私とほぼ同年代のアメリカ人で登山界で活躍し、雑誌アウトサイドに多くの記事を書いていた人です。
本書の「転落の後で」の章でシュナイダーはヨーロッパの山道具メーカーかと思っていましたがアメリカの会社で、訴訟嵐に巻き込まれ計画倒産で難を逃れ、それを居ぬきで引きで引き継いだのがブラックダイアモンドであり親密な会社がパタゴニアであることも本書で知りました。
アメリカでも戸塚ヨットスクールの陸上版と言える少年少女を矯正する荒野療法が流行し死者が出たことや、スイスと同等の面積を持つ国立公園「北極圏の扉」の存在や、ヒマラヤ以外で名をはせたクライマーフレッド・ベッキーの存在も初めて知りました。
本書の日本での出版は2023年1月5日ですが、内容は1985年から1996年にアウトサイドに発表されたもので、例外としてザ・ニューヨーカーに2014年に発表された「エベレストにおける死と怒り」があるくらいで1997年に出版された「空へ」より前の記事になります。
内容は少し古くなりますが、各界で跳び抜けて突っ走った人たちの物語です。
「エヴェレストより高い山」は知りませんでした。文庫版で安いので今度買って読みます。私はウィランスのシットハーネスを使っていましたが、バックルでの折り返しと左右のタイインループにザイルを通して結ぶが基本でしたが、墜死した体重90キロの人はどちらもしていなかったようです。翻訳物は翻訳者によって作品の評価が大きく変わりますね。本では「死のクレバス」、映画では「運命を分けたザイル」の原題は[Touching the void]。でもこの本は自分の足がうずくようでよかったです。
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