土 地球最後のナゾ 藤井一至 光文社新書

スコップ一丁晒に巻いて、１２種類の土を確かめに研究予算の少なさを嘆きながら、世界を渡り歩く。
その目的は人類１００億人の食を満たす土を求めてと大きく出た。
以前読んだ環境保全の観点から書かれた土の本と言っていることが違うなと思いながら読み進めましたが、切り口が違うだけで、巻末で一致しました。
噺家（具体的に名を挙げるなら立川談志）が土について語るとこんな感じになるのかと思うほど、上質の洒落やユーモアがあって、楽しく平易に読めました。
けっこう知らないこともあり「へーー。」と思いながら読みました。
例えば化粧品は水とワセリンで出来ていると思っていましたが、実は土も主要な成分であることを知りました。
なーんだアフリカの土で化粧をする人々は先輩なんだと納得しました。
また、土によって人口が左右されるという事も改めて実感しました。
世界が椅子取りゲームに参加しないことを願い、これはお勧めです。