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樺太がどこの国に帰属するか明確ではなっかた「サハリン島占領日記」ニコライ・ブッセ著や「サハリン島」チエーホフ著などは読んでいましたが、南樺太の時代の書籍は初めてでした。
本書は南樺太の太平鉱山病院の看護婦と同じく真岡郵便局電話交換手の集団自決の美談について考察します。
美談の陰には体制の思惑がある。
著者は病院の院長不在と事実を歪曲した真岡上田局長を指弾するが、戦陣訓「生きて虜囚の辱めを受けず」などの教育の効果に改めて恐怖を覚えます。
残念なのは何故青酸カリがあったのかもありますが、誰の指示で持ち出したかが突き止められなかったことです。
しかしながら当時日本領であった南樺太の情景は読めました。
ただ朝鮮の人は一回だけ記述されますが、樺太アイヌの人々は記述されじまいでした。
本書で詔勅後も日本軍が抵抗していたこと、引揚船三隻がソビエトの潜水艦により沈められたことも知りました。
昭和20年8月22日、樺太から引き揚げる市民を乗せた「泰東丸」と「小笠原丸」それに「第二号新興丸」の3隻が北海道の日本海側の沖合で潜水艦から魚雷攻撃を受け、1700人あまりが命を落としたのですね。
1990年代に見つかった資料から旧ソビエト軍による攻撃だったとみられていますが、現在のロシア、日本の両政府による事実関係の確認は進んでおらず、77年たっても全容は明らかになっていないそうです。
ちょうどこの1年前に沖縄から本土に疎開児童を疎開させるための対馬丸が米軍の潜水艦で沈められているのですね。
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