこで密入国を手伝って小銭を稼ごうという一人のパレスチナ人運転手に賭けてみる気になり、空の給水タンク車に乗っ
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2018年 07月 15日 11:25読書レビュー(書籍)
久々に鳥肌が立つくらいの良書に出会いました。 「ホロコーストからガサへ」です。子供のころ「栄光への脱出」に感動し、「夜と霧」の恐怖し、「シンドラーのリスト」を観て、「千畝」を観劇してその疑問、欠落に気が付き、ユダヤ人とは何かと「ユダヤ人の起源」をはじめ多くの書籍を読み、やっとイスラム教の本を、イスラ
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2018年 06月 25日 10:47読書レビュー(書籍)
子供のころ「栄光への脱出」を観て奮いたち、シンドラーのリストを観て涙し、千畝が名誉を回復して安堵しました。
イスラム入門としては内容もバランスが取れていてよいと思いますが、フィフィ氏は文中に「無宗教がよいという考えが横行し」とあるように無宗教に理解がないし、大きな組織を持たない土着の宗教という
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2018年 06月 23日 15:43読書
クオッカはオーストラリアのパースにあるロットネスト島という島に生息し、お腹の袋で赤ちゃんを育てるカンガルー科の野生動物。
外敵がいない環境のせいか、人への警戒心がなくカメラを向けると無防備に愛らしい笑顔で人に寄り添い、写り込んでくる。
僕の名前はアラン・ディックソン。
冒険家として、世界中を旅
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2018年 06月 21日 22:06読書レビュー(書籍)
腎臓癌になった時、治療法を検索した瞬間からバナーが
全て腎臓癌になり閉口しました。
日々の検索サイトの表示プライオリティーやアマゾンなどにみる
爆発的ないいねに疑問を持ち読んでみました。
世論操作は昔から行われてきました。
名簿も昔から売買されていました。
インターネット環境が地球規
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2018年 06月 19日 22:54読書
今日は桜桃忌。
没後70年だそうです。
桜桃忌にはサクランボを食べます。
サクランボは桜桃忌が終わると値段が下がります。
しかし桜桃忌に食べます。
全作品を読みふけったのは遠い昔。
外はみぞれ、何を笑うかレニン像
花きちがいの大工がいる。邪魔だ。
ノラはバタンと扉を閉めた。帰ろかしら
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2018年 06月 15日 10:20読書
日光国立公園から尾瀬国立公園が独立したいきさつが書かれています。
主に新しく編入された田代山、帝釈山、会津駒ケ岳を持つ福島県の集落からの聞き取りが中心になります。
私は桧枝岐側には3回は行っていますが、山以外は全く見ていないので、知らない地域、知らないことだらけでした。
いつか機会があったら木
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2018年 05月 15日 22:20読書レビュー(書籍)
nomoshinさんの日記に山の本のレビューがあります。
なんと195件も紹介されています。
過去のレビューを拝見していて「シェルパ」を発見しました。
根深誠氏の本は以前熱心に読んだことがあります。
本多勝一氏の本にも登場していました。
そこでは根深氏のことを青年と表現されていました。
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2018年 04月 27日 23:19読書レビュー(書籍)
図書館から忘れたころ順番が来ましたと案内が来たので、
今読んでいる小暮理太郎の「山の憶ひ出」を中断して、こちらを読みました。
「宮沢賢治の父」としたらこれほど話題にならなかったのではないでしょうか。
事実をどこまで素材として反映しているかわからないが、
読みやすく物語としては面白かった。
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2018年 03月 20日 19:43読書レビュー(書籍)
冠松次郎が70歳を過ぎてから回想した文章です。 ほぼ本書に出てくる山々を私は歩いていますが、縦走が中心の私には渓から眺める峰々の描写は新鮮です。 私は高いところを登りたくなる心境はありますが、冠松次郎は谷を見ると降りたくなるのです。増水しているさまを大きな水と表現します。そして恍惚します。本当に渓が
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2018年 03月 11日 11:49読書レビュー(書籍)
相当昔に本多勝一の「北国の動物たち」に大正4年12月9日に起きた三毛別に於ける羆による事件を知り、羆は怖いなと思いました。
その後、北海道の山を歩くにあたり羆のことを調べ、
一度クマが手にしたものは放棄する。
火を怖がらない。
死んだふりは通用しないという教訓を知りました。
これらの教訓が
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2018年 03月 01日 22:40読書レビュー(書籍)
先に主に山行記録をまとめた「山と渓谷」を読み、田部重治なる人物に興味を持ち「わが山旅五十年」を読んでみました。
内容に重複する部分がありますが、歳を重ねた後に思い出しながら記した文章です。
若い頃から大切な人と死別して、歳を重ねてからも身近な人の死を見て堪えているようでした。
登山の記録もあり
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2018年 02月 16日 21:22読書レビュー(書籍)
はじめ、小島烏水の「日本アルプス」を読み始めましたが、文語体で手に負えない。
さらば「山と渓谷」ならばとひも解くとどうにか読めます。
それでも読み終わるのに16日間もかかりました。
文章が稚拙だからではなく、むしろハッとするほどの表現に出会いますが、今迄に触れたことのない文体の所為で時間がか
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2018年 01月 30日 22:08読書レビュー(書籍)
著者は若かりしことは冬の3スラをソロでやる先鋭的な方だったようです。
しかしながら「旅」と捉えるところが、田部重治に通じそうです。
本書は正直題名勝ちな部分があると思います。
紀行文、記録文学というよりエッセイ集に近いと思います。
他にも著書があるようですが、本書においては目次を拾うと
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2018年 01月 21日 18:02読書レビュー(書籍)
昨日は奥武蔵の山を歩いてきましたが、たぶんツキノワグマの糞と思われるものを観ました。
動物は基本的に見通しの良いところで脱糞します。
橋の上、登山道の曲がり角、尾根のテラス状のところ、雪渓のテラス状のところなどです。
昨日は我々の歩く登山道上に3回脱糞を試みますが、我々が近づいたので慌てて自分
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2018年 01月 11日 20:12読書レビュー(書籍)
今回はかみさんの蔵書から選びました。
扉に「偉大にして古典的な山登りの若き最後の希望であるラインホルト・メスナーに」と記されています。
残念ながら非常に読みにくい文章です。
翻訳者横川文雄氏の翻訳でメスナーの著書は読みやすいので、ボナッティの問題でしょう。
焦点が定まらず、描写も稚拙で
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2017年 12月 31日 09:07読書レビュー(書籍)
今年20冊目の山の本。
いろいろな理由をつけて山に行かない分、対処療法として山の本を大目に読みました。
ニッピンの看板男ラインホルト・メスナーは凄い人だったんだ。
当時から記録は知っていましたが、興味がありませんでした。
しかし当時読まなくてよかったと思う。
読んでいたら、その気になって遭
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2017年 12月 25日 10:24読書レビュー(書籍)
辻まことはやはりいい。
登場する山道をみんな歩いてみたくなる。
ひとりで山の中を歩いていて、木の根に脛をぶつけて「痛い」と
口走ってしまうのが文学の始まりだと書いていました。
なるほど。
「ウ」でも「ア」でもよいものを「痛い」と他人に通じる言葉で言うことが
書かずとも文学の始まりとい
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2017年 12月 22日 11:44読書
「裸の山」を読みました。
ラインホルト・メスナー。
私が現役のころ「山と渓谷」の表紙やグラビアによく登場した人だ。
テントの中で自分で注射を打ちながら無酸素8,000mに挑んでいた変な登山者。
数年前にはテレビ番組の登山教室でストックの有効性をナレーションされる中、
生徒がジュラルミンポー
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2017年 12月 16日 21:46読書レビュー(書籍)
山の本を読みすぎたので骨休みのつもりで積読の中から手に取りました。
装丁から子供向けの本かと思いましたが、そうではありませんでした。
日本語に興味を持ち、来日して日本人の女性と結婚したアメリカの青年が書いた本です。
先の大戦を生き延びた23人からの聞き取りと、著者のぶれない視点でのコメントが付
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2017年 12月 13日 23:15読書レビュー(書籍)
先日、「会社を辞めたいと言ったらカメラがついてきた。」と日記に書いたら予想外の反応がありました。
皆さん内心では会社を辞めたいと思っているのでしょうか。
私もそれなりに年を重ねましたが、周りの先輩知人は67、68、69、83、84、84歳と皆年上です。
そして全員リタイヤして元気に悠々自適。
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2017年 12月 04日 14:09読書レビュー(書籍)
9月の末から山の本を集中的に読んでいます。
喜作新道 山本茂実
(猟犬ペスとアカが、これがまたいい。)
栂海新道を拓く 小野建
(デンカの宝刀)
タイムマシン H・Gウェルズ
(映画とは全く違う。)
栂海新道ものがたり 小野建
(栂海新道を拓くより尖がっています。)
単独行 加藤文
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2017年 11月 21日 21:11読書レビュー(書籍)
2008年の暮れに私の高校時代の恩師であり絵の師匠である当時74歳の先生から「いつまでも本が読めると思ったら大間違いよ。」と言われました。
それをきっかけに期待余命から計算すると一生の間に読める本の量が知れ、余った時間、待機の時間をすべて読書に充てることにしました。
具体的には常に本を持ち歩くこ
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2017年 11月 12日 14:30読書レビュー(書籍)
23年前に購入したきり未読だった「日本アルプス登山と探検」を読みました。
翻訳による読みにくさはなく軽快に読めます。
今とは全く違うルートとアプローチによる記録はすぐには理解できず、補助的資料が欲しいところです。
登山の記録もさることながら、山間部の民族誌としても読み甲斐があり、地名の解説も新
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2017年 11月 02日 01:01読書レビュー(書籍)
最近、「単独行」を再読して、「単独行者」を読んで、「孤高の人」を今読み終わりました。
頭の中ぐちゃぐちゃです。
強く思ったことは「山で死んではいけない。」と思ったことです。
中学生の時に「単独行」を読んで訳も分からず加藤文太郎を崇拝して、「孤高の人」を手に取りましたが、ふざけるなと思いすぐ閉じ
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2017年 10月 19日 19:31読書レビュー(書籍)
中学生の時に初めて単独行を読み、訳も分からず加藤文太郎を、単独行を崇拝しました。
つい最近「単独行」を再読しました。
若い頃観た「卒業」の感想と年を重ねてから観た「卒業」の感想の違いみたいなものを感じました。
そこで出版当時かみさんから贈られた「単独行者」をやっと読みました。
さて、たった2
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2017年 09月 26日 21:38読書レビュー(書籍)
わたくし中学生のころから山歩きを始めました。
まず初めに受験勉強と称して区立図書館に通い山の本を全部読みました。
当然出版が古い本が多く、トリコニー鋲の靴を履き、編み上げ式のオーバーシューズで歩く世界を思い描いていました。
山の店を見つけ初めに買ったのが鉈です。
高校で山岳部に入り、今時鉈で
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2017年 09月 22日 21:18読書レビュー(書籍)
先輩から借りた「喜作新道 ある北アルプス哀史」を読みました。
燕岳から大天井岳、西岳から東鎌を抜けて槍ヶ岳に至る道を切り開いた小林喜作の苦労話かと思い読み始めましたが、その時代の貧しい農村とさらに貧しい猟師の民衆史といってよいかと思います。
作者は「ああ野麦峠」の山本茂実。
聞き取り調査を
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2017年 06月 07日 00:49読書
THE SUN GODSが原題です。
山を歩いていると小さな祠や岩の間や大木の根元に祈りの場を見出します。
私は宗教を否定しますが、手を合わせます。
この小説の主人公も昇る陽に手を合わせます。
第二次世界大戦中の米国で日本人日系人が強制収容所に送られましたが、そこを主な舞台として、戦中戦後の
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2017年 05月 30日 12:33読書
ジェイ・ルービンが著書の中で言及した夏目漱石の「抗夫」を読んでみました。
幸い若いころに買い集めた新書版サイズの漱石全集第6巻がそれであった。
久々に旧かな旧漢字、当て字だらけ、そして実は漱石は初めて。
10日間も掛かってしまいました。
漱石を突然訪ねてきた青年の話をもとに足尾銅山を舞台にし
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2017年 05月 16日 21:31読書
GLENN GOULDのゴールドベルグ変奏曲1954年版を聴きながら書いています。
はい、ミーハーです。
しかし右手と左手が勝手に演奏しているとか村上春樹は書いていましたが、まさにその通り。
笑ってしまいます。
ということで「騎士団長殺し」に出てきたサムエル・ヴィレンベルクの「トレブリンカ叛
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2017年 05月 12日 00:05読書
「騎士団長殺し」を読んでから調子に乗って「みみずくは黄昏に飛びたつ」を読んでしまいました。
今日仕事の本を買いに八重洲ブックセンターに行くと入口の平置きコーナーで、今私が読み終わろうとしている「みみずくは黄昏に飛びたつ」が第三位として展示されていた。
第四位が「騎士団長殺し」でした。(笑)
そ
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2017年 04月 26日 16:39読書
友人から借りた「騎士団長殺し」第1部を読み終わりました。
相変わらず食う寝る遊ぶをしっかり書き込み面白いです。
貸してくれた本人がまだ第二部を読んでいるのでしばらく間が空きますが仕方ない。
「ねじ巻き鳥のクロニクル」ではノモンハン事件関連の書籍を随分読んでしまいましたが、今度は「トレブリンカの
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2017年 02月 18日 23:33読書レビュー(書籍)
1月の中旬から読み始めた司馬遼太郎著「菜の花の沖」全6巻を読み終わりました。
予想外に面白かったです。
江戸時代後期に北前船で函館を拓き、国後択捉に漁場も拓きながらゴロウニン以下7名を略奪された副官リコルドにとらわれた高田屋嘉兵衛の一代記です。
この小説の基になるゴロウニン、リコルド、高田屋嘉
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2017年 01月 21日 18:16読書
私が生まれ育った町からは少し歩くと飛鳥山。
もう少し歩くと十条の1割引きのプラモデル屋さん。
大遠征すると戸田橋。
その十条には朝鮮高校と帝京高校があります。
当時の帝京高校は今のようにスポーツで名を売る前の男子校で
隣の朝鮮高校とよく乱闘騒ぎをしていたと噂では聞いていました。
中指を挟
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2016年 12月 29日 15:30読書
一週間ほど前に本屋さんで「君の名は。」を見つけて買いました。
最近立て続けに津島佑子を読んで少し重たくなっていたので軽い本で年末を終えようと思いました。
読み始めたら通勤電車一往復半で読み終わり、どうせならと映画のチケットも買い求め、先程見て帰ってきたところです。
年末でもありますのでズービン
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2016年 12月 05日 15:11読書レビュー(書籍)
16年前に書かれた小説を今頃読みました。
戦後の混乱期を背景に12歳の少女と
その父親の死に出くわした17歳の少年の旅の物語です。
実際に起きた事件などを横糸に織り込みながら話は進みますが、
津島佑子の父親のいない家庭、兄の存在と死などの原体験が
強烈な縦糸として際立ちます。
私は微かに
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2016年 11月 26日 01:03読書レビュー(書籍)
ヤマレコに投稿している一人の人が書いた山の入門書?です。
読み始めてこれこそ山の入門書と思いました。
著者が実際に経験して、ちょくちょく失敗しながら蓄えた知識を面白く展開してくれます。
それは具体的で著者自身が使ってよいと思ったものは商品名も販売店も記述されています。
ある程度山を歩きて来た
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2016年 11月 23日 21:08読書レビュー(書籍)
最近やっと読んだ津島佑子と申京淑の往復書簡「山のある家井戸のある家」で知った作品です。
韓国の作家では姜英淑の「リナ」しか読んだことがありませんでしたが、本作は「リナ」とは全く質感の違う作品です。
本作で韓国の現代史を初めて体感し、傍観者というより無関心であったことを知りました。
日本人にとり
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2016年 10月 16日 12:44読書レビュー(書籍)
酷い夏休みでした。
土曜日:N氏来訪
日曜日:麻雀大会
月曜日:赤岩岳敗退
火曜日:病院
水曜日:ハンセン病資料館
木曜日:Amazon.comからThe rolling stones in monoが届き、1日聴いている。
金曜日:友人の娘宅のガスレンジ交換
土曜日:金魚の餌買い等
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2016年 10月 07日 12:49読書レビュー(書籍)
本作は津島佑子の死後に発見された原稿です。
津島佑子が初めて自らの父母兄そしてその親戚までに思いをはせて描いた作品ではないでしょうか。
戦時中に甲府駅に現れたヒットラーユーゲントを見に行った二人の少年と一人の少女を中心に戦前戦中戦後にわたる「フテキカクシャ」という言葉からのメッセージ小説です。
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2016年 09月 30日 21:45読書レビュー(書籍)
著者はインド出身のアメリカの腫瘍内科医です。
ですのでその内容が外科手術より薬でがんを治すという(化学療法)方向に重きが置かれています。
上下巻を通して読んでみて、統計学、抗がん剤、製薬会社の経済、副作用について理解がf深まりました。
臨床試験とは偽物を投薬される患者グループと開発中の薬を投与
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2016年 09月 13日 12:54読書
著者が本書を執筆した動機は癌が再発した患者からの「このまま治療を続けるつもりだけれど、私が戦っている相手の正体を知らなければならない。」という質問だったそうです。
しかし、腎臓癌と前立腺癌ですでに4つの臓器を失った私としては堪える内容です。
下巻で少しは希望が見えてほしいというところが本音です。
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2016年 08月 20日 01:33読書レビュー(書籍)
学問の自由、大学の自治という幻想と戦い、戦い続ける氏の総括の書。
東大という位置から見た1960年代の学生運動史。
王子野戦病院闘争の時は私は小学生で明治通りの街路樹に登り、美しいヘルメットのジグザグ行進を見とれていました。
そう小学一年生の時はおしくらまんじゅうをするとき、ませた友人が
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2016年 08月 13日 07:29読書
ankotaさんが紹介してくれた書籍です。
アイガー北壁第18登冬季初登頂したドイツ人トニー・ヒーベラーの記したアイガー北壁にかかる自らの登攀記を含めた随筆集。巻末に1935年8月のドイツパーティーによる初めての試みから初登から1966年の第55登までの「アイガー北壁完登者と犠牲者」が付く。「白い
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2016年 07月 21日 21:59読書レビュー(書籍)
藪屋さんのブログで紹介されていました。
驚異的な実力を持ったおバカな沢ヤの山行記です。
解説ではスーパーアルパインクライミングとか書いているが
外道クライマーの歩き方でよいではないか。
文章は非常に読みやすく、それでいて真に迫り、面白いです。
構成もよく考えてあります。
2か月近くを共に
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2016年 06月 14日 20:27読書
読み終わるのに途中入院があったとしても、80日間かかりました。
世界一周ができてしまいます。
山で出会う祠にはすべて頭を下げる私ですが、神としてのキリストを肯定しない私には全てが屁理屈としか読めず、理解できませんでした。
それでも神学とはどういうものかは少しはわかりました。
「私の著作
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2016年 05月 27日 22:22読書レビュー(書籍)
若かりし頃、ゴジラの背から最後無理やりチムニー状を抜けると目の前がテラスで恥ずかしかったこと。
後輩が土足でトイレに入り、小屋の人に咎められ雑巾がけの刑に服したこと。
食事はオリジナルの陶器製食器ででナイフフォーク頂く。
なかなか思い出深い山小屋です。
本書は槍ヶ岳山荘グループ95周年を
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2016年 05月 26日 18:44読書レビュー(書籍)
久々に神田の大型書店に行ったら金邦夫氏の「すぐそこにある遭難事故」が出ていたので購入しました。
数年前にウトウノ頭を通過したときに水鳥の善知鳥の絵が掲げられていたのでこれはおかしいだろうと、名前の由来を調べるために図書館の本を検索して数冊を借りました。
その中に「奥多摩登山考」があり、読んでみる
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2016年 05月 25日 20:43読書レビュー(書籍)
子どもの頃の車に対する数々のいたずらは笑って済まされないいたずらである。
親の援助で始められた山登りも普通の家庭の子どもには無縁である。
シェルパの娘との結婚ごっこも、若気の至りで済ませて良いのだろうか。
また登山も無謀としか読み取れない。
しかし、エベレストのゴミや放置された遺体について、
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2016年 05月 24日 21:50読書レビュー(書籍)
平成11年3月5日文部省登山研修所主催の大学山岳部リーダー冬山研修中、北アルプス大日岳山頂付近で雪庇が崩壊し11人が転落し、二人が行方不明になりました。
当時大きなニュースになりました。
冒頭に巨大雪庇の崩壊と遺体捜索までが簡素に語られ、中盤は刑事事件になる場合の被告人と弁護人のやるべきこと
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2016年 05月 24日 05:23読書レビュー(書籍)
古い山登りの記録を読むと今では信じられない非常識な行動で遭難したり、記録を打ち立てたりされてきたことに驚かされる。
今我々が常識として持っている知識は自ら知らぬ間に得た教養のように感じているが、実は先人達の命との引き替え、失敗の反省から生まれてきた貴重な常識であることを知らされる。
私も1980
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2016年 05月 22日 02:12読書レビュー(書籍)
遭難事故から3年後の2012年に旭岳からトムラウシ、十勝岳と歩いてきましたが、半分以上が視界10メートル、雨、気温7〜8度、風速15メートル、最大瞬間風速30メートルといった環境でした。
そこで本書を手に取りました。
私たちが白い虹を見たのはツアー客が体調不良を越し始めた日本庭園であり、ツア
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2016年 05月 20日 22:53読書レビュー(書籍)
私は植村直己はスポンサーがついてから、自由な冒険ができなくなり、それを断ち切るためにマッキンレーで姿をくらまし、今はアマゾンの奥地で酋長の娘を約束通り娶り、筏に乗っているのではないかと思います。
当時第一線で活躍していた岳人はみな遭難死してしまいました。
植村氏が存命の頃、氏の著書を何冊
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2016年 05月 19日 19:39読書レビュー(書籍)
今は絶版で貴重は本はモスクワに単身赴任をする山岳部の後輩に貸したきり、本人ともども帰国していません。
ですので写真を掲載できません。
白い蜘蛛とはアイガー北壁上部に見える雪田が蜘蛛の形に似ているところが由来のようです。
1991年に「死のクレバス」を読み、その後映画化された「運命を分けたザイル
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2016年 05月 18日 19:47読書レビュー(書籍)
黒沢明の映画「デルウス・ウザーラ」を先に観ていました。
正直それほど感動しませんでしたので、ハードディスクから消してしまいました。
ところが、かみさんが辻まことが書物の中で絶賛しているというので購入して読み始めました。
ならばと私もそのあとに読みました。
いやおもしろい。
記憶に残
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2016年 05月 17日 18:50読書レビュー(書籍)
本書は昭和46年に初版が出版されました。
当時は大学山岳部の全盛期ではなかったでしょうか。
序論でマロリーが「なぜあなたはエベレストに登りたいんでしょうか」と問われ「そこにあるから」と答えたことが後に「そこに山があるから」という言葉で独り歩きを始めたことを著者は問題視し、「そこに未踏峰の世界最高
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2016年 05月 16日 18:49読書レビュー(書籍)
あの太陽の塔の近くの国立民族学博物館(国立民族博物館は千葉です。)の初代館長を務めた梅棹忠雄は全22巻の著作集を残しました。
その第1巻は「探検の時代」でこれもおすすめですが、山屋としては第16巻の「山と旅」がなじみます。
1冊6,000円から10,000円近くしますが、最近はkindle版で2
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2016年 05月 15日 22:10読書レビュー(書籍)
昭和38年の正月に二つの大きな遭難がありました。
一つは薬師岳での13人遭難。
太郎小屋に降り立った朝日新聞社の記者本多勝一が「太郎小屋に人影なし」と伝えた
愛知大学山岳部の遭難です。
そしてもう一つが、本書が扱うリーダである野呂氏のみが生還し、部員10人が死亡した遭難です。
1959年を
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2016年 05月 14日 17:30読書レビュー(書籍)
あの雪山賛歌のオリジナルを部歌に持つAACKが中心となり、中国との共同登山という形で1991年に初登頂を狙いました。
しかし、残念ながらC3で17名全員雪崩遭難するという結果をもたらしました。
その後の再挑戦と失敗、諦めていた遺体の回収を15年間続けた著者の目から見た記録です。
地元の村長
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2016年 05月 14日 04:26読書レビュー(書籍)
昔の遭難記とは別物の読み物です。
記録文学としても完璧に思われます。
遭難発生から8年5ヶ月目に出版され、遭難者の一名が仮名であることから、
執筆と発表には相当の困難があったことが窺える。
あるべき論を捨て、批判を覚悟でディテールを書き起こした著者に
ルポライターとしての実力を見ます。
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2016年 05月 12日 22:34読書レビュー(書籍)
原題はTOUCHING THE VOID
1991年に読み、その後機会のある毎に山岳部の仲間に貸していた本です。
冬山の経験がある人なら、そのリアリティーに恐怖を感じるでしょう。
前半の登頂までの記述とクレバスの中で生きていることを知り、戻る戦い。
情景描写もさることながら、その心理描写は事
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2016年 05月 11日 23:39読書レビュー(書籍)
辻まことの絵を初めてみたのは山の雑誌の表紙でした。
そしてその中の山道具の店、秀山荘の広告も描いていました。
当時秀山荘は八重洲にあり、辻まことはそこに居候していたようです。
この絵を真似して描いて山岳部員募集のポスターは評判になり
随分と幽霊部員を増やしたものです。
本書は一時期入手困難
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2016年 05月 11日 10:20読書レビュー(書籍)
私が読んだのは今から45年前です。
加藤文太郎の死後、手記が遺稿集刊行会から刊行されたのが昭和11年8月でした。
その偉業が世間に認識され、昭和16年に軍事保護法により内容の一部削除を経て公刊されました。
今は涸沢ヒュッテの経営で知られる朋文社から出版されました。
何故かその貴重な本が私が通
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2016年 03月 26日 05:28読書レビュー(書籍)
原題をTHE SECRET RIVERといいオーストラリア人ケイト・グレンヴィル
が書いた1800年代にイギリスの流刑地であったシドニーを舞台にした
入植者家族とアボリジニの物語です。
ちょうど国後島でロシアの海軍軍人ゴローニンが松前藩にとらわれ幽閉されていた
江戸時代末期に重なります。
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2016年 01月 30日 00:08読書
私は中学校三年生の夏、受験勉強と称して区立図書館に通い、図書館にある書架一杯分の山関係の本を読み漁りました。
多くが遭難記でした。
その前に中学校の図書館に何故か「単独行」があり、それを読んでいました。
自慢ではありませんが人生で初めて読んだ本でした。
嘘です2冊目です。
小学校の時、風邪
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